立ち呑み日記・ポン菓子 [おでかけ]

ただ今秋の学期休み中で、ワルガキ二匹を子ども向け映画に連れて行きました。

「アルカンディアの魔術書」(Le grimoire d’Arcandia)、秋休みにぶつけて公開になったばかりのフランス・ベルギー共同制作による冒険映画です。

映画といえばポップコーン(甘)と炭酸飲料、と、二匹はもう右から左へ頭がそうなってますから、仕方ない、お財布を開きます。

早めに入ったので、ほぼ一番乗りで真ん中のいい席がとれ、やれやれ。まだ完全に明かりが落ちていないなか、二匹はさっそく手元の紙箱に手をつっこんでシャリシャリはじめました。

オカーサン(ワタシです)もつい横から手を出して、甘いところをシャリシャリシャリ・・

・・と、噛みしめていると不意に思い出したんですが、ポップ「コーン」でなくて、麦や米でこういう甘くてはぜたお菓子、ありましたよネ。

あれ大好きだったなァ・・

・・エートエート・・と、考えるうちにその名もちゃあんと思い出しました。ポン菓子。

「『ドン』って呼んだものよこれ」
と、幼いワタシが甘く軽やかなところをシャリシャリさかんに口へ運んでいると、母が懐かしそうに言っていたものでした。

戦後まもなくは、母の生まれ育ったような東北のひなびた村までも、蒸気の圧縮釜をリヤカーにのせた屋台がやってきて、「ドンッ!」と大音量響かせ、ひとにぎりの米を何倍もの大きさにふくらませたおやつを食べたものだそうです。

ワタシは東京オリンピックの年に東京近郊で生まれましたが、この屋台は見てません。この時代はもう住宅が密集し始め、「ドンッ」という大音量が疎まれるようになったのでありましょう。

かわりに、と、いいますか、駄菓子屋へ行くと、赤い円錐形のセロハンに入った、「にんじん」が、売ってたもンです。

「にんじん」は袋の外見だけで、中身はアースカラーのひなあられ、テナ感じのドン菓子。

「駄」菓子である、という気持ちがはたらき、御節句のひなあられよりは邪険に扱い、赤いセロハンからざざざざーっと口へ流し入れたりと、お行儀よろしからぬ食べ方を平気でしました。

そう、ポン菓子はどうしてか「目下」扱いだったんですね。

後年、これが箱入りの「ライスクリスピー」ということになると、深皿によそい、ちゃんとスプーンで食べることになります。

ポン菓子のなかでも、子どものにぎりこぶしぐらいの、丸く飴で固まった甘いやつ、ありましたよネ。あれがいっとう好きだったなァ・・

かじりながら、食べかけのリンゴみたいな形にしてみようとするんですけど、きまって下の部分が墜落しちゃったもンです。

その墜落部分をまた、「おっとっと」と口にほうり込む。軽くて、いくらでもお腹に入りました。

ポン菓子って、愛媛県では結婚式の引き出物の定番なんだそうですってネ。醤油味のなんかもあるのだそうです。

美味しそうだなあ・・

・・と、横からついつい手をのばし、今口に運んでいるのではない甘いのを思い描きつつシャリシャリやるうちに館内いよいよ暗くなり、大画面にCMが始まりました。


P1020731.JPG
渡る前にパチリ。

前菜は、カボチャのポタージュ
主菜は、トマト風味仔牛のポヒエット(挽き肉を芯にした薄切り肉包み)、じゃがいもピューレ、いんげん塩茹で


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