立ち真美日記・焼かないうどん [ランチ]

「このパスタそんなにおいしくな~い」
と、お昼を食べながら口をとがらせるワルガキ二匹。

ウムムム・・・と、オカーサン(ワタシです)もまた実をいいますと半分以上同意したい心境なんですが、料理した手前そうも言えず、
「お皿のものはちゃんと終わらせます」
と、鹿爪らしくやります。

本日のお昼は、昨晩の鶏ローストの残りとブロッコリー塩茹でに添えた、焼きうどん。

このうどんはアジア食材店で買った日本製の常温保存できる讃岐風生うどん5パック入りで、前日のお昼などカレーうどんにしておいしく食べました。

それが、焼きうどんとなるとなぜおいしくないのか・・

・・と、いいますか、焼きうどんはフライパンでちゃんと焼くからこそヨロシイ焼うどんになるのだなあ・・と、内心反省しきりなんです。

「エ、焼かなかったの?」
というお声が聞こえてきたようですが。

ハイ、焼きませんでした。

しっかり焼くつもりで傍らにフライパンも用意してあったんですけど、うどんが茹で上がりざるに開けた途端にナマケ心が出ましてですね、ひと行程はしょりました。

で、熱いうどんをスパゲッティー同様水洗いすることなくボールにあけ、熱いうちにオリーブ油と醤油と乾燥エシャロットなどの調味料と「ぶっかけ海苔」というかつお節と刻み海苔と青海苔が混ざったふりかけをざざざさざっとふりかけてざっくり混ぜ、完成。

すると、欠点ばかりが目立つ風味に成り下がっちゃったんですよねえ・・

スパゲッティーのようなセモリナ粉の風味やコシが、まるっきりない(うどんだから当然)。焼いてないから表面がすべすべで、調味料がうわすべりして十分に絡まない(スパゲッティーではなしこれも当然)。

しかも、平皿に盛り付けた都合上、フォークとナイフで食べたんですね。これがまた焼きうどんの「感じ」を、著しく損ないました。

「なんとッ、焼きうどんをフォークとナイフで食べる馬鹿がおるかッ」
と、お呆れ、お叱りの声ごもっとも。叱らば叱れ。

どういう食器で食べるかというのは、とても重要です。

ワタシの友人の食通夫婦など、家で日曜日のお昼に焼きそばをつくる時は屋台風の「感じ」を出すために普段の箸でなく割り箸、それも材質の粗悪な格安品をあえて買いおき、河童橋で見つけたという経木の皿に盛りつけて食べるほどの凝りっぷり。

そこまで酔狂でなくとも、フランス在住の北アフリカ系の人たちも民族料理クスクスのときはフランス風にフォークとナイフでなく、ご当地風にスプーン一本で食べるもののようです。

フランス人は前菜のスープ以外にスプーンを食卓で使うことはまれで、カレーライスもフォークとナイフで食べます。

そんなわけでワタシはつい日和(ひよ)った。

焼きうどんというと「全国焼きうどんサミット」が開催されているほどご当地グルメの立役者で、
岩手県のいわてまち焼きうどん(醤油味)、
埼玉県の鳩ヶ谷ソース焼きうどん、
三重県の亀山みそ焼うどん
など、名物がいろいろあるみたいです。


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いかにも秋でパチリ。

前菜は、カボチャのポタージュ
主菜は、白身魚のフライ、バターじゃがいも、いんげん塩茹で


立ち呑み日記・お店のそうめん [ランチ]

お昼に、夏の一時帰国で日本から持ち帰ったそうめんを茹でながら、つらつら考えた。子どものころ、お蕎麦屋さんのそうめんには缶ミカンやら真っ赤なサクランボやらが入ってたナ。

ワタシは生まれも育ちも関東地方なので、今、そうめんとは言いましたが、おそらくそれはひやむぎです。

記憶の中でごっちゃになっているんてすが、ここ何十年も、ひやむぎは食べてません。老父母の家に届くお中元でも、そうめん圧勝。

その圧勝なるもののおすそ分けを木箱からとり出してビニール袋に入れ直し、スーツケースの一番下にみっしり敷いて持ち帰ったところを、ただ今茹でているところなんです。

子どものころは、お蕎麦屋さんのそうめん(というかひやむぎ)にアコガレたもンでした。水中すずやかに泳ぐ白い麺。

そうそう、麺にはピンク色や緑色のものが一本だけ入っていて、これを食べてみたかった。家で茹でるときはきょうだいげんかのたねになります。

お店のそうめん(というかひやむぎ)はその水没した白い麺の上に、缶みかん二、三片がきまってあしらわれていたものでした。

そうすることで一気に商品価値が上がった(のだと思う)。

ワタシなどは一度でいいから、お蕎麦屋でそうめん(というかひやむぎ)を注文して、水中の缶ミカン「だけ」食べてみたかった。

だったら何も蕎麦屋になど行かずうちで缶ミカンだけ食べればいいじゃないの、と、思われるでしょうが、それじゃダメよ~ダメダメ、そうめん(というかひやむぎ)に乗ってないとダメ。

そうめん(というかひやむぎ)自体はうちで食べるのとおんなじなので、さほど心惹(ひ)かれません。

このあたりに原因があるんでしょうかネ、今、そうめんもひやむぎも、関東一円では蕎麦屋のお品書きから姿を消しているそうです。

代わりにそうめんに特化した店ができ、こういうところでは、「温泉卵をのせた冷やしぶっかけ」のような食べ方が主流のようです。

この店の食べログを目を皿にして読んでみましたが缶ミカンも真っ赤なサクランボも採用されなかったもよう。

そうめんに缶ミカンを知らない世代はもはや多いみたいです。

「そうめんに缶ミカン?! と、夫も子どもたちも信じてくれません」
という投稿記事を、発言小町あたりで見つけました。

そうかと思うと、クックパッドでは
「みかんそうめん」
を、紹介なさっている方もおられました。

普通の素麺の上からよく冷した缶ミカンをぜいたくにもひと缶分ざばんとかけのせたもので、子どもは歓声を上げてとびつくそう。

投稿者の夫ぎみの実家の定番家庭料理だったそうで、なるほど、当時のオカーサンが子どもの夢を実現した一品なんですね。

大人になって考えてみればなんのことはない、ただの缶ミカンとそうめんです。いっちょ豪勢にやってみるかナ、と、考えてはみましたけど、ウームどうでしょうか・・

・・と、つらつらするうちにそうめんは茹で上がり、つゆにおろししょうがを落としてつるつるやるといくらでもはいり、ふと気づけば身動きできないほどオナカイッパイのイーッパイで、ことんと眠くなりました。


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先月行った大阪のユニヴァーサルスタジオも大混雑でしたが、ノートルダム寺院の前もなかなかです。

前菜は、メロン、トマトサラダ
主菜は、鶏ロースト、じゃがいもロースト、いんげん塩茹で


立ち呑み日記・W餃子定食 [ランチ]

所用あって郊外の駅にお昼時に降りたち、ひとまず腹ごしらえすることにしました。

蝉しぐれの炎天下、頭クラクラになりかけながら駅前をキョロキョロ・・・と、店の前に出ていた冷し中華の写真にグイグイ吸い寄せられ、涼しいところへ足を踏み入れます。

ひゃー、生き返る。

いざなわれた席の卓上にあった写真つきメニューを開いてみると、この店は「ぎょうざの満州」といって餃子の専門店であることがわかりました。

そうとなればお腹もすいていることですし、
「冷やし中華と餃子のセット、おねがいします」

やれやれと見回してみればそんなには広くない店内で、年齢層もばらばらに、おのおののお皿に向かっています。おいしそうだナ、お腹すいたナ・・

・・と、思う間もなく、隣りのテーブルに、お若い男性の二人連れが座りました。

「こないだの実験が、」
といった会話からすると、東京郊外のこの駅近辺には大学がいくつもあるのでその学生さんでしょうか。

「W(ダブル)餃子定食二つ、ご飯は大盛りで」
と、メニューも開かず手慣れた感じにお店のひとへ告げています。

待つことしばし。餃子専門店だけあってワタシの冷し中華セットより、お隣りさんのW餃子定食のほうが先にやって来ました。

それがまあなんとも壮観。

W餃子とは餃子二皿分ひとつ盛りのことで、「ぎょうざの満州」だけでなく「ぎょうざの王将」でも「日高屋」でも共通の言い方らしいです。

楕円の皿にずらりと二列に並んだ表面カリカリの餃子、小ぶりの椀に入ったスープ、小皿のつけものらしきもの、それに堂々たるどんぶりめしがお盆にのっています。

お二方はそれぞれ卓上の餃子のたれとラー油を小皿に取ってどんぶりを持ち上げ、たれとラー油に浸した餃子をいったん白飯の上に置いて、ぱくり、ぱくりとお始めになりました。

もはや私語もかわさず、餃子、白飯、餃子、白飯、というように、的確に食べ進みます。実に若者らしくすがすがしい食欲、なれど・・・と、横目をつかいながらやや首をかしげたんですが・・

餃子と白飯って、合うのかナ。本場中国では餃子とご飯はいっしょに食べないと聞き及びますが。

家庭のごはんでは別にそんなふうには思わないんですヨ。家庭のごはんではおかずが餃子のみってことは
あり得ず、つけ合わせにキャベツがあったり漬物の鉢があったり、小皿に前の日の残り物が出ていたり、する。

冷蔵庫を開ければ買い置きの納豆なんかもあります。

餃子は餃子でパクパクつまみ、白飯はそういうその他のおかずもまた合いの手になりますが、お店の餃子定食だとそうはいきません。

おかずは餃子のみ(キッパリ)。

スープと小皿のつけものがあるじゃないの、と、おっしゃりたいでしょうけど、あんなちっぽけな椀の具の少ないスープとつけものちょびちょびで、どんぶりめしと互角に対処できるものなんでしょうか。

お二人に聞いてみたいところですが、ワタシの前にも待ちに待ったおいしそうなものがいよいよやって来たので、それどこじゃなくなりました。


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いまどき珍しい銭湯発見。ぜひ入ってみたいところでしたが通りがかりでタオルもなく涙をのみました。

前菜は、ニンジン千切りサラダ
主菜は、牛ステーキ、じゃがいもソテー、いんげん塩茹で

立ち呑み日記・拡大写真 [ランチ]

(アレレ?)
と、餃子の入った箱を見下ろして、絶句するほかありませんでした。

ただ今、池袋サンシャインビルにあるナムコナンジャタウンに、11歳のムスメのおともだち母娘ともども来ているところ。

子どもらは「パスポート」で好きにとびまわり、オカーサン二人は入場券のみで席をとって空調のきいた涼しい館内でお腹空かせ、お昼ごはんのひとときを今かと待ちます。

ナムコナンジャタウンは昭和30年代の街並みをよみがえらせた室内型テーマパークで、日本各地の名餃子店がひしめいていることで知られています。

昭和の時代の路地裏風に店が連なり、ビールケースを積み重ねたテーブルが並ぶ広いイートインコーナーがあります。

ずらりと並ぶ餃子の見本写真の、どれもおいしそうなこと。鉄板にジューッと押しつけて焦げ目のついたのが
拡大写真で、これでもかーッと並んでいます。

ただこの拡大写真が、いずれの店のも拡大がやや過ぎるキライがあるんですね。

「良く見えるように拡大してるだけで、勝手な実物大を想像されても困ります」
と、言われたらグウの音も出ないんですが。

買って目の当たりにしてみると、どの店のも(アレレ?)と、絶句するほどに、小さい。ホラ、ひと口餃子って、ありますよね。あれのさらにおちょぼ口版、とでもいいますか。

みんなでつまめるように、円形餃子1200円ナリというのから買ってみたんですヨ。円形のフライパンにぐるっと敷き詰められ、店頭の拡大写真で見ると、大皿ほどもあります。

他の店のも食べてみたいけどこれだけでオナカイッパイのイッパイになっちゃうんじゃないかという不安を抱えて待つこと数分、
「焼き上がりましたー」

ところが来てみたら、大皿どころか紙皿(中)にちんまり納まっているほどに、小さい。大人名子ども三名では、ほんの試食程度でおしまいになりました。子ども一名でこれに立ち向かったとしても、軽いおやつ程度の分量です。

さあそこから、オカーサン二名はお店をまわり、適宜買いもとめては席に戻ります。が、いずれもほーんのちょびちょび。

四コ入りひと箱の値段は高くもないですが、全員のお腹を充たすまでとなると
(こりゃ下手するとナン千円まで行っちゃうな)
ということがわかった時点で、即座に打ち止めを決めました。

釈然としないお腹を抱え、それでも子どもらは「パスポート」の恩恵をこうむりたいと、一目散にアトラクションへ駆け出します。

残されたオカーサン二名もまた釈然としないなりに凌(しの)げそうな気がしてきて、沙汰やみとなりました。

見回すとみなさん、おちょぼ口の餃子ひと皿に餃子どんぶりのようなご飯ものでお腹を充たしているもよう。あるいはかるーいつまみ代わりに一人あたり4コから8コとり、生ビール一杯と合わせる。あくまでテーマパークのアトラクションとして試食程度にたのしんでおられるもよう。

池袋サンシャインシティの中には食べ物屋がゴマンとありますしね。

帰り道、やっぱりお腹が空いてがまんできず、晩ごはん直前だというのに駅ナカで寄り道してスパゲッティ食べちゃいました(晩ごはんもちゃんと食べました)。


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無人駅って都内にもまだあるんですネ。

前菜は、メロン、プチトマト
主菜は、焼肉、ズッキーニとピーマンの鉄板焼き、スパゲッティーバジリコソース

立ち呑み日記・テラス味(あじ) [ランチ]

日本から友人が遊びに来るので、パリ在住の共通の友人ともどもランチすることとあいなりました。

どんな店に予約を入れるべきか。

夏至も近づき陽射しも強くすがすがしくなってきたことで、テラスのあるレストラン、この方向でいこうと思います。

なにしろ春からこっち雨ばっかりで、誰もが陽の光に飢えてましたからね。

毎年5月過ぎぐらいになると『パリマッチ』などの雑誌に、
「パリ・イチ押しのテラスカフェレストラン」
テナ感じの特集が載るんですヨ。

こういう記事では同じ広場に対向して並んでいる店ならどちらのほうが日当たりがいいか、なんてことまで詳しく記されます。

もっとも最近は紙媒体の斜陽ですから、こういう情報はグーグルで検索するとたちどころに出て来きますが。

そこでググッてみると、にぎにぎしいレストランがいくらでもあるもよう。高層建築の最上階の展望レストランやらで、ただしこういう店はお値段のほうもピカイチです。

日本からの友人はパリへなどめったに来ないのでそういうにぎにぎしい店こそ持って来いともいえますが、接待のビジネスランチというなら別として、仲間うちの邂逅(かいこう)にはどうでしょうか。

「特上」でなくとももっとうちとけた、いかにもパリッぽい「並」のテラスでいいのではないでしょうか。

そういうぴったりの店はどこにあるのか。

日本の友人のたっての希望で午前中にエッフェル塔を訪れますから、そこから近いところで探さないとなりません。

「すごくいいビストロが近くにあるんだけどね」
と、パリ在住のほうの友人。

彼女がおしえてくれたそのビストロは三ッ星シェフの厨房で長いこと働いて来た若手気鋭シェフの店で、お値段がまたお財布に優しい。

HPの料理写真を見るからにハズレなしの感じです。

「でも、日本からわざわざきたひとには何かと地味じゃないかしら」
と、彼女。確かに、陽のあたる感じのいいテラスがあるわけでなし、いまひとつパンチに欠けます。

概して味のいい店にはテラスはないですね。

テラス店はホラ、テラス味(あじ)とでもいうのか、大気と太陽とパラソルが醸す雰囲気だけでもうお客が集まるので、味のほうはそこそこというところがままあるんです。

そのなかから、カフェに毛の生えたようなのでなく、おいしくて感じがよくてお手頃値段の店を、なんとしても見出だしたい。

仕方ない、地下鉄で何駅か戻り、公園の中にあるコジャレの店で手を打ちましょうか。ただしここはメニューにパスタなどイタリアンがあったりして正調フランス料理というわけなはいかなくなります。

せっかくフランスに来たひとにそれはどうでしょうか。悩みに悩むうちに天啓が走りました。

使わなくなった駅舎を改装したレストランが、そういえば近くにあった。線路だったところが緑に縁どられたテラス席になっています。

予約を入れて当日久々に顔を合わせ、パラソルの下で食前酒のグラスシャンパンをちびちびやりながらさっそくピーチクはじまりました。

そのひとときのたのしかったこと。

お料理は可もなく不可もなく、ややテラス味だったのは まぎれもな事実ですが、まあよしとしましょう。


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エッフェル塔からパチリ。

前菜は、トマトサラダ
主菜は、残り肉のカレーライス、いんげん塩茹で


立ち呑み日記・叉焼麺 [ランチ]

いつも通りがかる北京風汁麺屋さんに掲げられた写真付きメニューを例によって横目で観察しながら歩き過ぎようとしたら、叉焼麺(チャーシューメン)の写真とそれはもうバッチリ「目が合いました」。

そういや長いこと食べてないナ。子どものころ大好きでした。

たまさかにお昼など、近所の中華屋さんから「とりましょう」ということになる。欣喜雀々、小学校の高学年になったころからチャーシューメンを選んだものでした。

ラーメンには一枚しかのっていないチャーシューが何枚ものっている。

わが思い出のチャーシューメンには厚からず薄からずが上下左右につごう四枚、花びらのように楚々とのっていたものです。

一見「楚々」ですが肉ですから、たかだか4枚でも小学生の胃袋にはガツンときます。このガツンがうれしかったというよりは、たれのしみた肉の味に魅かれたんだと思います。スープとなじみながら単独でも十分おいしい焼き豚の味・・

考えてみればこの時から実に30年のご無沙汰になります。

なぜそこまで疎遠になったかというと、ワタシらがおとしごろの時代の外食といったらツナサラダでありスパゲティーセットでありエビドリアであった。

社会に出てお酒を飲む機会が増え、〆めのラーメン、なんていうときはその名通りラーメン。さんざんおつまみを食べてますから、チャーシューはむしろのってないほうが好都合でした。

男性のみなさまは逆に、食べ盛りの時代からこのかたチャーシューメンには親しんでおられるのではないでしょうか。

チャーシューメン、とこう検索して出てくる画像はすざまじいです。

薄切り焼き豚がこれでもかーッとおテンコ盛りで、水面が見えない。角煮みたいな厚切りが麺の上にどしん、どしん、どしんとのっかっている。鶏モモみたいな骨付き肉がチャーシューの山のてっぺんに鎮座しているのさえ、ありました。

今日のチャーシューメンはデカ盛りで売っているようなんです。

それはでも、子どもの頃愛好した身にはやや心境フクザツ、では、あります。小学生時代に兄と慕った眉目秀麗な青年とばったり再会してみればゴリラのごときいかつく、ナイトクラブのボディーガードになっていた、テナ感じ。元小学生現オバサン(ワタシです)がそれへがっぷり四つに取り組むのはもはや無理というものです。

それにしても日本でチャーシューを前面に押し出した一品料理は汁麺に特化したんですネ。

中国では麺もさることながら白飯に甘辛だれのよくからんだチャーシューをのせた一皿がどこでも気軽に食べられるものだそうです。デカ盛りというならむしろこちらのほうが常軌を逸した大盛りになりそうですが。

さて、心を決め、お昼にいよいよ叉焼麺(チャーシューメン)を食べることにしました。

結果から言いますと・・、叉焼(チャーシュー)はおいしかったんですヨ。量もほどほどで、親指大が6、7片。

ただ、スープがただの塩湯といいますか味の決め手に乏しく、麺が本場中国式にコシのない柔らかさ。思い出は思い出のまま心に秘めておけばよかったです(涙)。


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日本は夏日だそうですが、こちらはまだ肌寒いです。でもこれで夜9時。日が長くなりました。

前菜は、トマトとゆで卵のサラダ
主菜は、鯖塩焼き、レンズ豆煮込み、茹でじゃがいも、いんげん塩茹で

立ち呑み日記・スッポロ [ランチ]

お昼にスパゲッティーでもつけ合わせようと沸騰したところへどっさり投入していると、
「何にも味つけしてないスパゲッティーにして」
と、気配をかぎつけてやってきた11歳のムスメ。

塩も、乾燥バジリコだのも、ミートソースも、そういうもののなんにもかかっていない生(き)のままがいいというんです。

これ、本場イタリアではパスタ・ビアンカ(白パスタ)というれっきとした食べ方なんですってネ。子どもの大好物だそうです。

イタリアの子どもはパスタのみでお腹ぽんぽんにすることなく、後続の料理もちゃんと食べられるんでしょうか。

フランスでパスタは主菜の付け合せにもするので、オムレツとブロッコリーもちゃんと全部片付けると約束させたたうえで、白スパゲッティーをみとめました。

「お代わりはお皿の物全部を終わらせてからですよッ」

オカーサン(ワタシです)が命じるこの鉄則はパスタにソースがからまっていようと同じなんですが。

ただ、茹でたなりのスパゲッティーだけをおテンコ盛りにしてわしわしとなるとなんですかこう、人目をはばかるものがある、ような、気が、しないでもないです。

本場イタリアからお墨付きをいただいているんですから堂々と食べればいいはずなんですが。

白スパゲッティーが白ご飯と重なるからでしょうか。

おかずもなにもない白いご飯だけはスッポロめしといってこれだけかっこむのは固く禁じられていたものでした。

・・と、昭和の時代のちゃぶ台の光景を思い出しながら「スッポロめし」とこう検索してみてエーッと驚いたんですが・・

「スッポロめし」って言葉は東京周辺の方言なんですってネ、てっきり全国区かと思い込んでました。それはまあいいとして。

「我が家では炊きたての美味しいご飯をおかずなしでそのまま賞味することをスッポロめしと呼びます」
というどなた様かのブログを見つけたんです。

「スッポロめし」のイメージって、もしや昭和と平成とではがらっとかわったのではありますまいか。

コシヒカリをおかずにササニシキを食べる、なんて言ったりしますが、今や銘柄や産地を念頭に置いてお茶碗をとるのは当然のことでありましょう。

すると子どもがスッポロめしを食べたがるとなると
「この子は口が肥えてるねえ・・」
と、目を細めてしかるべきとなる。

ワタシとてスーパーで生産地不明の米を買って炊くときはふつうに「ご飯」と思いますが、アジア食材店で欧州産日本米を奮発した場合は「ご飯」でなく「ゆめにしき」というふうに認識します。

で、時に「ゆめにしき」をスッポロで一膳賞味したりする。

先のブログのご著者同様、なにしろ炊きたての美味しい高級銘柄米ですからね、ぜひとも単独でじっくり味わってみたいんです。

パスタ・ビアンカには昭和の時代のスッポロめしのように「いけませんッ」と禁じられた時代は、なかったんでしょうかネ。

フランス料理では茹でたなりのじゃがいもが、しいていえばスッポロにあたりましょうが、もろ手をあげてこれだけを食べたがる子どもはいないように思います。

「フライドポテトならいくらでも入るんだけど」
というところでしょうか。


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 この時計、二、三分微妙に遅れてるんですよねえ・・。近くの学校の生徒はここで油断して遅刻になってるとみた。

前菜は、オイルサーディンをのせたトマトサラダ
主菜は、七面鳥腿肉ムニエル、じゃがいもソテー、いんげん塩茹で、グリーンサラダ

立ち呑み日記・冷凍オムライス [ランチ]

十日ほど日本へ単身一時帰国していたんですが(先週の立ち呑み日記をご高覧くださいませ)、冷凍庫におかずをぎっしり詰めて行きました。

この十日間の間には土・日や学校が半日の日もあるので、ワルガキ二匹のお昼ごはんの兼ね合いもあります。

そのオムライスが二ケ、日本から戻り冷凍庫を開けてみたらいまだしんしんと凍っていた。オムライスは四ケ作ったので、二匹で一回食べたきりで「もういい」となったもよう。

出来合いの、冷蔵でチンするだけでいい箱入りパスタだのピザだのも、二匹にお願いされるまま買って冷蔵庫に入れてありましたからね。

さてこのごろんとしたオムライスニケ、もったいないので早々に二匹のお昼に温めて食べさせちゃうことにします。

そこでこの日曜のお昼にとり出しお皿にのせたんですが・・

冷凍になったオムライスって、大きく感じますネ。しかも薄焼き卵が干からびていて見た目実にまずまずしい。

なるほど二匹が敬遠したのも無理がないことです。

自然解凍は雑菌が繁殖するので厳禁、と、二匹の離乳食時代に聞き及んで以来、解凍は電子レンジの解凍モードで行います。

この解凍モード、あんがい時間を喰うんですヨ。二、三分かけては取り出し、様子を見ながら解凍していくのもなかなか手間がかかります。

これだけ時間がかかるというなら何もわざわざ冷凍ものを解凍するまでもなく、即席ラーメンと卵やら野菜やらでちゃちゃっと一品作れそうです。

オムライス二ケ解凍するだけでつごう二十分から、かかりました。

芯までちゃんと戻っているか串を差してみると、よし、シャリシャリしているところは、なし。解凍すると黄土色に干からびていた卵も黄色いふくふくした薄焼きにちゃんと戻りました。

これを再び電子レンジで一皿あたり二分ほどチンして完成ですから、ようやくありつけるまで三十分近くかかることになります。

お昼にオオカミのごとくお腹を空かせた子どもの手には失敗であった、と、オカーサン(ワタシです)は反省しきり。

それにしても、上手な解凍方法って、あるんでしょうか。

検索していたら、業務用冷凍オムライスを自宅で調理してみるの巻を写真で綴っておられるブログにあたりました。

それによると業務用は当初からオムライスの形になっているわけでなく、ピラフ状態のチキンライスと卵は別袋で別売り。これをその店風に仕上げるわけです。

解凍加熱して紡錘型にととのえたチキンライスの上に別袋の卵を解凍加熱して載せ、すっと包丁を入れる。すると驚くかな、ふんわりとろーりと卵がなだれ落ちるのだそう。

冷凍技術はここまで進歩しているわけですね。

ファミレスなどには冷凍食品は必要不可欠と思われますが、二十分も待たされることなどなく、あっつあつが出てきますが。あれはいったいどうやって解凍しているんだか。

企業秘密をちょこーっとおしえていただくわけにはまいりませんでしょうか。


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公園の、ペタンクという玉投げゲームの球技スペースです。

前菜は、トマトサラダ
主菜は、クスクス、いんげん塩茹で

立ち呑み日記・つけ麺 [ランチ]

「キッザニア」から出た午後3時。小腹が空いたので、「キッザニア」東京が入っているららぽーと豊洲のフードコートに寄ることにしました。

するとオカーサン(ワタシです)は心がラーメンへ狂おしく向きました。

このフードコートにはTETSUというつけ麺屋さんが入っていてメニューに中華そばがあったんですが、
「そちらのほうお時間少々いただいております」・・・

チキンバーガーをすでにパクつき始めているワルガキ二匹との時間の兼ね合いもあり、今回は趣旨を替えて、すぐできるというつけ麺をいただくことにしました。

つけ麺を食べるのは半世紀になるわが人生でなんとこれが初体験です。

存在はもちろんずうっと昔から知ってましたヨ。「つけ麺大王」の大きな看板が、通っていた小学校近くにあるとき掲げられたんです。

看板のまわりをネオンがまわり、鍾馗様や仁王様にも似た中国の王様の絵が迫力一杯に描かれている。

コレワコレワぜひとも一度と憧れながらその機会に恵まれないまま、フランチャイルズだったという「つけ麺大王」は、会社をたたんでしまったのだそうな。

今日では当時の店名もそのままに個々が営業を続けているものだそうです。

1970年代後半にはつけ麺ブームが到来し、高瀬春奈とはらたいらのCMでハウス食品からも発売になります。

が、カップラーメンほどには浸透しなかったのでは、ないでしょうか。ハウスのつけ麺は1980年代前半で撤退します。

なぜ当時のお茶の間ではつけ麺がそう支持されなかったのか。家庭のぬくもりを十分知ることのなかったつけ麺は、代わりに「行列店」として発展していきます。

熱い個性的なたれに熱い麺をからめて食べるわけですが、見ばえ等をかんがみラーメンの一人前より麺がたっぷりだそうです。

さてワタシの目の前にも、むっちり盛り上げた麺とドロリンとしたたれののったお盆が湯気もうもうでやってきました。

急ぎ席に戻りドロリンをまずひと口飲んでみると、鯖節の香りがブーンとたち口中いっぱいドロリンもドロリン。

デワさっそくと麺をつけて上下していると、
「オカーサンのその食べ方間違ってるとおもう」
と、9歳のムスコが言い出しました。「ソースはふつうパスタにかけるものだよ」

実はワタシもつけ麺とは言いながら、この点に内心ひっかかっていたんですヨ。

だってですよ、たれも麺も当初は熱くても次第にぬるくなっていくわけで、最後は冷めきったところへぬくもりのない麺を浸すことになります。

だったら両者熱いうちに出会わせてしまった方がいいのではないか。そう頭によぎったら矢も盾もたまらずたれを麺の上へどばーっとやりました。

結論から申しますと、この食べ方は大いなる間違いでありました。TETSUではお願いすると焼き石をくださり、たれに投入して再び熱くするものだそうです。

返却口に食器を返しに行くと、どのお盆にも麺の器のほうにたれが残っている形跡は、見当たりませんでした。

また、麺を食べ終わったらたれの器をカウンターへ持って行き、セルフサービスでポットの熱湯とタッパーのかつお節を注いでスープとしていただくものでもあったそうです。


写真またしてもスミマセンヌ。

前菜は、トマトサラダ、海ぶどう、からすみ
主菜は、お刺身、ほうれんそうのおひたし、ひと口肉まん

立ち呑み日記・手延べ麺 [ランチ]

近所の貸し店舗に長らく新規開店準備だった中華汁麺屋さんが、いよいよオープンしました。(2013年11月23日の立ち呑み日記をご高覧ください)http://tachinominikki.blog.so-net.ne.jp/2013-11-23

看板にずらりと並んだ写真の、おいしそうなこと。

通りがかりにじーと見つめ、オープンしたあかつきにはどれ食べようかナと研究にこれつとめて来た成果が、いよいよ試される時です。

云呑湯面、排骨湯面、炒醤面などという中国の漢字も頭に入ってきました。云呑湯面はワンタン(雲呑)麺、排骨湯面はスペアリブ麺、炒醤面はジャージャー麺。

それらの筆頭にひときわ映えているのが当店ご自慢、手打ちうどんの手「幹」麺。幹ではなく手ヘンに「幹」という、日本には無い漢字なんですが、延ばす、という意味らしいです。

白く太く、他の汁麺の写真に見えるような中華ちぢれ麺とは一線を画しています。

このテの自家製麺、最近のパリの中華料理店の流行りなのか、うちの界隈にはほかにも二軒、同様の汁麺屋さんが何年か前からあるんですヨ。

日本のうどんのように板にのばして包丁でトントン切っていくのではなく、油をぬった手のひらに握りこみ縒(よ)るように細く細くのばしていくみたいです。

時は12時半。

午前中の用をすませ、待ちに待った早めの出陣とあいなりました。フランス人のお昼は13時からなので、万が一の混雑を避けるべくの方策です。

一番乗りかと思ったら、アジア人女性とフランス人男性各一名の先客がおのおののテーブルで両手をこすっておられました。

店内の寒いこと。

なにしろほんの数日前に内装が完成したばかりで人の出入りもまだなく、十分暖まってないんですね。

「壁側へどうぞ」
と、幸いにもお店の中国人マダムが暖房の真横の席へ導いてくださったので、かじりつきました。手渡されたメニューをいちおうパラパラしましたが、当店ご自慢の手延べ麺をすぐさま注文。

期待がどんどん高まりますが、ここからが長かったです。麺打ちが開店に間に合わなかったもよう。

永遠に出てこないかと思いかけたころようやく、先のアジア人女性の前へもうもうと湯気の上がる大どんぶりが運ばれて来ました。

「初日なもので」
と、中国人マダムがフランス人男性客に頭を下げたので、まだもう少し待たされることが明らかになります。

やがて男性の前へ待ちに待ったものが運ばれて来る気配濃厚となり、男性は箸を箸袋からとり出して構えるなど、身辺慌ただしくなりました。

フランス人とはいえどうしてどうして、左手に持ったレンゲで麺をいったん受けてからすすりこむなど、汁麺慣れなさっているもよう・・

・・と、先陣がハフハフやっているのを指くわえて眺めていると、おお来た来た、ワタシの前にもついにやって来ました。

スープは鶏出汁の薄味で、太打ち麺のコシも強く、讃岐うどんそっくりです・・

・・そう思ったらにわかに一味が欲しくなって卓上の調味料を見ると、真っ赤でざくざくした食べるラー油があったのでまぶしてみたら、これがまたとおってもよかったです。


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日本からいらした方をご案内してパリの街を歩きました。モンマルトルの丘の、ユトリロが絵に描いたレストランです。

前菜は、マカロニとトマトと千切りニンジンのマヨヨーグルト和えサラダ
前菜は、スズキのオーブン焼き、蒸しじゃがいも、いんげん塩茹で

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