立ち呑み日記・さらば、先生 [ワルガキ]

「オカーサン、予定変更!」
と、年度末の授業最終日の前日、13歳のムスメが息せき切って学校から帰って来ました(こちらの学校は9月始まりで6月が年度末なんです)。

最終日は教科ごとにジュースやお菓子の持ち寄りパーティーなので、ムスメはレインボーケーキを焼いて持って行くつもりです。

マ、その大方の作業はオカーサン(ワタシです)がやらされるわけですが。

レインボーケーキはここ数年世界中で流行しているらしき重ねスポンジケーキで、「レインボーケーキ」とこう打ちこみ画像検索なさると、世にも毒々しいのがずらららーっとご覧になれます。

生地を六等分ないしは七等分して食紅で彩色したのを順次焼き、クリームチーズを糊にして虹の色の順番に重ねたケーキ。

表面には粘土みたいな市販の白い砂糖ペーストをのばして覆い、カラフルな砂糖ペーストでデコレーションする算段です。

ムスメは、表面に、
「雨の後は必ず晴れる」
という、ムスメ言うところの「ロックな」一文を書くつもりでいました。

今年はセーヌ河が氾濫するほど雨降りましたしね。

ところが前日になって、この立食パーティーの時間であるドイツ語の先生がこの授業をもって定年退職を迎えるという情報を得て来たというわけです。

そこで予定変更し、
「〇〇先生、定年おめでとうございます」
と、文法あぶなっかしいながらドイツ語で書くこととあいなった次第。

先生との別れって、なんだか胸が苦しくなりますネ。

♪さようなら子どもたちよ・・
という、往年のミュージシャン、ピエール・バシュレの「オールヴォア(またお目にかかりましょう)、先生」が不意に脳内で響き渡り、グッときちゃいます。

ピエール・バシュレはホラ、映画「エマニエル夫人」の主題歌のミュージシャン。

同じ別れでも、二度と会えない状況の、「アデュー(さらば)、先生」という歌も、フランスにはありました。

「スターアカデミー」というスター育成のテレビリアリティ番組に出演した生徒一同が集大成で歌った曲で、この番組が終われば先生もまた追い越すべきライバル、感謝をこめながらも「アデュー(さらば)」という、凛とした決別の言葉がきいています。

この歌の流行った2004年は、学生運動に身を投じた団塊世代が定年を迎えた時期で、曲の中で彼らの青春歌「インターナショナル」を想起させる旋律が含まれていのが、これまたグッときちゃいます・・

・・とこうやたらとグッときて、どうせならもっとグッとなっちゃおうと日本の歌を検索してみると、これが意外にも、リタイヤする先生へのはなむけの歌って、「無い」んですヨ。

卒業式でよく歌われるという「ありがとうさようなら」では確かに先生への別れと感謝が3番にありますが、友だち(1番)、教室(2番)との並列です。

これはいったいどうしたことか。

「チップス先生さようなら」
のような話は、日本では生まれないのか。

やっぱりその、万事世知辛い世の中、定年で悠々自適とはいかないからでしょうかネ。

レインボーケーキもまた、日本ではいまひとつ流行ってないみたいです。


P1000415.JPG
 ひゃー、壁の修理中。命綱はついているみたいです。

ピエール・バシュレ「またお目にかかりましょう、先生」は、これです。
https://www.youtube.com/watch?v=hLltsfvK2bY

スターアカデミーの「さらば、先生」は、こちら。当時ハリー・ポッターブーム真っただ中、ふつうフランスの学校に制服はないんですが、英国風の制服を着くずしています。
https://www.youtube.com/watch?v=TyrZWgkL5Yo


前菜は、ホワイトアスパラ、マヨヨーグルトソース
主菜は、鶏ロースト、じゃがいもロースト、いんげん塩茹で、グリーンサラダ




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