立ち呑み日記・ネギ味噌 [食前酒]

晩ごはんにお招きしたお客様にベジタリアンの方がいらしたので、主菜を牛肉ステーキと豆腐田楽の二本立てにしました。

田楽の味噌はたまご味噌。味噌と卵を炒りつけた津軽地方のおかずです。薬味に小口のネギ。

たまご味噌とネギが余ったので、後片付けの時冷蔵庫のスペースの都合上エイッと同じ小鉢に投入しちゃいました。

そしたらなぜか、かきまぜたほうがいいような気がしてきてスプーンでぐるぐるし、そのスプーンをぺろっと舐めたら、あらマ、なんて美味しいこと。

ネギがサリサリして味噌で辛味が抑えられ、その味噌は卵でまろやかになっていて、三者渾然一体の妙味とはこのこと。

とっくにデザートまで終わり、お茶と一緒にビスケットまでつまんだっていうのにオチョコをひっぱり出し、日本から持ってきた紙パックの清酒をひと舐めせずにはいられないくらいでした。

翌日はもっとよかったです。ネギがしっとりしてより味噌になじみ、渾然一体の仲がより深まってました。

この味噌を気のきいた小さな器にチョンと盛りつけ、箸でちょっぴり舐めつつちびり、ちびりやったらさぞいいだろうナァ・・

「やればいじゃないの紙パックの清酒もあるんでしょ?」
と、いうお声が聞こえて来たようですが。

そりゃマ、やりますとも。ただ、わが身の環境といいますか状況がですね、ちびり、ちびりにそぐわないんです。

みなさんもご夫婦なり友人なり、近しい人とともにネギ味噌、とこう想像してみてくださいナ。さしつさされつネギ味噌に箸をちょこっとすべらせ舌にのせ、いったん箸を置いてしばし談笑する。

この時、いわくいい難い「間」が、ありますよね、フランス人にはこれがないんですね。

そもそもネギ味噌は前菜なのか主菜に添えるのか、あるいは食前酒のおともにするのか。

食前酒となるとフランス人はたいてい立ったままグラスを持ちますから、そこへネギ味噌の小鉢を突きつけられても口に運びづらいばかりです。

となればキュウリやニンジンのスティックなどを添えてディップということに、どうしたってなる。ディップは美味しいですけど、そうするとひと舐めしてちびりちびりとは、おのずと違うものになっていきます。

前菜はどうでしょうか。

ネギ味噌だけではもたないのでトマトサラダなどといっしょにテーブルにのせることになります。それはもちろんヨロシイです。

が、前菜といったらもうつまみでなくお食事ですから、一同せっせとフォークとナイフを動かし、談笑も次から次へとトーンが上がり、いっときも休む間なし、テナ感じになっていくんです。

するとここにちびりちびりの間合いは出来得ない。ネギ味噌は皿のヘリにでもとって時にフォークで舐め、時にパンにつけてまた食べる。

マ、それも悪かないンですがネ。

ネギ味噌っておにぎりの具にしてもおいしいそうです。

朴葉みその郷(さと)、岐阜県では、ネギ味噌に小麦粉をまぜて揚げた天ぷらが定番おかずでスーパーでも売っているそうで、これなど食前酒のつまみにとおってもよさそうです。


PIC_0213.JPG
おけいこごとに連れて行くところのワルガキほか三匹。この直後三匹は意味なくターッと走り出し肝を冷やしました。

前菜は、トマトサラダ
主菜は、白身魚ムニエル、ニンニク風味パセリ入りのじゃがいもピューレ、いんげん塩茹で

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