立ち呑み日記・udon [ランチ]
街中で汁麺を注文すると、ワタシはたいてい反省し、少なからず後悔しますね。
だったらそういう店に足を向けなければいいだけのハナシですが、昼時に所用で出かけた帰り、気軽なテイクアウト中華の前を通りかかったんです。
本日、パリは真夏日の30度越え。
ますますもって熱い汁麺日和からほど遠いわけですが、日陰の涼しげな窓際席でアジア美女が白いどんぶりの汁麺に向かっていたんです。
同じアジアでも、日本人とは食べるリズムが違うものですネ。
日本人は麺となるとのびるのを念頭に一気呵成とツルツルズルズル、間断をおかず食べ進みませんか。蕎麦しかり、うどんそうめんしかり、ラーメン、つけめんのたぐいもまたしかり。
ところが、どの国かは確定できないんですが、時に箸を置いてゆったりした時間の中で汁麺を賞味しているアジア人を一度ならず目撃しているんです。
今日もそうでした。湯気の立つ大どんぶりを前に、箸を置いてスマホをいじり、しばらくしてまた口に運ぶ。
それが目に入ったとたん条件反射で店内に吸い込まれたんです。本場アジア人が食べている店なら間違いない、と、天の声が聞こえてきた、気がしました。
この店は、カウンターで注文して前払い、しかるのちに席に着くシステムでした。
フランス語があまり通じない年配女性の店員さんから漢字ばかりのメニューとフランス語のメニュー両方が手渡されました。
蔬菜麺、というのになぜか心惹かれ、蔬菜とは野菜のことじゃなかったっけ、と、フランス語メニューで確認するとその通り。が、麺がudonと表示されている。
中華スープにうどんはあれだなあと、
「麺は黄色い中華麺でおねがいします」
と、いちおう申し出てみると、
「ウィー、ウィー、シノワー(そう、そう、中華)」
と、分かってくれたかそうでないか、女性店員さん。すぐさま割と長々した中国語で厨房にオーダーを入れます。
このあたりは、賭けです。
こちらの意向がちゃんと通じていたら中華麺にかえてくれる(日本のとは少々違いますけどネ)。そうでなければ先方の意向のままに来る。
賭けは、負けでした。ひやむぎほどの太さのudonが、それもうんとやわらかなのがみっしり。
澄んだスープは化学調味料も塩味も際立ち、背後からニンニクのパンチもきいて、ジャンク風のクセになるような味。
まずいかと聞かれればとォんでもない、では美味絶佳かというと、(・・・・ウムムム)。
思うんですけど、日本でラーメンといったら今でこそ店主こだわりの素材厳選にして逸品ですが、昭和の時代は店主こだわらずの素材平凡が、ことに町内のそれなど一般的だったのではないでしょうか。
ホラ、「ふぞろいの林檎たち」で、柳沢慎吾の実家がいまひとつぱっとしない中華屋でしたよネ。あれ、当時のラーメン屋の典型ではありますまいか。
今またそのパートいくつかが作られるとしたら、父親の年齢を迎えた柳沢慎吾店長率いるこの店は、食べログにひっぱりだこの「昭和の名店」になっているはず。
今年初30度越えの今日はホント暑かったです。歩いてて信号待ちのときなど影探しちゃいました。
そこを当時のままというごとく、いまひとつぱっとしないながらまずいとも言えないのが、パリのよくある汁麺屋、の、ような、気がします。
前菜は、フムス(ヒヨコ豆ペースト)をラディッシュやセロリですくって。
主菜は、鮟鱇の頬肉ムニエル、にんにく風味じゃがいもピューレ、いんげん塩茹で
だったらそういう店に足を向けなければいいだけのハナシですが、昼時に所用で出かけた帰り、気軽なテイクアウト中華の前を通りかかったんです。
本日、パリは真夏日の30度越え。
ますますもって熱い汁麺日和からほど遠いわけですが、日陰の涼しげな窓際席でアジア美女が白いどんぶりの汁麺に向かっていたんです。
同じアジアでも、日本人とは食べるリズムが違うものですネ。
日本人は麺となるとのびるのを念頭に一気呵成とツルツルズルズル、間断をおかず食べ進みませんか。蕎麦しかり、うどんそうめんしかり、ラーメン、つけめんのたぐいもまたしかり。
ところが、どの国かは確定できないんですが、時に箸を置いてゆったりした時間の中で汁麺を賞味しているアジア人を一度ならず目撃しているんです。
今日もそうでした。湯気の立つ大どんぶりを前に、箸を置いてスマホをいじり、しばらくしてまた口に運ぶ。
それが目に入ったとたん条件反射で店内に吸い込まれたんです。本場アジア人が食べている店なら間違いない、と、天の声が聞こえてきた、気がしました。
この店は、カウンターで注文して前払い、しかるのちに席に着くシステムでした。
フランス語があまり通じない年配女性の店員さんから漢字ばかりのメニューとフランス語のメニュー両方が手渡されました。
蔬菜麺、というのになぜか心惹かれ、蔬菜とは野菜のことじゃなかったっけ、と、フランス語メニューで確認するとその通り。が、麺がudonと表示されている。
中華スープにうどんはあれだなあと、
「麺は黄色い中華麺でおねがいします」
と、いちおう申し出てみると、
「ウィー、ウィー、シノワー(そう、そう、中華)」
と、分かってくれたかそうでないか、女性店員さん。すぐさま割と長々した中国語で厨房にオーダーを入れます。
このあたりは、賭けです。
こちらの意向がちゃんと通じていたら中華麺にかえてくれる(日本のとは少々違いますけどネ)。そうでなければ先方の意向のままに来る。
賭けは、負けでした。ひやむぎほどの太さのudonが、それもうんとやわらかなのがみっしり。
澄んだスープは化学調味料も塩味も際立ち、背後からニンニクのパンチもきいて、ジャンク風のクセになるような味。
まずいかと聞かれればとォんでもない、では美味絶佳かというと、(・・・・ウムムム)。
思うんですけど、日本でラーメンといったら今でこそ店主こだわりの素材厳選にして逸品ですが、昭和の時代は店主こだわらずの素材平凡が、ことに町内のそれなど一般的だったのではないでしょうか。
ホラ、「ふぞろいの林檎たち」で、柳沢慎吾の実家がいまひとつぱっとしない中華屋でしたよネ。あれ、当時のラーメン屋の典型ではありますまいか。
今またそのパートいくつかが作られるとしたら、父親の年齢を迎えた柳沢慎吾店長率いるこの店は、食べログにひっぱりだこの「昭和の名店」になっているはず。
今年初30度越えの今日はホント暑かったです。歩いてて信号待ちのときなど影探しちゃいました。
そこを当時のままというごとく、いまひとつぱっとしないながらまずいとも言えないのが、パリのよくある汁麺屋、の、ような、気がします。
前菜は、フムス(ヒヨコ豆ペースト)をラディッシュやセロリですくって。
主菜は、鮟鱇の頬肉ムニエル、にんにく風味じゃがいもピューレ、いんげん塩茹で
2015-06-06 07:16
nice!(6)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0