立ち呑み日記・丸かじり [買い物]

マルシェのいつもの八百屋へ向かっていたら、ちょうど買い物終えた青い目の青年がこちらへ歩いて来ました。

それがまあ驚くことに、今買ったばかりのラディッシュひと束の葉の方をわしっと両手でつかんで、むしゃり、むしゃりと丸かじりしてる。

バックパックが背中にあるところからして外国人観光客であることは間違いないんですが、洗ってもないのによくかぶりつけるなあと、ついまじまじ見上げちゃいました(青年は上背がありました)。

だってラディッシュといったら実と葉の境のあたりは砂ザリザリですぞ。この砂がまかり間違って口に入ったらとうするつもりなんでしょう。

「のみこんじゃえばおんなじヨ」
とでも言うように、またしてもむしゃり。

概して欧米人は、と、いいますか、おそらく米、豪の方々と思うんですが、野菜果物の丸かじりを平気でしますね。

語学学生時代、アメリカ人のクラスメートが休み時間に教科書やノートが入ったカバンからむき出しのニンジンをいきなりとりだし、セーターの腕のところでゴシゴシするなりかぶりついたので、たまげたことがありました。

アメリカの学生の間ではおやつにニンジへそうやってかぶりつくのはよくあることだそうです。

ニンジンをリンゴにかえればしかし、ワタシも同様のことしてました。フランスに住み始めてまず覚えたのがこの、歩きながらのリンゴ丸かじり。リンゴは小ぶりで食後やおやつにうってつけで、戸外でガリッとやると解放的でまたよろしい。

日本でそういうことしたことは、なかったです。また、しようと思ったこともなかった。

日本のリンゴは大ぶりだし、一個をひとりじめするものではなく、家族みんなで分け合うべきもの。カワもちゃんとむきました。

野菜や果物の丸かじりって日本ではめったなことではしませんが、では、なぜなじまないんでしょうネ。「丸かじり」とは、言ってみれば豪快さをあらわす比喩のたぐい。

リンゴどころの青森県板柳町には「リンゴ丸かじり条例」というのが、あるようですが。

でもこれは、丸かじりしても安心できるリンゴづくりに励みましょうという内容で、リンゴはどんどん丸かじりしましょう、さあ! さあ! さあ!!! と、奨励しているわけではないようです。 

ホラよくヨーグルトのCMあたりで、葉っぱのついた長いままのセロリにざくりと噛みついて、
「うまいッ!」
なんて決めゼリフがあったり、しますが。

現実にそういうふうに食べるかといったら、そうはしないのではないでしょうか。

長いセロリには包丁を入れて食べ(持ち)やすいスティックにして、しかるのちにヨーグルトなりをつけて「丸かじり」する。

「屋台の冷やしきゅうりはでも一本まんまですよッ」
と、おっしゃりたいムキもあろうかと思います。

ワタシもそう思ったんです。で、画像を検索してみた。

すると一本は一本まんまなれど、ちぁあんとと串がさしてあるんですね。一本手づかみを断じて拒んでいる。

このあたりに、日本人が丸かじりになじまない「何か」が隠されている気が、しないでもないです。


P1020701.JPG
今年の秋は暖かいです。

前菜は、アボカド、レモンで
主菜は、イワシのグリル焼き、じやがいもピューレ、カリフラワーとベシャメルソース

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