立ち呑み日記・餅つきの呼吸

注文してあった食器洗い機が、いよいよ届きます。
(2015年11月24日の日記をご高覧ください)http://tachinominikki.blog.so-net.ne.jp/2015-11-24

うちの食器洗い機はビルトインなので、いつも来てくれる配管工さんが午前のうちに古い方の扉の化粧版をはずし、いつでも持って行かれるようになっています。

配達された新品と交換に古い方を引き渡し、夕方に配管工さんが再びやってきて新しいほうへ化粧版をつけ直し、かつ水道管ほかを設営、ト、流れるようなスケジュールが組まれています。

(そんなうまいこといくかしらねえ)
と、緻密なるスケジュールに全幅の信頼が置けないことは四半世紀に及ぶ我がパリ生活で身に沁みついているわけですが。

終日待てど暮らせど来るはずの配達が来ない、なんてこと、ちっとも珍しくないですからね。

配達は午後で時間未定ということですが、お昼をまわったところで早々と電話して何時になりそうかつついておくことにします。

「エート(と、電話の向こうで何やら調べている気配)、もう出てるんで、まもなくッすかね」

このあたり出前の催促電話への対応と同じですナ。じりじりしている客をとりあえずなだめるのみで、
正確なことは何ら答えてません。

何しても手につかず、壁の時計を何度もちらちら見ていると、ピンポ~ン。

肌の浅黒い屈強の青年が二人、エレベーター無しの最上階まで、「アレッ」「オッ」と、餅つきでもしているような掛け声で息を合わせ、真新しいビニールのかかった重いところを運んできました。

「設営は本ッ当に不要なんですね? いいんですね?」
と、念を押されながら配送費を手渡し、契約遂行終えましたという書類に署名。

新しい食器洗い機うれしいナ、ようやく三度三度の手洗いから解放だナ、
と、右に左に眺めているうちに、青年二人は風のように去って行きました。

配管工さんへイソイソと電話し、使い方を早く覚えないとナ、説明書はどこかナ・・
と、ナデナデしていたところで、「はっ」。

持ち帰ってもらうはずの古いほうを置いたまま行っちゃった。

おっとりがたなで今来た方々へ電話すると、
「あの場で言ってくれなきゃァ。車だからもうずいぶん遠くまで来ちゃったよ」

今すぐ引き返しゃいいんでしょ、と、しぶしぶの発言を引き出しました。

とはいえ、引き渡し終了の署名はもう済んでいるわけですから、無視してこのまま来ないことだって大いにあり得ます。

(まったくもう)
と、心で悪態つきながら、パリ市の粗大ゴミ収集へ申し込んでおくことにします。

パリ市の粗大ごみはインターネットで申し込めば無料で簡単に収集されるんですが、あの重いのを自力で階下へおろすのがキビシイ。

(ほんッとにもう)
と、無暗にハラ立てつつインターネットのページに書きこんでいると、ピンポ~ン。

配管工さんを先頭に、先ほどの青年二人、同業者どうし心通じ合うのか和やかに笑いながらやって来ました。

青年らよゆるせ、疑ってすまなかった。

わが古い食器洗い機は、「アレッ」「オッ」の例の餅つきの呼吸で階下へ降りて行き、配管工さんは手際よく設営を始めました。


P1000132.JPG
晴れ間をねらってパチリ。

前菜は、トマトとオイルサーディンのサラダ
主菜は、牛挽き肉ステーキ、じゃがいもピューレ、いんげん塩茹で、グリーンサラダ

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