立ち呑み日記・30年 [女子]

「30年ダイジョブです」
と、水漏れのあった床下の水道管の溶接をすませ、補強用プラスチックホースもかぶせたところで若い職人さんが胸を張りました。(昨日の立ち呑み日記をご高覧ください)

不具合のあった水道管は50年前のやっつけ仕事、それだって半世紀ちゃんともったというのに20年もちぢまっちゃった気が、しないでもないんですが。

「でも30年といったら永遠と言っていいほど長い年月じゃないですか」
と、きょとんとなさる若い職人さん。

そうだったなあ・・と、遠い日の記憶がよみがえりましたね。

ワタシが小学校6年の夏、
「戦後30年」
と、新聞に感慨深く特集記事が連日掲載されていたものでした・・

・・と、いいますか、正確には級友が夏休みの自由研究に戦後30年に関する新聞記事のスクラップを集めて模造紙に貼ったものを読んだんですが、
30年とは遠―い昔だなあ、
と、12歳のアタマで思ったものでした。

それが今では30年といったら
わりとすぐたっちゃう時間
テナ感覚にまでなっている。

「30年先なんてすごい未来!」
と、さっき学校から帰ってきた13歳のムスメもまた、床に細長く掘られた穴をうっとり眺めながら言い出しました。

30年たったところでもう一度掘り起こす、と、ムスメはかように解釈したらしいんですヨ。

「だからタイムカプセルいっしょに埋める」

レポート用紙をとり出して、おやつそっちのけで何やら書き始めます。

30年後といったらムスメは43歳の働き盛りにして女盛り、と、13歳のアタマで思ったかどうか。

「オカーサンにも読ませてよ」
と、のぞきこむと腕で隠して、
「ひみつッ」

タイムカプセルって、どうあっても胸がワクワクしますネ。

ワタシの同世代の友人などは、小学校の卒業記念に校庭の一角にみんなで持ち寄った記念品をポリバケツに入れて埋めたそうです。

開封は、遠―い未来(と思った)30年後。

そして先年その30年後がついに到来し、頭のはげあがった級友もいる一同と当時の担任の先生が母校に集まってスコップをふるった。

で、どうだったの?
と、興味津々身を乗り出したら、
「それがね、本ッ当に残念だったんだよ」

ポリバケツを完全密封したから万全と思っていたのにどこからか雨水が入って手紙類はくっついて全滅、みんなの声や合唱を録音したカセットテープもまたダメになっていたそうです。

30年といったら、実家の押入れなどからかつて遊んだ玩具や昔の手紙などが当時そのままに「発掘」されたりもするし、中古品屋さんにも多少のキズありぐらいで並んでいたりするくらいの時間ではと思うんですが、土中に埋めるのがやはりいけないんでしょうか。

ウィキペディアで知ったんですが、1970年の大阪万博のときにタイムカプセルが埋められ、開封はなんと! 5000年後の6970年なんだそうです。

壮大な計画ではありますが、埋めた人が中身を見られないんじゃねえ・・と、思わないこともないです。

やはり30年が一番夢と希望のある年月でしょうか。

ムスメのタイムカプセルは、小さなビニール袋に密閉されて水道管の下でモルタルの中に埋まりました。


P1000185.JPG
歩きながらパチリ。夕方6時過ぎ、パリ市庁舎の反対側です。

前菜は、トマトとゆで卵のサラダ
主菜は、七面鳥ささ身のムニエル、レンズ豆のトマト煮込み、モロッコいんげん塩茹で

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