立ち呑み日記・ケバブと牛丼 [ランチ]

お昼にケバブが
「食べたいったら食べたいッ」
と、13歳のムスメが盛んに示威行動を繰り広げるので、みとめましょう、と、買いに出ました。

近所のケバブ屋さんは大繁盛でした。着席してフォークを動かしているのは全員男性、それも褐色の肌のトルコ人男性ばかりです。

これって、パリの日本人がこぞってラーメンに向かうのと同じでしょうかネ。

よくテレビのラーメン屋さん特集なんかで、眉間にシワ寄せて味わっている男性(そう、きまって男性)が登場しますが、このケバブ屋さんでそういうトルコ人は見かけません。

みなさんホッコリした表情でお昼をたのしんでおられる。

そういうところからいくと、それに男どうし連れ立って食べに行くところからかんがみても、ラーメン屋よりむしろ牛丼屋のほうに共通点があるかもしれません(パリには残念ながら牛丼専門店はありませぬ)。

牛丼屋にはホレ、「つゆだく」とか、専門用語を用いた注文がありますよね、ケバブ屋さんもそうです。

まずパンですが、ホットドック用みたいな長細いのと円形のピタパンがあり、カウンター内の調理人と目が合うや、どっちにするか光の速さで注文するんですヨ。

光の速さで、というのは、ケバブ調理人は長細いほうを音速で取り上げ調理にかかろうとするから。トルコ本国のケバブが細長いパンが主流、なの、かも、しれません。

パリでケバブは長らく「ギリシャ風サンドイッチ」と呼ばれ、円形のピタパン一辺倒でした。

ムスメもまた人生お初で「おいしーい」となったケバブがそれだったので、
「ピタパンのほうで」

ここにソースをぬるんですが、
「どれにする? さあ、さあ!!」
と訊ねられる切迫感といったらないです。

モタモタすンな、
と、お店の人は間違っても口に出さないものの、:ケバブが
どういう食べ物かあらかじめ知っといてもらいたいな、
というオーラはげしく立ち込めている。

安い、はやい、うまいの牛丼屋だって、「並」とか、「アタマの大盛り」とか、注文する側もすばやさを求められているのではないでしょうか(「アタマの大盛り」とは具のみ多く、という符牒だそうです)。

ケバブをたまにしか買わない日本人のオカーサン(ワタシです)は、焦りに焦りながら、ソースはマヨネーズを選択。

「ソースたっぷりね」
と、ワタシの前に注文していた男性がつけ加えてましたが、これなど「つゆだく」に匹敵でありましょう。

そのあとパンに細切れ生野菜をのせるんですが、身を乗り出して、
「玉ネギの薄切りはなしでおねがいね」

なにぶんにも13歳の嗜好ですからね。

しかるのちにそぎ肉がたんまり載ったところを春巻き状に丸め、揚げたてフライドポテトも脇におテンコ盛りにしたところで、
「ケチャップ? マヨネーズ?」

フライドポテトに何を、とのことなんですが、聞いてくれながらも手がすでにマヨネーズのびんにかかっているのを制し、
「何も添えなくていいです」

これで一人前5ユーロ(約700円)、大人の男性がオナカイッパイのイッパイになる量です。

お財布を開いていると背後に、男子高校生のグループがお腹空かせきった顔して並びました。


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バスの中でパチリ。今日は寒かったです。

前菜は、カボチャのスープ
主菜は、牛と豚二種類のフランクフルトソーセージ、シュークルート(キャベツ酢漬け)、蒸しじゃがいも、いんげん塩茹で



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