立ち呑み日記・1000とんで6本 [主菜]

晩ごはんに生サーモンの切り身を買ったので、冷蔵庫の野菜室に後生大事と寝かせてあった細身大根をつまにすることにしました。

生サーモンは切り身のままカワを下にフライパンの強火で炙り、ステーキと同じく各自がお皿でナイフを入れることにします。

カワがこうばしくカリカリになって美味しいんですヨ。

細身大根は、いつもいくマルシェに出ている農家の屋台の研究熱心なご主人が日本産の種で育てたそうで、アジア食材店で手に入る大根より格段に汁気が多く日本の青首大根と寸分たがわぬ味・・

・・と、いうのが「後生大事」となっちゃうトコなんですね、あだやおろそかに食したらイケナイ心境となる。

「後生大事」のせいで、ある日はっと気づくと賞味期限がとうの昔に過ぎて干からびて見るかげもなくなっている・・
というのをこれまで何度繰り返したことか。

日本からのおみやげのミョウガやシソの大葉も同じ轍(てつ)を踏んでます(涙)。

今回野菜室の底から取り出してみれば、久しく見ないうちに髭がずいぶん生えてましたが、カワ剥いたらダイジョブそうです。

フードカッターでジャッとやればたちまちに千切りになりますが、さらにここでまた「後生大事」の気持ちがはたらき、包丁で丁寧に切るほうが
(よりおいしいに違いない)
と、思い立ちました。

フードカッターだと汁気も同時に出ちゃって、そうすると、惜しい。

そこで1000とんで6本に切ろうと、まな板の上で細い円柱の大根をアッチ向けたりコッチ向けたりします。

(そういやなんで千『六本』なんだろうナ)
と、ふと思ったので、いったん包丁を置いて検索してみると、千切りと千六本は別モノだったと初めて知りました。

千六本のほうが六本多いっていうのに、千切りの方がもっとうんと細かい。

千六本は、「せろっぽん」と読み、古代中国語の「繊羅葡(せんろふ・細切り大根のこと)から、「千六本」と当て字にしたのだそうです。

して千六本の切りかたは、フランス語でいうところの「アリュメット(マッチ棒)」。

ワタシなど子どものころ、朝のおみおつけの実といえば大根の千六本が一番好きでした。味が芯までしみ込んだ細い大根を箸で拾い上げるうれしさ。

フーフーして口に運ぶと、歯の間で難なくポクリと折れます。

「冷めた大根のおみおつけの大根だけ引き上げて熱いご飯にのっけて食べるのが好き」
と言っていた友人が、そういえばいました。

よーく味が沁みてポクリと折れるのがご飯と口中で渾然一体となるのが
「たまらないんだ」

「ポクリ」には細すぎてはだめで、マッチ棒ほどはないと成り立ちません。

マッチ棒大といえば、ポテトチップの粉末をまぶした大根サラダをおしえてもらって試してみたら、これがお酒のおつまみに最適でした。

今日も、半分は主菜のツマにしても、半分はポテチサラダにしようかナ・・

・・と、改めて包丁をとったんですが、野菜室で長く寝かせたのがたたってあろうことか中がスカスカで細切りは困難。

仕方なく短冊切りでお茶を濁しましたが、短冊と千六本では、同じ大根でも味が違ってくるものですネ。


P1000126.JPG
歯医者が終わって「はあー」とひと息つきながらパチリ。ここはリヴォリ通りといって18、19世紀には建物の下がアーケード付き目抜き通りだったところです。

前菜は、トマトとゆで卵のサラダ
主菜は、サーモンのたたき風、大根の短冊、ニンニク風味じゃがいもピューレ、いんげん塩茹で、

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