立ち呑み日記・配管工事 [困った!]

ただ今配管工さんが入り、うちの階(最上階)の床下に埋められた水道管の補強工事でホコリのケムもうもうとなっているところです。

この夏の終わりに、階下のお宅で原因不詳の水漏れがあったんですね。夏の休暇で8月いっぱい家を空け、パリに戻ってみたらひと部屋ものの無残にずくずくになっていた。

この水はさらに階下、もうひとつ階下へとひと夏かけて浸み落ち、何階もの壁紙を、じゅうたんを、ダメにしたんです。

なにしろ8月のことでどこも空き家状態、バカンスから戻り、気力充実してまたがんばるゾと鍵開けて家に入ったら水浸しですからね。

みなさん目をサンカクにして、うちの扉をドンドンしました。

が、うちは日本への一時帰国では毎度ながら水道の元栓を切って行ったし、水回りに何ら落ち度はありません。

「床下よ、床下!」
と、階下の隣人が、いまいましそうにうちの床と建物の廊下を、足でドンドンしました。

うちの建物は、築350年という古色蒼然です。

ホラ、よくパリの風景というと、大通りに面して石造りに灰色の屋根の歴史ある同じような建物がずららららっと並んでますよネ。

あれはオスマン様式といって18世紀から19世紀の高級建物で、建築当時には当時まだ存在しなかった電気の到来を見越してエレベーターホールが建築されていたほどの新式。

うちの建物は1650年ごろの庶民向け建築物ですから電気のでの字も先人の頭にのぼらず、エレベーターはスペースが無いため後づけ不可能という古ぼけ具合です。

20世紀に入ってから各戸への上・下水道が設置されましたが、どうしたわけかうちの階下のお宅の天井裏に集中して配管されていて、水まわりの不具合はその頭上で起こる。

ワタシら家族の住む最上階だけはでも最近のものなんですヨ、わずか50年です。1960年代初頭に、屋根裏をデベロッパーが住居に改築して分譲した。このとき、上・下水道ともに水道管を階上へ伸ばした折にやっつけ仕事があったもよう。

9月初旬、配管工さんが腹ばいで床に耳をつけ、水音を確認しながらタイル床を叩き割りました。不具合はうちの床下でなく、玄関外すぐわきの廊下の床下にありました。

うちと向かいのお宅へと二方へ分かれるYの字に溶接してあるところから水がしみ出ていた。50年来の金属疲労です。

「マジかよーッ」
と、配管工さんはお口あーんぐり、水道管が補強用のプラスチックホースにくるまれないまま金属管じかに埋められていた。

でも、Yの字の溶接は
「芸が細かい」
そうで、
「やっつけ仕事で50年持ったんだから大したもの」
と、配管工さん。

玄関前からうちのバスルームまで電動ドリルで掘り起こして金属管を総とっかえし、Y字を力の負担の少ないT字にしてプラスチック管で補強。

工事は三日間、ひとたび仕事が始まると手際のいいこと、さすが職人芸と見惚れました。

が、8月末に起こった不具合が12月も半ばを過ぎた今やっと進捗するのがフランス、と、このあたりはとっくのとうに諦観しておりますです(しかも埋めたところへのタイル張りは別会社で今のところスケジュール未定)。


P1000181.JPG
歩きながらパチリ。

前菜は、トマトとツナのサラダ
主菜は、タリアテッラ(きしめん風パスタのミートソース、いんげん塩茹で

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