立ち呑み日記・ベジタリアン [晩ごはん]

「あの子、ベジタリアンだからよろしくね」
と、食通の親戚から電話がありました。

外国に住む遠縁にあたる女の子が、といってももう三十路に手が届く年齢ですが、恋人とともにパリに遊びに来て、食通のアパートを足がかりに観光することになりました。

そこで晩ごはんにみんなでうちに集まることになったんですが、彼女がベジタリアンに宗旨替えしたとは、そういえば以前耳にはさんだことがありました。

なんでまたと思わないこともないですけど、哲学というか、主義ですもんネ。

彼女の恋人は普通に肉魚食だそうで、二人は同棲しているんですが一方がステーキにナイフを入れている傍らで、もう一方が豆料理あたりをぱくつくのだそう。

一方だけがベジタリアンでは食生活がむずかしいかというと、そんなことはなさそうです。

ホラ、シンガーソングライターのイルカ、あの方も結婚した年にベジタリアンを公言したそうですが、ともに住んでいる夫ぎみとご子息は肉も魚も普通に食べているそうです。

ベジタリアンといったらやっぱり豆が主菜かしら・・
と、電話口で独りごちたら、食通はやや慌てて
「ボクらは普通にフォアグラののった牛フィレ肉ステーキとかでいいんだよ」

前に彼女がパリに遊びに来た時にベジタリアンレストランにつき合わされ、食後にひもじさかかえて帰路に着くはめになったのがよっぽどこたえたもよう。

ベジタリアンレストランはしかしワタシも入ったことありますが、ひもじいなんてとォんでもない、セイタンのハンバーグ風など味もとてもよくオナカイッパイのイッパイになりましたから、行った店が悪かったのでありましょう。

セイタンというのは目のつんだお麩といった感じのグルテンで、味つけ次第でいかようにもおいしく食べられます。

このときはデザートに三角コンニャクのラズベリーソースがけが出ました。

コンニャクといったら田楽やしょうゆ煮しか考えたことがなかったので意外でしたが、あの独特のにおいを煮て消してしてしまえば無味無臭ですから、なるほどこういう甘味もアリだと感心したものです。

くずきりだって甘味と三杯酢の両方イケますもんね。

さて、ベジタリアンと食通の両方を満足させるご馳走といったら何がいいのか。

食通は毎度自らのお持たせで、粒大イクラと生クリームやらレモンのコンフィ(砂糖漬け)入りヒヨコ豆ペーストとそれをつける新鮮セロリやらのいずれも極上品を、前菜のかわりばえしないトマトサラダなどといっしょに賞味します。

今回はイクラ系はなく、ヒヨコ豆ペースト系になるもよう。

そこで主菜ですが、肉料理派とベジタリアン派がお皿できっぱり袂(たもと)を分かったお食事会というのもちょっとあれです。

肉がベジタリアンのお皿を浸食するのは困りますが、その逆ならかまわないのではないでしょうか。

クックパッドで高野豆腐のカツというのを見つけたんでが、これなんかどうでしょう。スープをしみこませた高野豆腐を軽くしぼりコロモをつけてフライにする。

お肉派はこれをつけ合わせにしたらなかなか豪勢になりそうです。


P1020670.JPG
9歳のムスコのノートです。再帰動詞、と、いうんですが、(自分が自分の身体を)洗う等の動詞には英語のmeにあたる間接目的語が必ずつく。自分が自分を、というのがフランス語を習い始めのころのワタシは理解に時間がかかったもンです。

前菜は、ニンジン千切りサラダ
主菜は、牛挽き肉ステーキ、じゃがいもソテー、ブロッコリー塩茹で

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