立ち呑み日記・夢の缶詰 [困った!]

この夏日本に一時帰省しているとき、実家の老父がパンの缶詰というのを買ってきました。

フランスから来た孫を喜ばせようとしているのは火を見るより明らか。

これじっさいは備蓄食で、
「2009年にスペースシャトルに搭載」
だそうですから、たいへんな技術の結晶です。

ヘーエどれどれ、と、手に取りながら、アアいかにも1970年代のオトーサンの買いそうなものだなあ・・と、しみじみしちゃいましたヨ。

カラーテレビの「ひみつのアッコちゃん」(再放送でなくお初のです)あたりにかぶりついていたころのワタシなら目の色かえてすっとんできて、
「あけて! 今すぐあけて!!」
と、盛大にやったはずです。

「慌てなさんな」
と、そのころのオトーサンといったらやたら威張ってもったいをつけ、この缶詰がいかにめずらしいかとうとうと講釈たれたはずです。

あのころ、缶詰って今よりうんと、うーんと価値がありましたよネ。桃やパイナップルやみかんの缶詰を「あける」となると嬉しかったもンでした・・

・・・とこう書きながら記憶の闇をぬって不意に思い出したんですが、通称「モコモコ」という缶詰アイスが、そのころありました。凍らせた缶を開けると、あわ雪のようなシャーベットがモコモコーっととび出てくる。

「モコモコ」を開ける時のワクワク感といったらなかったです。

あと、今なら「カルディ」がありますし、外国の珍味といったってさして驚くことなく試しますが、あのころは輸入食料品店であてずっぽうに外国製の缶詰を買ってみたりすることがままあったように思います。

うちなどもそういうところからエスカルゴの缶詰が晩ごはんのおかずにのぼったことがありました。

「フランス人はでんでん虫を食べるらしい」
と、1970年代初頭、昭和ひとケタのオトーサンといったら学生時代にジャン・ギャバンをはじめとするフランス映画に惑溺してますから知識があったところ、モーレツ社員として残業こなして帰る道すがら、輸入食料品店に積まれた缶詰の実物に出合う。

こういう輸入食料品店ってなぜか遅くまで開いてますよね。

(エスカルゴ?)
と、学生時代、第二外国語あたりで勉強したフランス語がここへきて初めて役に立ち、ヨシいっちょ買ってみっかと手に取ります。

このエスカルゴの缶詰、オカーサン(ワタシのオカーサンです)が心底気味悪そうな顔してキコキコ開けていたものでした。

あとそうそう、缶詰といえばなんといっても「オモチャの缶詰」、ワタシなどみごと金のエンゼルを引き当てたことあるんですヨ(エヘンエヘン)。

胸躍らせ開けてみれば、グリコのおまけみたいなのがいくつか入っているのみで、ややガッカリでしたけどネ。

とはいえ缶詰の醍醐味はやはり開ける瞬間、缶詰には夢が詰まっている。老父もまたそう考えパンの缶詰なるものを買って来たわけです。

ところが、二匹は実にそっけなかった。「アリガト」と、いちおう言ったのみ。二匹にとって缶詰はランクの落ちた食べ物でしかないんですね。

仕方なくぎゅう詰めトランクに隙間作って押し込んでパリに持ち帰りましたが、ハテいつ開けるべきか、なかなか迷います。


P1000051.JPG
フランスは9月が新年度。超エリート校エコール・ポリテクニック(理工科大学校)の新入生がオバカをやっているの図。彼らが将来のフランスをけん引します。

前菜は、メロン
主菜は、オムレツ、鶏ロースト(の残り)、じゃがいもロースト、いんげん塩茹で






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