立ち呑み日記・冷たいスープ [前菜]

「暑いからガスパチョにしましょう」
ということになりました。

ただ今バカンスで、スペイン国境に近い寒村の友人宅に居候しているんですが、お昼の前菜に純正スペイン風ガスパチョを
「お目にかけましょう」とのこと。

正確には前々菜とでもいいますか、お食事のはじまりのはじまりの気つけみたいなもの。

スペインの夏は、気温が50度ぐらいまで平気で上がるので、ガスパチョをまとめてつくって冷蔵庫に常備し、朝に昼に夕に、水代わりに飲んでビタミン補給にこれつとめるのだそうです。

純正スペイン風(とフランス人の友人が言い張る)ガスパチョのつくり方は、こうです。

トマト、皮をむいたキュウリ、細長ピーマンをミキサーでガーッとやり、ニンニクとオリーブ油を別にガーッとやったのと混ぜ、お酢を加える。以上。

固くなったパンを加えてとろっとさせたり、パセリなどハーブを加えたりと各家庭や地方によっても異なるようですが、基本の基本とも言えるのが、これだそう。

アルモドバル監督『神経衰弱ぎりぎりの女たち』というスペイン映画で、別れ話となったカップルと彼氏の元カノがガスパチョをつくって飲むシーンがあり、確かミキサーにパンも入ってた記憶があるんですが、
「パンを入れる入れないは宗教が違うほど大きな違い」
と、友人。

パンを入れない派は、なにがあっても
「入れない、入ってると舌触りがごたごたしてまずい」
のだそうです。

このあたり、なんだか味噌汁のこだわりみたいですよネ。赤味噌か、白味噌か、八丁味噌か。実(み)はあっさりひと種類か、幾種類もまぜてコクを出すか。

冷や汁、というのが、地域によってはありますが、みなさんのところではいかがですか。ワタシは東京近郊の出なので、夏に慣れ親しんだ味とはいきませんでした。

おみおつけを冷して食べていいと知ったのは、テレビの「寺内貫太郎一家」で見たのが初めてです。ホラ毎回の食事のシーンで、本日の献立がテロップで流れましたよネ。

その夏の回で、冷やしおみおつけというのが、あった。

「今朝、出汁をとって冷やしたのよ」
と、加藤治子お母さんのせりふも、ちゃんと憶えてます。

しかしこれ、暑い夏の台所でどうやって冷したものなんでしょうか。

だって当時は、「霧ヶ峰」という冷房が普及はしていたものの、室温を冷すのは家族が集まる茶の間だけで、しかも終日というわけでは、ありませんでした。

よしんば出汁のあら熱がとれたとて冷蔵庫でキンキンに冷やすとなるとなかなか大ごとです。

八丈島には、鯵などの刺身をミキサーで砕いたところを氷水でがしゃがしゃ混ぜ味噌を溶いただけの、歯にしみるほど冷たい味噌汁があるそうですが。

生魚からいいダシが出て、火を通さなくとも、十分、味がいいそうです・・

・・とまあ、日本の夏の涼をなつかしく思い描きながら、ピレネー山脈を遠くに見る木陰のテーブルで、スペインの夏の涼をぐびぐびぐびっと、いただきました。


P1010231.JPG
車で買い出しに行く道すがらにパチリ。

前菜は、トマトサラダ
主菜は、ラザニア、インゲン塩茹で

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