立ち呑み日記・むずかしい翻訳 [追究]

翻訳がむずかしい外国語、という記事をニュースサイトで見つけ、ヘーエとおもしろく読みました。

たとえば、ノルウェー語のutepilsという単語。

「ビールを飲みながら日光浴する」
と、これだけのことをたった一語で表してる。

どうです、夏が短い北欧のシヤワセな時間が凝縮されているのに唸(うな)らされるではないですか。

そのお隣りのスウェーデン語には、gökotta。

「鳥の声を聞くために早起きすること」
だそう。

なるほど森の国なのだなあ・・

ラジオ体操をするために早起きすること、を、意味する日本語の単語がないのが惜しまれますね。

中欧のユダヤ人が口語に使っていたイディッシュ語からは「シュリマズル」が紹介されていました。

「シュリマズル」は運が常にない人のことで、
「そんな名詞がなぜあえて必要なのだろう」
と、記事の書き手は首をかしげておられるようでした。

うちはオトーサン(ワタシのオットです)がユダヤ系なので、この言葉はワタシも以前から耳にしたことがあります。

「シュリマズル」は、「シュレミエル(善良なる間抜け)」という言葉と組になって初めて、その存在意義がわかるようになっているんです。

すなわち、
「シュレミエル」が、たとえばたっぷりジャムをぬったパンを口に運ぼうとした矢先に相も変わらずズッコケて、手から離れちゃう。
で、そのジャムつきパンがまたしてもという感じに服にべっとり落っこちて来ちゃうのが、「シュリマズル」。

往年のマルクス三兄弟の映画にでもありそうです・・

・・と今こう書いていたら、
「イタリア語ってすごいんだよ」
と、1980年代後半のパリの語学学校時代、クラスメイトそろって誰かの下宿に集まった学生パーティーで、フランス文学研究者のたまごの日本人青年が安ワインに酔っ払ったところで、感に堪えないように言っていたのを不意に思い出しました。

クラスメイトにはイタリア人青年もいたんですが、男子連が呑んで顔寄せ合うとなれば、マ、国籍関係なくワイ談が始まるわけですナ。

「『女性のオッパイの間でオチンチンをこする』、イタリア語にはこれをたった一語で端的に表す動詞があるというんだ」

パイずり、と、今では日本語にも単刀直入な単語があるようですが、この言葉はわれわれの学生時代から10年を経た1998年ころから使われるようになったもよう。

フランス語で何かないかなあ・・
と、考えてみると、在フランス日本人の間で日本語に置き換えられない単語って、やっぱりありますね。

エキバランス、という名詞などがそれ。

「日本の高卒とフランスのバカロレアにはエキバランスがある」
「日本の医師免許とフランスのそれにはエキバランスがない」
と、いうふうに、学校や免状関連の会話にしょっちゅう出て来る単語です。

同等価値、と、仏和辞書には書いてあるものの、話し言葉としては使いづらいです。

日本語から翻訳できない言葉、というのもありそうです。

ただ、昨今喧伝されている
「『もったいない』は日本唯一の言葉」、
というのは、ホントなんでしょうかネ。

dommade(ドマージュ)、
と、フランス語にはピッタリ置き換えられる言葉が、ちゃんとありますヨ。


P1000130.JPG
通りがかりにパチリ。ノートルダム寺院の背後です。

前菜は、トマトと千切りニンジンのサラダ
主菜は、牛挽き肉ステーキ、チキンなしのチキンライス、いんげん塩茹で

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