立ち呑み日記・スペイン時間 [おでかけ]

1日って朝・昼・晩という分け方だけではないのだなあ・・
と、ヒルネから目覚めた18時過ぎ、アクビしながらつくづく思いましたね。

ただ今、ポルトガルの首都リスボンから南に200キロほど離れた大西洋寄りの小村に、三所帯で一軒家を借り受けてバカンスにいそしんでいる真っ最中です。

構成員は、古い友人のフランソワーズとその連れ合い、スペインから合流したフランソワーズの息子一家、それにうちら家族。

ポルトガルなのに、スペイン時間で生活しております。

朝は9時過ぎにゆっくり起きる(ここはまあ万国共通の休日モード)。昼食が一日の正餐で、14時半ごろから。たっぷり食べ、のみ、そしてヒルネです。

ヒルネ(シエスタ)は、スペインでは気温が50度までも上昇する夏など不可欠で、
「一日に夜が二回あると思って」
とは、フランソワーズの息子オリヴィエのツマでセビリヤっ子のアナ。

ポルトガルの、今われわれのいる村はそこまでの猛暑でなく日中せいぜい30度ですが、ヒルザケはまわりますし、スペインの習慣を踏襲することにしました。

ポルトガルは本来、日本やフランスと同じく昼食は12時から13時ごろ、夜は19時から20時ごろにはじまるもののようですが。

今われわれがいる村は、端から端まで歩いて10分もかからないくらいの小ささで、どことなく昭和30年代までの日本のような趣にあふれているんですヨ。

池波正太郎の随筆に、かつての日本にはひとつの町内に、蕎麦屋があり八百屋や魚屋や金物屋などの商店があって自分の町から一歩も出ることなく生活が営めた、という記述がありましたが、まさにそれ。

鄙びた村に食料品店がありパン屋があり肉屋魚屋八百屋があり、床屋やネイルサロンまでも、ある。

こんな田舎にまあと驚きましたが、中国人経営による安売り雑貨屋まであり、カフェにいたっては数軒もあります。

車の往来がほとんどなく外部から来る人もめったにいそうもないのによく経営が成り立つものだと感心せずにいられません。

角ごとにベンチが置かれ、老人たちがのんびりおしゃべりに興じている。

「ボンディーヤ(こんにちは)」
と、外国人(ワタシです)にも声をかけてくださいます。

ポルトガル人は概して小柄で、老爺の多くは森から切り出したとおぼしき、自分の背丈より高い杖をついているのがゆかしいです。

含羞というのか、ポルトガル人ってつつましやかで、人々が醸す雰囲気が日本人と似てるんですヨ。

「そう、隣国なのにまるで違うの」
とは、セビリヤっ子のアナ。

スペインとポルトガルはソリが合わないというより、隣国を存在しないものとみなすほどお互い無関心なんだそうな。

大航海時代など歴史をともにする双生児、それもお互いソッポを向いた、背中合わせにくっついたシャム双生児、と、譬(たと)えられているそうです。

さて、ポルトガルのスペイン時間で、ヒルネから覚めた18時過ぎ、車で20分ほどの海へ繰り出すことになりました。

大西洋は水が冷たいので泳げず、足をつけるだけ。

西日となる20時ごろまで砂浜でのんびりして、帰ってから晩ごはんは22時過ぎからになります。


P1000489.JPG
村の魚屋へイワシを買いに行く途中にパチリ。

前菜は、トマトサラダ
主菜は、イワシの網焼き、ニンニク風味モロッコいんげん、白飯(ショーユをかけまわして食べる)

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