立ち呑み日記・二度生きる [テレビ]

晩ごはんのしたくをしながら何気なくテレビをつてみけたら、若き丹波哲郎が半裸で登場したので目が釘付けになりました。

日本の温泉みたいな、そうでもないみたいな、ヘンテコな岩風呂につかっている。岩風呂は二つ並んでいて、もう一つのほうには胸毛ゴウゴウのショーン・コネリー・・

・・と、このあたりで映画マニアなら題名がおわかりでありましょう。

「007は二度死ぬ」。この作品は、1964年秋、東京オリンピック閉幕直後に東京を始め日本各地で撮影されたそうです。

胸毛ゴウゴウに、「無修正」なんて言葉がつい頭をよぎるほど、今日見るとなかなかぎょっとします。

(ろ、露出しちゃっていいの?!)
とさえ思っちゃう。

だってホラ、あれはあのまま下の毛とつながってるんですぞ(ショーン・コネリーのはつながってませんでしたけど)。

当時、男性スターのセックスシンボルといったら厚い胸板を覆わんばかりの濃いモシャモシャだったそうで、ショーン・コネリーはまさにそれでならしたんだそうな。

半世紀たつうちに、日本男児は身長が高くなりすね毛やなんかを剃るまでになりましたが、欧米でも胸毛は廃れ、ツルツルが主流になったもよう。

007シリーズでいうと、21世紀に入り6代目ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグになっていよいよ胸ツルツルになったそうです。

「007は二度死ぬ」はまた、浜美枝、若林映子のボンドガールでも知られています。あと、飛行機を見上げる海女の少女として子役時代の松岡きっこが数秒間出演しているそう。

そういう楽しみどころはいろいろありましょうが、ワタシはなんといっても1964年当時の東京の風景(しかもカラー)、これにガツンとヤラレました。

カーチェイスで駒沢競技場前の道を走るんですが、なにしろ東京オリンピックのために出来たばっかりで、階段も道路も道路にかかっている橋も、ぴッかぴか。

交通量が無いに等しいのも驚きです。

このほんの10年後に、10歳のワタシは車の免許をとったばかりの母が運転するカローラでこの公園へよく遊びに来ることになりますが、道が混んでないなどあり得ませんでした。

さらにその十年後になると世はテニスブームで、橋げたにあたるコンクリート部分での壁打ちテニスで、連日早朝から若者たちがたくさん集まることになります。

もっとよく見せてーッ
と、思う間もなく画面は謎を秘める日本の大会社へ。

帽子を頭に載せたようなその社屋は一見してすぐそれと判別できるホテル・ニューオータニです。東京を代表するこのホテル、オリンピックのために建設されたんですってネ。

♪ママァ~、ドゥユーリメンバ~・・
と、ワタシら世代ならつい口づさみたくなってきますが、「人間の証明」まではこのときからあと十五年待たないとなりません。

ジェームズ・ボンドはもう出て来なくていいから東京の街をもっと映してーッ、と、時代を二度生きてる心境になりましたが、オカーサン(ワタシです)がこんなことしてたらいつまでたっても晩ごはんが始まらない。

後ろ髪ひかれつつテレビを消し
「ごはんですよー」
と、声をあげました。


P1020661.JPG
前夜のうちに積もったもよう。

前菜は、ニンジン千切りサラダ
主菜は、七面鳥ささ身のクリームソース、じゃがいもとニンジン等煮野菜のピューレ、焼きパプリカ

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