立ち呑み日記・旅立ちました [おでかけ]

今思い返すに、暑さと混雑で行きの空港の人たちみんな気が立っていた。

空港のコンピューターも、くたびれ果てていた。

夏休みで、スペイン国境に近い寒村のふるい友人の家へ居候に行ったんです。時間の余裕を持って空港国内線に到着したら、長―い行列を経て搭乗ゲートにすすむはずでした。

ところが、「オーバーブッキング」だという。

汗で額がテカった係員さんから仮搭乗券を手渡され、専門カウンターへすすむと、
「ちょっとそのへんで待ってよ」
と、やはり汗した女性係員が、アゴの先で命令する。

「予定の便は家族の一人の乗機が不確実、次の便なら全員確実だけどさあどうするッ」
と、ワタシら家族のオーバーブッキングの件で別室からかかってきた電話の口をふさぎ、いらいらと責めたててくる女性係員。

「どうしようか?」
と、迎えが車で1時間かけて来てくれる都合上オットと顔を見合わせていると、女性係員はさらにいらいらと電話口へ
「まだぐずぐず決めかねてるわッ」

ちょっとぐずぐずってどういうことよ、あなたがたのオーバーブッキングのせいでこうなったんじゃないのッ、と、こちら(ワタシです)もトゲトゲした口調にならざるを得ない。

ガラス張りの天井には薄い覆いがいちおうあるものの、直射日光がギラギラ照りつけています。

友人宅に急ぎ電話すると、遅い昼食が終わりかけたところで、
「そろそろ空港へ行こうかなあーって言ってたとこ」
と、田園生活に見合った、のーんびり口調で言われました。

けっきょく家族四人そろって次の便に乗ることに決まりました。

すると、オーバーブッキングの代償に1人250ユーロ(約3万円)の現金およびサンドイッチと飲みもののクーポン券がいただける、とのこと。

悪くないじゃないの、と、搭乗口のガラスの温室を出て空調がととのって陽の射さない航空会社窓口カウンターへ頂戴しに赴くと、こちらはうってかわっての最敬礼です。

やはりひとは暑いと無意味にハラが立ってくるものなんですね。

最敬礼に見送られて再びガラスの温室に戻れば、あいもかわらぬたいへんな人、ひと。クーポン券をにぎって、頭がくらくらするような直射日光下のカフェテリアに行ってみれば、
「なんだその券はッ、もっとよく見せてッ」
と、店員さんが怒り心頭という感じにこちらの手からむしりとりました。

どのサンドイッチにするか決めたかッ、さあどうだどうだッ、と、詰め寄ってくる。やっとこさ決まると、「ほらよ」というように品物が手渡されたので、搭乗口を目指します。

するとなななんということ、電光掲示板を見たら、この便に限って、搭乗終了、の表示が出てる。

どういうこと?! と、案内カウンターにかけつけてみれば、汗だくの係員さんがマイクをとり
「電光掲示板はエラーですッご安心ください」
と、繰り返している。

エラーでご安心ださいってなんなの責任者出てこーいッ、の心境で、額に汗してサンドイッチにかぶりつくうちに搭乗時刻となり、飛行機はみんながイライラしているパリから飛び立ちました。


P1010242.JPG
そしてこうなりました。

前菜は、フォア・グラ、サラミソーセージ、プチトマト、キュウリと味噌
主菜は、鶏ロースト、じゃがいもとズッキーニロースト、グリーンサラダ

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