立ち呑み日記・忘れ物2 [ワルガキ]

「二人も忘れた人がいるの?!」
と、芝生の円座で、10歳のムスコの担任の先生が素っ頓狂な声をあげました。

ただ今パリ郊外の、ヨットやカヌーのできる池もある広い公園にスポーツ遠足で来ているところ。

こちらは年度末で、小学校最終学年のムスコのこういう付き添いは今後一生二度とないだろうと感傷こめてのこのこくっついて来たわけです。

子どもたちはグループごとにカヌーとヨット、その後は遊歩道を半周しながら、ゴルフ(のまねごと)、サッカーのシュート、やり投げ、方位磁石読みなど各コーナーで続々挑戦していきます。先生方および付き添いの大人はコーナーごとに立ち、説明したり行くべき方向を示したり。

そうやってみんな半日がんばり、いよいよおたのしみのピクニックを迎えたんですね。

「お弁当持ってこなかった」
と、そうしたらモハメッドくんから問題発言。女子のグループでは、唇をきゅっと結んだエミリちゃんが意を決したように手を挙げました。

ほんとにまあ、なんで忘れたんだか。遠足のお弁当ですぞ。

恥かしさ、心細さ、お腹ペコペコなのにノドに大きな玉が詰まっている苦しさ、二人の心境察して余りあります。

食費に事欠いて持たせられない家庭もありましょうが、二人に限っては明らかにうっかりミスです。エミリちゃんは、お菓子と水は持ってきたそうです。

「オレオ食べるからいいです」
というエミリちゃんに
「サンドイッチをしっかり食べます」
と、先生はぴしゃり。

一昨年の、今12歳になるムスメの時までは学校からお仕着せのランチパックが支給されていたんですが、これが実にまずまずしく大半が手をつけられないまま捨てられる運命だったので、昨年度より各自お弁当持参になったもよう。

その旨口語調で簡潔に記されたプリントが事前に配布され、保護者署名の上提出してあるんですが、忘れた子の家庭はこの文面を読み違えた、の、かも、しれない。

いずれにしても二人このまま指くわえさせているわけにはいきません。

「サンドイッチは二つ持ってきたけど、どっちもハムなのよ」
と、困り顔でモハメッドくんを見つめる先生。

モハメッドくんはイスラム教なので豚肉はダメなんです。サンドイッチは、エミリちゃんに行きました。

モハメッドくんへは、付き添いオトーサンの一人がポテトチップの大袋をまるまる差し出し、日本人のオバサン(ワタシです)はツナマヨと梅きゅうの巻きずしを分けてあげることにしました。

フランスはスシブームで、前回お弁当が要りようだったときにムスコの巻きずしがなかなか人気だったようなので、多めに持って来てあったんです。

そのうちにみんなでとりかえっこが始まりました。みんな、友だちにまわすぶんをあんがいいろいろしのばせて来てるんですネ。

ハムサンドひとつ分お腹に入らなくなった先生も、まわってきたプチトマトを遠慮なくつまんでおられるようでした。

モハメッドくんとエミリちゃんにはチョコパンやブリオッシュなどもやって来て、十二分にオナカイッパイになったようでした。

そのあとグミとキャラメルがまわり、歯が抜けた子が三人も出ました。


PIC_0322.JPG
バスの中からパチリ。

前菜は、トマトサラダ
主菜は、ニンジン入り牛肉の赤ワイン煮、じゃがいもピューレ、グリーンサラダ


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