立ち呑み日記・いつもと違う [おでかけ]
ワルガキ二匹の日本語塾を待つ間、いつものカフェテリアに席を見つけて、やれやれ。さきほどひとしきり強い雨が降ったからか、いつもより混んでいます。
あいもからわぬ風景、あちらの卓でもこちらの卓でも語学の交換授業をしています。韓国人とフランス人のグループが目立ちます。
惨劇から一週間がたちました。
その間、パリ近郊では犯人グループをねらっての銃撃戦があり、フランスはシリアに空爆し、隣国ベルギーのブリュッセルでは一味の巣窟があるというので厳戒態勢が敷かれ、フランスとも関係が深いアフリカのマリでもまたテロがあり、もうなにがなんだか。
「それでも、これまで通りに生活していこう」
と、人々はみな思いを新たにしているのではないでしようか。
ワタシもまたいつも通り、パソコンの前から離れない二匹のお尻叩いて日本語塾のあるオペラ座界隈まで来たんですが、いつもと異なり地下鉄は避け、バスにしました。
万が一地下鉄で化学兵器でも撒かれたら逃げ場がないのでは、という懸念からです。
「それが浅はかだっていうのヨ」
と、午前中に買い物に行った肉屋でくさされましたが。
肉屋のご主人いわく、パリの地下鉄くらい安全な乗り物はない、とのこと。
「そりゃマ、コソ泥は多いけどサ、ただあいつら人は殺さない」
東京の地下鉄サリン事件はいたましいことでしたが、このときパリの地下鉄は大いに勉強し、かりに毒ガスがまかれるような事態となっても万全の換気で悪い空気が停滞しないよな設備になっているのだそうな(ホントかいな)。
「それよりバスのほうがうっとうしいってよ」
と、ご主人。
不安のはびこっているところへ便乗して近郊のチンピラがのさばり、バスに乗り込んでは
「オレさまは爆弾を身体に巻いているんだゾ!」
と、面白半分でひと騒動起こして乗客を騒然とさせたり、する。
(乗り合わせないといいなあ)
と、心曇りながら、二匹をせかしてバスに乗りこんだんですが、幸い何の問題も起きず、オペラ座界隈に着きました。
ただし、ちゃんと降車ボタン押したしバスも停留所で停まったにもかかわらずドアが開かず、次のバス停まで乗って行くハメになりました。
「運転手さんったら開けるの忘れたみたいね」
と、ドアの真ん前にかじりついていながら降りそびれた熟年世代のご夫婦が慈悲深い声をお出しになる。
こういうときはふつう、ドアの最前にいた人が
「ドア! ドア!!」
と、運転席のほうへギスギスした声で叫び、それを合図に周囲の人もギスギス加担するんですが、ご夫婦は静かに棒につかまったまま。
この棒についているボタンが光ったところを押して初めてドアが開くので、ドアの真ん前に立ちはだかっている人は降りる人全員の全権大使みたいなものです。
ご夫婦は、雨で窓が曇っていて今停まっているのが信号なのか停留所なのかハッキリしなかった、とのこと。背後のワタシとて同じでした。
「降車ボタン押したのになぜ停まらぬッ」
と、普段なら降りそびれた人は運転席でガミガミやるんですが、本日はギスギスもガミガミもなしで、なんだかみんな心優しい。
このあたり、いつもと全然違うパリです。
歩きながらパチリ。この橋は「ボンヌフ」、映画「ボンヌフの恋人たち」のポンヌフです。そうそう、この映画を撮影していたとき、やはりこうやって歩いていたら橋のところで撮影隊とすれ違いました。大型バスからボロボロの衣服をまとった乞食がいっぱい降りてきて、仰天したワタシはすかさず遠巻きにしたんですが、この方々はエキストラで、小走りのワタシをおもしろそうに眺めておられました。もう二十年以上昔のことになりました。
前菜は、カボチャのポタージュ
主菜は、鶏ロースト、じゃがいもロースト、いんげん塩茹で、グリーンサラダ
あいもからわぬ風景、あちらの卓でもこちらの卓でも語学の交換授業をしています。韓国人とフランス人のグループが目立ちます。
惨劇から一週間がたちました。
その間、パリ近郊では犯人グループをねらっての銃撃戦があり、フランスはシリアに空爆し、隣国ベルギーのブリュッセルでは一味の巣窟があるというので厳戒態勢が敷かれ、フランスとも関係が深いアフリカのマリでもまたテロがあり、もうなにがなんだか。
「それでも、これまで通りに生活していこう」
と、人々はみな思いを新たにしているのではないでしようか。
ワタシもまたいつも通り、パソコンの前から離れない二匹のお尻叩いて日本語塾のあるオペラ座界隈まで来たんですが、いつもと異なり地下鉄は避け、バスにしました。
万が一地下鉄で化学兵器でも撒かれたら逃げ場がないのでは、という懸念からです。
「それが浅はかだっていうのヨ」
と、午前中に買い物に行った肉屋でくさされましたが。
肉屋のご主人いわく、パリの地下鉄くらい安全な乗り物はない、とのこと。
「そりゃマ、コソ泥は多いけどサ、ただあいつら人は殺さない」
東京の地下鉄サリン事件はいたましいことでしたが、このときパリの地下鉄は大いに勉強し、かりに毒ガスがまかれるような事態となっても万全の換気で悪い空気が停滞しないよな設備になっているのだそうな(ホントかいな)。
「それよりバスのほうがうっとうしいってよ」
と、ご主人。
不安のはびこっているところへ便乗して近郊のチンピラがのさばり、バスに乗り込んでは
「オレさまは爆弾を身体に巻いているんだゾ!」
と、面白半分でひと騒動起こして乗客を騒然とさせたり、する。
(乗り合わせないといいなあ)
と、心曇りながら、二匹をせかしてバスに乗りこんだんですが、幸い何の問題も起きず、オペラ座界隈に着きました。
ただし、ちゃんと降車ボタン押したしバスも停留所で停まったにもかかわらずドアが開かず、次のバス停まで乗って行くハメになりました。
「運転手さんったら開けるの忘れたみたいね」
と、ドアの真ん前にかじりついていながら降りそびれた熟年世代のご夫婦が慈悲深い声をお出しになる。
こういうときはふつう、ドアの最前にいた人が
「ドア! ドア!!」
と、運転席のほうへギスギスした声で叫び、それを合図に周囲の人もギスギス加担するんですが、ご夫婦は静かに棒につかまったまま。
この棒についているボタンが光ったところを押して初めてドアが開くので、ドアの真ん前に立ちはだかっている人は降りる人全員の全権大使みたいなものです。
ご夫婦は、雨で窓が曇っていて今停まっているのが信号なのか停留所なのかハッキリしなかった、とのこと。背後のワタシとて同じでした。
「降車ボタン押したのになぜ停まらぬッ」
と、普段なら降りそびれた人は運転席でガミガミやるんですが、本日はギスギスもガミガミもなしで、なんだかみんな心優しい。
このあたり、いつもと全然違うパリです。
歩きながらパチリ。この橋は「ボンヌフ」、映画「ボンヌフの恋人たち」のポンヌフです。そうそう、この映画を撮影していたとき、やはりこうやって歩いていたら橋のところで撮影隊とすれ違いました。大型バスからボロボロの衣服をまとった乞食がいっぱい降りてきて、仰天したワタシはすかさず遠巻きにしたんですが、この方々はエキストラで、小走りのワタシをおもしろそうに眺めておられました。もう二十年以上昔のことになりました。
前菜は、カボチャのポタージュ
主菜は、鶏ロースト、じゃがいもロースト、いんげん塩茹で、グリーンサラダ
2015-11-22 09:04
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