立ち呑み日記・クネル [前菜]

オットの誕生日なので、晩ごはんに本人よりリクエストのあった舌平目、および前菜に、クネルを浮き身にした野菜スープ、を、つくりました。

クネルとは何かといいますと、紡錘型した練り物です。

バタくさい紡錘型西洋はんぺん、とまあ、ひとことで言えばそんな感じ。小麦粉とバターと卵白を練ったものが基本形で、鶏肉だったり魚肉だったりが練り込んであります。

フランス各地に名物クネルがあるみたいですが、リヨン地方のカワカマスという、日本には生息していないそうですが、淡水魚を折りこんだのが、つとに知られています。

リヨン近郊には湖沼地帯があり、冷蔵設備の存在しない昔、ここから獲れる淡水魚をいかにして大都会リヨンで売るか、というところから考えられた料理だそう。

つまり各家庭で手作りするというよりは、かまぼこやチクワなどのように出来合いを買ってきて食べるもののようです。

「小麦粉で練り込んでみようじゃないの」
と、考えついたのは、おかず屋さんでも料理人でもなく、お菓子職人さんだったそうな。なるほど魚以外はお菓子の材料ですもんネ。

リヨンでは、日曜の午前中、鍋をもってお菓子屋へトマトソースにひたひたに浸ったクネルを買いに行くのが習慣みたいなものだったそう。

裕福なうちではこのとき、さくさくのパイケースをいっしょに買いもとめ、家で温め直したトマトソースのクネルを詰めて、日曜昼の正餐にしたようです。

「ウン、スープなんかよりトマトソースが断然いい」
と、口をそろえるワルガキ二匹。

リヨン風トマトソースのクネルは給食にもよく登場し、子どもらで嫌いなコはいない、というくらいの人気メニューだそうです。

が、オカーサン(ワタシです)は、これまでクネルを遠ざけていた。

ひと口大に切ったのを浮き身にした、さいの目野菜入りののこのスープだけは別で、大人二人のころはよく食卓にのぼりました。

子どもらができてからは、さいの目野菜を食わず嫌いされる危険から、ガーッとブレンダーで粉砕し、野菜の形が残らないスープばかり。

とろりんとしたスープにはんぺんみたいな浮き身では、なんだかこう離乳食みたいで食傷です。

そういうわけで、クネルとは久しく親交を絶っていたんですが、なぜというに、前菜にするにはこってりし過ぎ、主菜にするには、オナカイッパイになりづらい。

そもそもスーパーで買う出来合いのクネルは、カワカマスやら鶏肉やらが入ってる、ことになってますが、大部分が小麦粉です

「プレーン」という、何も入ってないのも売られているぐらいです。

ソースで煮込んだクネルは、ハンペンみたいな食感でとおってもおいしいものの、これだけではやはりオナカイッパイになりませんから、バターライスやらをつけ合わせに食べる。

すると全編にわたって炭水化物、やきそばパンみたいなことになっちゃうんです。

このモンダイを新たにつきつけられながら、でもたまにはいいかもナ、と、考えをやや改めました。


PIC_0848.JPG
通りがかりにパチリ。ノートルダム寺院です。

前菜は、ニンジン千切りサラダ、ガチョウのリエット
主菜は、仔羊腿肉ソテー、レンズ豆煮込み、インゲン塩茹で



nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。