立ち呑み日記・ユダヤ商人 [買い物]

この水曜の宵はユダヤの新年でした。

うちはオトーサン(ワタシのオットです)がユダヤ系なので、元旦のお屠蘇のあるお正月とともにユダヤのほうもやります。

なにをするかといいますと、甘(うま)き年になるよう、リンゴにハチミツをとろ~りとかけて祝う。ヒデキか~んげき、と、どうしたって毎年言わずにはいられません(心のなかで)。

エート今年はユダヤ暦の5775年、だそうです。

リンゴとハチミツの儀式のあとは、ユダヤ人でも北アフリカ系や中欧系など出身によって献立は異なりますが、家族友人とご馳走を食べます。

今年はちょうどこの日ユダヤ人街に行く用があったので、ユダヤ式ハム・サラミ専門店でパストラミ(塩漬け牛肉の燻製)をおごることにしました。

用というのは9歳のムスコがこの9月からなかよしのノアくんとオリヴィエくんとともに習い始めたチェス教室の送迎で、教室がこの店の真向かいなんです。

今回は日本人のオカーサン(ワタシです)が代表責任者となってすばしっこい三名を引き連れます。

三名は無事教室へ、だんごになってすべりこみましたから、今から近くのデパートで別の買い物をすませ、帰り際に本命をさっと切ってもらうことにしました。

そうやってデパートをうろつき、楼上レストランがリニューアルして日本食コーナーになったというので物見高くわざわざエスカレーターに乗り、しょうゆラーメン14.5ユーロ(約2000円!)というのに目を剥いて、迎えの時間ギリギリに教室向かいのハム・サラミ専門店に到着しました。

アリャー・・
と、臍(ほぞ)を噛みましたが後の祭り。

お店は大変な行列で、行列をなしているみなさんワインの試飲グラス片手におしゃべりに花が咲き、先頭の人がそれはもうゆーーっくり買い物してる。

お店でおしゃべりといったらユダヤ人ならずともフランス人全般がそうですけど、本日はなにしろ同胞の新年ですからね、しゃべるたねは無尽蔵です。

場違いの日本人(ワタシです)は行列の尻尾でじりじり待ちました。が、いっこうに進捗(ちょく)せず。

マーヴィン・トケイヤー著『ユダヤ商法』によると、ユダヤ商人5000年の知恵、といいますか、ユダヤ商人5775年の知恵を十戒風にまとめると、こうだそうです。

(1)正直であれ(2)好機をとらえよ(3)生涯にわたって学べ(4)時間を尊べ(5)笑え(6)使命感を持て(7)過去から学べ(8)話す倍聞け(9)弱者に施せ(10)家族を大切にせよ。

(5)(7)(8)がただ今特に重点的に実践されているもよう。

「今日は定時で店閉めるぜ、家族が待ってるんだから」
と、手を止めて話に聞き入っていたご主人がキッパリ宣言したので、(10)もまたしかりです。

そこへ教室から鉄砲玉三名がとび出て来たので、
「ちょっとだけ待っててちょうだい」

鉄砲玉三名はこれ幸いとばかり狭い舗道で鬼ごっこをはじめ時に車道にはみ出すので、行列の尻尾で背中に悪い汗をかきました。

やがてようやく前の方の会計が済み、やれうれしや、牛と仔牛のパストラミ各5枚ずつとサラミ20枚、包んでもらえました。


P1020663.JPG
本屋が立ち行かなくなるのを目の当たりにするのは実に悲しいです。

前菜は、トマトと千切りニンジンサラダ
主菜は、鶏ロースト、じやがいもロースト、モロッコいんげん塩茹で、グリーンサラダ


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