立ち呑み日記・ロゼット詐欺 [食前酒]

サラミってどうしてこんなに美味しいんだか、
と、食前酒の合いの手に出した残りを冷蔵庫に片付けながら、つまみ食いに一枚口につっこむ。

前菜のトマトサラダを今から持って行くんですが、ボールのサラダを冷蔵庫から出すついでにもう一枚、またもう一枚と口にほうり込みつつ、さらにしみじみ考えましたね。

サラミってどうしてこんなに美味しいんだか。

今お卑(いや)し口につまんでいるのはロゼットという直径5センチくらいのサラミです。ロゼットはもともとリヨンの名産だったそうですが、今ではフランス各地でつくられているようです。

直径5センチの薄切りを舌に載せると燻(いぶ)しの芳香が鼻を抜け、口中で畳んで奥歯で噛みしめるや塩と脂のきいたうまみがジュワー・・

スーパーでも真空パックの薄切りが並んでますが、肉屋でスライスしてもらうほうが格段にヨロシイです。

そこで心急(せ)いていつもの肉屋へ行ったんですが、肉屋のご主人はただ今夫婦そろって一週間の春バカンス中。

老熟のピンチヒッターが包丁をふるっておられました。ご主人の知り合いで、引退した元肉屋さんです。

肉屋さんって包丁づかいがおのおの微妙に違うものですネ。肉の切り身の厚みがほんッの0.何ミリか異なるだけなんですが。

「ロゼットは普通の薄切りと超薄切りとどちらにします?」
と、老熟のピンチヒッターさんに、訊かれました。

肉屋のご主人がスライサーでやるときには厚さ(薄さ)の好みは客に訊ねません。また、こちらもご主人の厚さ(薄さ)に慣れちゃっている。

「普通の薄さで」
と、老熟の肉屋さんにおねがいしました。

すると、思いのほか厚みのあるのが来たんですね。

いつもと異なる厚み、これがヨロシかったんですヨ。同じロゼットではないみたい。が、今宵は晩ごはんにお客様をお招きした都合上、さしおいて一家の主婦がパカパカ片付けるわけにはいかない。

おいしい、おいしいを連発してお客様も食前酒のおともに食べてくださいましたが、多めに買った分がお皿に残ったわけです。

ところでみなさん、カルパス、って、ご存知ですか?

日本のどのコンビニでも見かける安くておいしいおつまみで、スーパーの駄菓子コーナーなどにもあるあれです。

豚肉ないしは牛肉で作られているのがサラミで鶏肉など他の肉も混ぜているのがカルパス、あるいはサラミより水分量が多くしっとりしているのがカルパス、など定義には諸説あるみたいです。

カルパスって、いつから言われるようになったんでしょうネ。

サラミをさすロシア語の「カルバサ」から来た和製外国語らしいんですが、いつ、誰によってカルパスとなったんだか。

サラミといえば、インターネット上の寸借詐欺を、大量の薄切りになぞらえて、サラミ詐欺、と、呼ぶんだそうです。

多くの人々のクレジットカードからほんのささやかな小銭を失敬する。盗られた側は端数のことで気がつかない。

言い得てるなあ・・と、薄くてカンタンに食べられるところであれよという間に空っぽになった皿をシンクに置き、神妙にワキバラをつまみました(いちおう反省はしました)。


P1020069.JPG
桜満開のピークが過ぎつつあります。写真手前の船のレリーフはパリ市の紋章。「たゆたえども沈まず」というのがスローガンです。

前菜は、トマトのサラダ、カレーサモサ
主菜は、シュークルート(ビーフソーセージ、キャベツの酢漬け)、ニンニクパセリ入りじゃがいものピューレ



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