立ち呑み日記・焚書 [困った!]

くずれかけている文庫本の山を単行本の柱で支え直しつつ、進退きわまれりとため息つくまいことか。

同時に、買い物カートにぎっしり詰めたところがこちらへ倒れかかってくるのをしっかとおさえます。

このカートの中の本は、折を見てオペラ座界隈のブックオフ・パリ支店へ持って行こうと1年以上も前にえり分けたもの。

すぐ持って行けばよかったんですが、エレベーター無しの最上階から下ろすのは骨ですし、えっちら引いてバスに乗りこむのがまたひと苦労。

のばしのばしにしてきた結果がこれです。

その間にも一時帰国し、スーツケースの重量が許す限り新古本屋さんで気軽に本のまとめ買いをしてきているので、
(これもう読まないだろうナ)
という本の山が逐次できあがっていくわけです。

折を見てブックオフ・パリ支店に持って行けばいいだけのハナシですしね。

それがここへきて13歳になったばかりのムスメがちゃんと独立した一室が欲しい、ついては本の山で納戸状態になっているところへ
「オカーサン、いらない本片付けてッ」
と、再三ぶつけてくるようになってきた・・

・・と、そこへ隣人がトントンしてきて、
「買い物カート持ってたらちょっと貸してくれない?」

うちも隣人もエレベーター無しの最上階ですから日々の買い物にカートはかえって邪魔なんですが、ちょっとした荷物を友だちのところから持ち運んでこなくてはならないのだそうな。

そこで重いおみこしをあげて、買い物カートに詰まっている本を今日明日中にでブックオフ・パリ支店へ持っていこうと決意が固まったわけです。

以前もこうして不要の本を買い取ってもらったことがあるんですが、文庫本1冊20サンチーム(約30円)、単行本50サンチーム(約80円)、シメて24ユーロ(約3000円)にもなりました。

代金もさることながら、一度は愛した我が本が生き延びていくというのがしみじみうれしいものでした。

そうと決まれば、ブックオフ・パリ支店の住所はどこだったっけかな、と、すぐさま検索します。

「エ?」
と、目を疑いましたね。

ブックオフ パリ
と、グーグルに打ちこんだら、
ブックオフ パリ 閉店
とこう、筆頭で出て来るではないですか。

おっとりがたなでブックオフ・パリのHPを開いてみれば、
「買取りは2015年6月末に終了となります」
という衝撃的な赤文字の一文。

なんとまあ、年内撤退が決まっているのだそうです。

重いカートをえっちら引いて行った鼻先で断られるよりずっとマシでしょうが、それにしてもこのカートいっぱいの本と、そのほかに山となすもう読まない本、いったいどうしたらいいのか。

焚(ふん)書、などというオソロシイ言葉が頭をよぎりました。いくらなんでも我が手でゴミ箱におくり焼却場行きの運命は、つらい。

カートを借りに来た隣人は女性誌に出て来るような素敵なアパルトマンに住んでいるんですが、大の読書家で、どの本も読了後は近くの大学前のベンチなどに置き捨てるそうです。

興味のある人が持ち帰ってくれるのを期待してのこと。

「本はためこまず読んだら即座に別れるのがコツ」
とのことなんですがねえ・・


P1000145.JPG
マルシェの生産者の屋台に並びながらパチリ。たいへんな人気で小一時間の行列は必至なんですが、並ぶ甲斐ありどの野菜も他の追随を許さない美味しさと安さです。

前菜は、トマトとさいの目チーズのサラダ
主菜は、鶉(うずら)のコニャック風味葡萄煮、ニンニクをきかせたじゃがいもピューレ、いんげん塩茹で、グリーンサラダ
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