立ち呑み日記・最後列の仲間 [おでかけ]

学生時代のクラスメートのサワダくんがお嬢さんと息子さんを連れてやって来たので、ベルサイユ宮へ行ってきました。

「ルーブル美術館とエッフェル塔とベルサイユ宮が見たいナ」
というウキウキしたメールが来ていたのでお安い御用とばかり、前日はお三方をパリめぐりにさんざんぱら引き回しています。

12歳の息子クンは観光など飽きちゃうのではと懸念しましたがどうししてどうして、街中で黄金色のオブジェを見かけるとニンテンドーDSをかまえてカシャリと写真におさめています。

「初海外旅行のテーマは黄金のオブジェ」
と、決めたんだそうです。

ベルサイユ宮はあいもかわらぬひッどい混雑。

チケットを買うのに一時間、手荷物検査の末やっと宮殿内に入れるのにさらに一時間。ディズニーランドもかくやです。

ラッシュアワーの渋谷駅みたいな人だかりの鏡の間を、それでもベルばら気分で歩きました。

十代のお二方はオスカルのオの字も知りません。サワダオトーサンの解説を息子クンは片耳で聞き流して黄金の燭台を写真におさめています。

お嬢さんはと見れば、絢爛豪華な天井画をスマホで画面拡大して細部まで鑑賞中。なァるほど、その手があったか・・

庭園に入るのがまた大変でした。通常は無料のところ本日は例外とのことで有料、その窓口にさらなる行列がのびています。

サワダくんと協力して二手に分かれて列につき、早く番がまわって来た方でチケットを買うことにしました。

サワダくんとは授業中、こんなふうに協力し合ったなァ・・

サワダくんは学生時代、DR.スランプアラレちゃんみたいなフレームの大きなメガネがトレードマークで白いパンツがよく似合う、陽気な男のコでした。

『ポパイ』を腋にはさんで闊歩しながら体育会の空手部でもあり、時に襟高丈長の学ラン姿で教室に登場しては、
「それって信じらンなぁ~い」
と、ワタシら女子が肩をつついて笑ったものでした。

ワタシら同様教室の最後列に陣取る劣等生仲間。

劣等生たちはフランス語講読の授業でひとり一文ずつ当たって訳す、なんていうときにちっとも予習して来ず、順番を数えてその場で辞書を引き、付け焼刃でやっつけるのを旨としてました。

この時、一人では引ききれないところを劣等生うちで手分けする。試験前には、心優しい優等生が貸してくれたノートのコピーを貸してあげたり貸してもらったり。

卒業後のサワダくんは専門職に就き社内恋愛で結ばれた奥様との間に二人の子宝に恵まれました。

ただし、その幸せの絶頂で愛する奥様が若くして不意の病で永の別れとなり、幼な子二人を抱えた父子家庭となりました。

「そこからはもう一心不乱ヨ」
と、サワダくん。

現在高校生と新中学一年生、うちのワルガキ二匹に爪の垢を煎じて飲ませたい聡明なしっかりさんたちです。

能天気に教室の最後列で辞書引き合ってたころからずいぶん時間がたっちゃったなあ・・
と、万感胸に迫りますが、庭園チケット売り場のワタシの前が急にはけたので
「サワダくんこっちこっちーッ」
と、大声を出し、にわかにせわしくなりました。


P1020064.JPG
サワダくんはエッフェル塔がお嬢さんの手のひらに載るよううまあくあんばいして記念撮影してました。

前菜は、トマトとゆで卵のサラダ
主菜は、残りもの入りカレーライス(の残り)、いんげん塩茹で


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式守錦太夫

年月がたっても、協力しあえる素敵なクラスメートさんですね。
お互い子どもさんがいても、当時のアラレちゃんを彷彿とするのでは。
「一心不乱」の言葉がきっと、聡明さんたちにわかる日が来ると思いますよね、きっと。
by 式守錦太夫 (2014-04-05 19:58) 

ぐちぐち

聡明さんたち、パパが大好きで誇りなのが伝わって来るんです。グッときました。
by ぐちぐち (2014-04-06 02:51) 

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