立ち呑み日記・ラグジュアリー [買い物]

なんでまたこォんなにも高いのよッ、
と、売り場で独り、口がとンがらずにいられませんでした。

今、東急ハンズみたいなデパートの物干しコーナーに来ているところ。

日本から持ち帰った洗濯バサミ付き物干しが壊れていたのをうっかり失念してこの夏の一時帰国で買い忘れのまま戻って来たので、仕方ない、同様のものを探しに来たんです。

すると、あることはあったんですが見るからにちゃっちくて、それがアータ8ユーロ(約1200円)ってどうよこれ(ばんッ、と、いきなりアータの肩をはたく)。

これ、日本なら100均ですよ。ということは68サンチームの代物ですよ。というより、100均の品物のほうがずっとちゃんとしてますよッ。

こういうモノはもう、日本にかないませんね。

夏に丸々一か月も日本に滞在して、老母とイトーヨーカドーに行くたびに毎ッ度、
(買わなきゃ)
と思いながら、忘れたんですね。

なぜというに、
(買うのはでも今日の今日でなくともいいナ)
と、すぐにカゴにとらなかった。

忘れたと気づいたのは、パリに戻る前夜。

ついでに言いますと、三角の油入れ、あれも二十年越しで買い忘れております(フランスには存在しないんですヨ)。

さて、この洗濯バサミ付き物干し、買うか買うまいか迷うまでもなく敵意をもってシッカとにらみつけ、でもやっぱり多少の逡巡(しゅんじゅん)を経て、袖にすることにしました。

「ア、ソ、別に痛くも痒くもないけど」
と、8ユーロのそれがツンとすまして向こうのほうから視線を反らしたような気がして、くやしいったらない。

いえね、この東急ハンズみたいなデパート、BHVという老舗なんですが、最近、庶民派から高級志向へと路線変更したんですね。

最近の言い方で言うと、「ラグジュアリー」に、なった。

ギャラリー・ラファイエットというフランスの大デパート、ご存知ですか? 昨年、そこの傘下へ入ったのだそうです。

BHVといったら生活に密着し、フランス全土に支店がいくつもある、日曜大工に特化した気軽な百貨店、と、思い込んでいましたが、もはやその時代はとっくに終焉していたんです。

知りませんでしたが、各地方都市の支店は21世紀に入る直前に大半がのれんを下ろし、今日ではパリ近郊とリヨンに2つ3つ残るのみなんだそうです。

代わりに本店が大変革。

以前は、洋服「も」一応買える、という感じだったのが、二階にわたってファッション専門となり、代わりに広いワンフロア全体を占めていた家具売り場が消滅しました。

うちの食器棚もソファーベッドも小タンスも、結婚して半世紀近い間にみんなここで買ったものです。台所の品々もまたしかり。

BHVには学食で見かけるようなペナペナの食器からル・クルーゼなどの高級鍋まで各種そろっていたものですが、ペナペナが駆逐され、目にも楽しい素敵なモノばかりとなりました。

くだんの洗濯バサミ付き物干しはあれとしても、その横にあった洗濯バサミが一袋なんと18ユーロ(約2400円)と目を剥くお値段なれどデザインがカワイくて、毎日使うものなのだしこういうのもアリかなあと思っちゃいましたヨ。


P1020672.JPG
信号を待ちながらパチリ。

前菜は、千切りニンジンと青リンゴのサラダ
主菜は、鶉(うずら)のマスカットとコニャック風味焼き、ニンニク入りじゃがいもピューレ、いんげん塩茹で


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