立ち呑み日記・カリソン [おやつ]

「カリソンが食べたいなあ」
と、おやつにバゲットの板チョコサンドをかじりながら12歳のムスメ。

カリソンというのはアーモンドパテのお菓子で、ひと口大の紡錘形をしています。ポンと口にほうりこむと、歯切れのいい羊羹テナ感じの品のいい甘さの和菓子風で、緑茶にもよく合います。

南フランス・エクサンプロヴァンスの名産ですが、観光客が多く訪れるパリの高級食料品店などにも置いてあり、賞味期限も長いところからフランスみやげにぴったり。

ワタシも日本行きのスーツケースに2,3箱かならずしのばせます。が、化粧箱をうちで開けてつまむのはどうでしょうか。

そういう、家庭で食べるためには買わないお菓子って、ありますよネ。「ヨックモック」や「ユーハイム」など、デパートの名店街のお菓子がたいていそうではないでしょうか。

カリソンが、まさにそういうたぐいなんです。気軽にポイポイつまむにはややお高い。

パン屋によっては2、3個ずつセロハンに包んで売っていたりもするんですが。が、その2、3個の値段でパン・オ・ショコラなら3,4個買えるわけで、お腹の足しにならないところにお金を費やすよりは、おやつというならお腹にずしんのほうをオカーサン(ワタシなどです)はどうしたって選ばずにいられないわけです。

「でも、食べたいなあ」
と、板チョコサンドをすっかり平らげ、もうちょっと何かないかと戸棚をごそごそしながら、ムスメは食い下がります。

わかりました。マルシェに行ったら見てみましょう。マルシェのマスタード屋さんが、こういう珍味佳肴品のたぐいを置いているんです。

自撮り棒つきカメラかついだ観光客ご一行が屋台取り囲んでハチミツの試食などしている背後から背伸びしてのぞきこむと、あったあった。

化粧箱のほかにもセロハン袋入りがあります。ハチミツのお買い上げを待って屋台に近づき、お目当てのセロハン袋を手に取りました。

ありゃま、それでも12ユーロ50(約1450円)もする。

「プレゼント用にきれいに包装しますよ」
と、顔なじみのマスタード屋のお兄さん。

やっぱりうちでつまむものでもなさそうだなあ、と、台に戻しかけたんですが、現物を目の当たりにすると、とひと粒といわず口に入れるのは悪くないだろうナと、にわかに緑茶が恋しくなって来ちゃったんですね。

歯切れのいい羊羹みたいなアーモンドパテが奥歯でつぶれて軋(きし)んだところへ、濃い緑茶をズズッといったらさぞいいだろうなあ・・

「このままでいいから一袋ちょうだい」

実はムスメが食べたがっていてね、と、世間話しながらお金を払い、買い物かごのトマトの上へのせてもらいました。

「お嬢さん成績が上がったご褒美だねそうすると」
と、言うので、そういうわけでもないんだけどと返すと、
「アー世の母親はすぐこれだ、子どものがんばりを過小評価する。ボクのオカーサンもそうだった」
と、お兄さんは反抗期に戻ったような顔つきになり、
「がんばったお嬢さんに」
と、ハチミツあめをひとつオマケにくれました。


PIC_0198.JPG
エプロンってパリではみやげもの屋にしか売ってない、ということに気づきました。みなさんエプロンします?

前菜は、クレソンのポタージュ
主菜は、鯖(さば)塩焼き、蒸しじゃがいも、いんげん塩茹で

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