立ち呑み日記・食パン美少女 [追究]

漫画ではあるけど現実には一度も会ったことないキャラベスト10、
という記事にあたりました。

その堂々1位は、
「食パンくわえて、遅刻―!と、走っている制服の美少女」

そのイラストには、蝶結びのタイの首もとを世慣れた風にゆるめて膝上スカートという今風制服の美少女が、食パンくわえてダッシュしている。

マ、確かにワタシも一時帰国する折、こういう少女をついぞ見かけたことはありません。でもホンットに「実在しない」、ないしは「実在したことがなかった」んでしょうか。

「アラフィーにもちゃんと取材した?」
と、この記事をお書きになった若手(に決まってる)ライターさんに畳みかけたいですね。

なぜというに、ワタシ(アラフィーです)が中学生の時分、同級生の美少女が毎朝食パンくわえて家を飛び出ていた事実があるから。

当時、本人からしかと聞き及びました。

セーラー服にえんじ色のタイ揺らし、片手には持ち重みする革の学生鞄。あの学生鞄も、気が付けば見かけなくなりました。

息せき切って家を飛び出す同級生のもう片手には、トーストがあります。

ただし、漫画に描かれるように一枚口にくわえるのではなく、バターをぬったほうを内側に二枚重ねにしてつかむ(そのほうが食べやすい)。

漫画では、食パン美少女は不意に少年とぶつかり恋が生まれますが、彼女によると、
「誰かにぶつかるような運動音痴には全力疾走しながら食べ切るのは無理(キッパリ)」

ワタシなど無類の運動音痴ですから、走りながらカミカミゴックンなどのみこんだものが背中のほうへ入りそうで、想像するだに息苦しくなったもンです。

われらが食パン美少女は別に誰かとぶつからずとも、名門男子校生のイケメンカレシがちゃーんといました(ABCガラミについても聞き及んでますがこれはまた別の機会)。

ABCって靴屋? というささやきがお若い方々から聞こえてきたようなので念のため記しますと、A(キス)から「最後までいっちゃう」(「C」)まで、符牒のように言ったものなんです。

漫画によく登場するという食パン美少女って、
「もともとの出典が未詳」
なんだそうです。

未詳のまま、バナナですってんころりんと
同じくパロディのほうが発展したのだそう。

1989年『サルでも描けるマンガ教室』
(相原コージ、竹熊健太郎共著)に、ありがちな
出会いの例として紹介されているのが最初とも言われています。

『エヴァンゲリオン』の綾羽レイが起源、
との説もあるそうですが、これらはいくらなんでも
若手の見解に偏りすぎではありますまいか。

少女マンガでは、1965年『リンゴの並木道』((西谷祥子)、
あるいは1968年『パティの初恋』(木村三四子)、
少女でなければ、1965年の回の『フジ三太郎』、
1962年の回の『サザエさん』までさかのぼれるそう。

つまりそれは、日本人の朝食がパン食に
移行した時期と合致する、ということでありましょう。

「モーレツ」時代、食パンかじりつつ家を出た
人って、あんがいいたのではないでしようか。

ではなぜ最近、食パン美少女を見かけないのか。

元食パン美少女のわが同級生がまさに
そうなんですが、自分が親になった
あかつきには平日の朝寝坊などあるまじき、
栄養バランスのいい朝ごはんを何が何でも
食べさせてからおくり出しているから・・

・・とまあ考えるんですけど、どんなもンでしょうかネ。


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信号を待ちながらパチリ。

前菜は、メロン
主菜は、舌平目グリル、じゃがいもロースト、いんげん塩茹で

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