立ち呑み日記・格安メガネ [買い物]

「日本に帰ったらぜったい買うべきよ」
と、幼なじみのメガネ美人にかねてからすすめられていた通り、メガネをつくりに行きました。

ワタシの目は日常生活では何ら困りませんが、二年前、ペーパードライバーの免許証更新の視力検査にチト自信がなかったので、遠くを見るためだけのメガネをはじめてつくったんです。

メガネってなかなか値が張るものなんですヨ。レンズ一枚しかじかの値段に、フレームがまたお安くない。しかしお蔭で映画の字幕も、くっきり見えるようになりました。

ところがあろうことか先月、そのメガネの入ったバッグごと高速道路上で強奪されてしまったんです。(2013年6月24日の立ち呑み日記をご高覧ください)
http://tachinominikki.blog.so-net.ne.jp/2013-06-24

他人のメガネなぞ一文の値打ちがあるでなし、わがお財布の貧弱な現金を抜いたらポイッとそのへんの草むらへうち捨てられたのは必至、くやしいったらない。

そこで敗者復活、日本でそれと知られたチェーン店をさがしたわけです。ワタシが行ったのは、JINSという店です。

メガネ美人の友は子どものころからひッどい近視と乱視、さらに最近は遠視もすすみ、遠近乱の複雑なレンズが必要なんですが、
「そういうのも、ものの数分で合わせてくれちゃうの」

メガネ屋は眼科の処方箋を持って行くべきところ、と、ワタシなぞ思い込んでましたが、手ぶらで行って何らかまわない、とのこと。実家からそう遠くないショッピングセンターに一軒あることがわかり、デワデワ決行です。

「すぐにおつくりいたします」

眼科の診察室で見たのと同じような機械をのぞきこみ、文字の背景が緑と赤ではどちらが見やすいか、二つ見せられる点の並びのどちらがくっきり
見えるか等々、次々と質問されます。

「では実際にレンズを通して見ていただきましょう」

ものの3分もしないうちに仮のメガネができあがりました。このレンズと店内から選ぶフレームと合わせれば出来上がりです。その間、40分ほど。

フランスだとすぐに予約がとれない眼科から始まり、メガネ屋でフレームを選んでどんなに早くとも翌日仕上がりですから、なんだかもう手品みたいです。

こういう格安メガネ店は、自社製のフレームまで一貫して製造販売することで価格を抑えているのだそう。

「ひとつのメガネを後生大事にかける時代は終わったのよ」
とは、またべつのメガネ美人。

彼女もまた小学校時代、当時のことで選択の余地なく女の子用の太い赤ぶちをかけ、「メガネザル」「出目金」と判で押したようなあだ名に悩まされました。

それがイヤさに、中学からこのかたコンタクトレンズだったんですが、何年か前にメガネに戻りました。

「メガネは、コジワなんかも隠してくれるスグレモノ」
と、美人の彼女。

格安メガネ店のおかげで、フレームの色をかえて今では30なん個ももっているのだそうで、その日の装いに合わせておしゃれを楽しむのだそうです。

ほんとにまあ質が良くて格安も格安、フランスならレンズ一枚分の値段で、ワタシにもひとつ出来上がりました。


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事故で電車が不通となり仕方なくタクシーを待ちながらパチリ。

前菜は、トマトサラダ
主菜は、ハンバーグ、じやがいもソテー、ブロッコリーとインゲン塩茹で、カレーパン

立ち呑み日記・かがみさん・・ [買い物]

実家の老父母のために、iPADを買いに行きました。スカイプで孫たちと会話出来たらさぞたのしかろう、という思惑です。

今やワルガキ二匹、ことに10歳のムスメは日々スカイプで、なかよしと長々おしゃべりするまでになっています。

それがまあ、学期休みともなると、ただ今アメリカに旅行中のクラスメートと時差をものともせずしゃべったり、平気でしている。

「今そっち何時?」
と、今回も時差ボケをいいことに夜明け前から、パリ郊外に引っ越したともだちと大はしゃぎし、フトンというものはこう、と、熟睡しているオトーサン(ワタシのオットです)をこっそり画面に映して見せたりしている。

「コラッ見せていいものとそうでないものがあるでしょうがッ」

さてiPADはどこで売っているものなんだか、近所の家電量販店へ、行ってみることにします。
「iPADくださーい」

かしこまりました、と、若い店員さんがたちまちに見せてくださいました。

今、出ているのは三種類あり、一番安いのはスカイプなら問題ないものの、映画をとりこんで見たりするには容量が足りないそうです。

老父母が映画をとりこむとは思えず。でもまあ、松竹梅でいうなら梅が無難ではないでしょうか。あっさりと真ん中のにしました。

さてこれを持ち帰り、初期化、と、いうんでしょうか、使えるまでにしないとならない。

フランス語でやるわけにいかず日本語でとなると、トウのたったムスメ(ワタシです)の手に全てが一任されることになります。

これがむずかしかった(汗)。

老父のメールアドレスを聞き出してポチポチ打ち込み、パスワードを聞いてポチポチ打ち込む。アップル社のIDというのをつくらないとならないんですが、途中で今打ち込んだメールアドレスに「いいですね」というメールが届いたりします。

いよいよスカイプに登録しようと道なり(のつもり)に指をすべらせていると、クレジットカード登録しないとできません、と、何度やっても出てくるんです。

「クレジットカード登録など言語道断ッ」
と、口をへの字に曲げる老父。

「詐欺じゃないの」
と、おろおろする老母。

スカイプは無料のはずなのに、ど・う・し・てーッ、と、頭かかえていると、
「ちょっと貸してみて」と、10歳のムスメ。

なにをどうやっているのかタッタカターと指を滑らせ始めました。
「ほらできたよ」

クレジットカードのクの字もなく、みごと登録がすみ、
「かがみよかがみよかがみさん」
と、いうごとくに、手鏡のような二つの画面へ片やムスメが、片や老父母が、映し出されました。

老父のパソコンは、ノート型とはいえ「ここ」と決めた場所にテコでも動かず固定されているので、これからは晩酌しながら手元のiPAD覗いて、お昼ごはん前のフランスの孫たちとああだこうだとおしゃべができます。


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チョコバナナクリームクレープにかぶりつくの図。

前菜は、トマトとブロッコリーとカニカマのサラダ
主菜は、ビーフコロッケ、聘珍樓のシュウマイやら小龍包やら

立ち呑み日記・おみやげ買い [買い物]

夏の一時帰国がいよいよ近づいてきたので、日本へのおみやげを買いに行きました。

実家であけるワインや缶詰類のほかに、お菓子類も、まとめて買います。お世話になる方へお渡しする分と、ワルガキが友だちと遊ぶ時のおやつの分。

誰かの家に遊びに行くときにはおやつを持参していく、という不文律が、あるんです。

「マーユーミーちゃん、あーそーびーまーしょ」
で、ワタシらが子どものときは済みましたが、今は親がマネージャーのごとくメールでやりとりして場所と時間を決めます。

日本のお菓子にはない、いかにも身体に悪そうな真っ青のグミやらタトゥーシールつきガムやら子どもたちがもの珍しがってくれるので、スーパーの特価品を何袋かとります。

大人用のおみやげには、冬はチョコレートも持ち帰りますが、夏はどうあってもパス。この週末、東京地方の気温は34度まで上がるそうですからね。

お世話になる方へは、毎度マンネリで恐縮なんですが、チョコなしの箱入りビスケットを買うことにしてます。

フランスの北部、ブルターニュ地方やノルマンディー地方はおいしいバターの産地で、それも海塩などを折りこんだものを使ったバターたっぷりのビスケットが名物なんですヨ。

ホラ、「メール・プラール」という箱入りビスケット、日本のスーパーでも一般的ですよネ・・

・・パリからおみやげを買っていく身としてはそこが大問題で、今や日本で気軽に買えるとあってはおみやげにならない。

「カルディー」などでは、ひと箱100円でたたき売られているそうで、どうしてそうなるんだか、パリのスーパーで買うより安いんですからイヤになっちゃいます。

そこでブルターニュ産のパレという厚焼きクッキーを毎度買うことにしているんですが、これ、バターたっぷりでさくさくモロモロと舌の上でくずれ、とおってもおいしいです。どのスーパーでも売っているわけでなく、高級のほうのスーパーへ行かないとなりません。

で、はせ参じたところ、あろうことか、なかった。

どうしてーッ、と、狼狽しながら、別の高級へおっとりがたなでかけつけると、あることは、ありました。が、毎年買っていた、ドカ弁ほどの紙箱にたっぷり詰まった持ち重みするのが、ないんです。

あるのは、手帳ぐらいの大きさのうんと小分けになったタイプのみ。

ハハーン、これはもしやメーカーの方がフランスみやげに最適と気付き、お徳用サイズを廃して数を配りやすい小分けタイプのみに絞ったのではありますまいか。

そんな気遣いはいらなかった。ちょこっとでなく、ちゃんとしたおみやげにしたかった。

以前のがひとつぐらい残ってないか、警察のガサ入れもかくやというほど棚をごそごそしましたが、無念、やはりありませんでした。

仕方ない、缶入りのを買うことにします。これ、缶の値段ぶん分量が少ないんですよねえ・・。それに食べた後は燃えないゴミに出さないとならない。

昨年とはおみやげに変化がありましたが、これから荷造りを始めます。


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教会で結婚式があったようです。

前菜は、メロン
主菜は、七面鳥ささ身と仔牛エスカロップのクリームソース、ファルファーレ(リボン型パスタ)、いんげん塩茹で

立ち呑み日記・トイレの紙 [買い物]

ウーム、穴が大きい、ような気がするなあ・・

ただ今スーパーのトイレットペーパー売り場で、どの商品をカゴにとるか頭をひねっているところです。

当然、安いものの中から選ぶわけですが、パックになっているロールの数が多いからといって格安とは必ずしも言い切れない気がするんです。

芯の直径が、心なしか大きい気が、しないでもない。

かといって、巷(ちまた)にそれと名の知れたメーカーのなら芯が細くて巻きがより多いかというと、そうとも言えない。

さてどれが一番トクか。

トイレは究極のプライベート空間なので、実は自分が意識している以上にこだわりをもってトイレットペーパーを選んでいるものであーる、という説を、どこかで読んだことがありますが。

ウン、そう言われてみるとワタシなど意識せずいつも二枚重ねのを買ってるナ・・

・・と、言うそばからあれですが、一枚のだって買ってました。一個にロール二個分の分量があっておトク、という、全体がみっしり厚くなっているやつです。ただこれ、薄くゴワゴワするので、一回に巻き取って使う分量が多くなるのは否めません。

みなさんは、おむつがとれたときからトイレットペーパーでしたか。うちはいわゆるぽったんトイレだったので、人生最初は灰色の落とし紙(ちり紙)でした。

これを、幼な子の手では使いづらかろうと、同居の祖父が初孫(ワタシです)のために二枚重ねを四つ折りにせっせとたたみ、置いておいてくれたものでした。

今日、日本国内ではもう、落とし紙のちり紙は、ほとんど生産されていないそうです。

1973年のオイルショックのときトイレットペーパーの買い占め騒動が起きましたが、つまりはそれだけ水洗トイレがもう普及していた、というわけですね。うちもちょうどその前年に水洗の洋式になりました。

フランスもまた、新聞紙の時代を経て1960年ころに、いよいよトイレットペーパーが登場。

ただしロールではなく、ティッシュの三分の一くらいの大きさの四角いちり紙を積み重ねたもので、今もお宅によってはトイレに専用の詰め替えボックスを見かけます。

この紙は今も普通に売られているんですヨ。

とはいえ店頭に並んでいる種類の少なさからしても、ロールタイプに駆逐されているのは確か。記憶をたどるに、1980年代後半ごろは売り場を二分するほどでしたが。

つい最近までカフェのトイレなどで普通に使われていた茶色くゴワゴワした一番格下の四角い紙は、日本のちり紙同様絶滅したもようです。

今、目の前の棚にある四角いタイプはピンク色の一種類のみで、ロールより格段に安いです。おトクといったらこれが一番おトクですが、ワタシこれ、イヤなんですよねえ・・

引き抜いた一枚が短くて、なんだかイライラする。トイレの紙ぐらい、好きな長さで用を足したい。

けっきょく、一番分量が多い(ような気がする)のをこれと見込んで、カゴにとりました。


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うひゃ、もう来年のカレンダーが出てる。

前菜は、胡麻油と乾燥エシャロットをふった赤カブサラダ
主菜は、たらのそぎ身フライ、グリンピースとニンジンと根セロリの炊き合わせ


立ち呑み日記・茶番劇と贈り物 [買い物]

ただ今ユダヤ人のいる家庭は、過ぎ越しの祭り期間。

出エジプトをしのぶ行事で、子どもはプレゼントをもらえます。とはいえ、クリスマスや同時期のユダヤ教の行事ハヌカのように無条件で、と、いうわけでは、ありません。

会食の一連のお祈りのなかで、一家の長が供物を一時的に隠す箇所があるんですが、それをしのび足で追跡して別の場所に移しかえ、
「プレゼントくれなかったら返してあげない」
と、交渉する、茶番劇の末。

「プレゼントあげるから返してちょうだい」
と、一家の長が小さな子どもにシャッポぬぐ、とまあ、そういうシナリオです。

こういう茶番劇の風習って、日本にもあるんでしょうか。

以前、上海に結婚式に招かれた折にも、新婦の家へ新郎が迎えに行く、という状況で、やはり茶番劇がありました。

新婦の家の前で、親戚縁者の子どもらが集まってとおせんぼする。

「入れて」「だめ」のやりとりの後、新郎は子どもらにお小遣いを渡し、ようやく入れてもらえる、という流れです。

まだるっこしいことなしに、あらかじめ人数分のお小遣いを新婦家に渡しておき万事すみやかに次へ、とは、ならないもよう。

過ぎ越しの祭りの会食は二夜あるんですが、毎年第一夜にお招きくださるお宅でも、中学生の孫が茶番劇を繰り返しました。

やはりこれがないと、「感じ」が、でない。

うちのワルガキも毎年それを目の当たりにしてますから、うちでの第二夜、茶番劇は省略しても、プレゼントの交渉は怠りません。

二匹が欲しいのはあいもかわらず、パソコンやテレビで遊ぶゲームです。

「みとめましょう」
と、善は急げとばかり買いに行くことになりました。

パリ市庁舎正面にある、BHVという東急ハンズのようなデパートなら若者客も多いだろうし、と、あたりをつけて行きます。

BHVは、以前はインテリアと日曜大工に的を絞ったデパートでしたが、2000年のフランスのベビーブームのころからおもちゃ売り場が充実した、ファミリー向けになってきました。

そこで勇躍おもちゃ売り場を目指したんですが、
「ビデオゲームは完全撤退しました」

なぜッ、と、店員さんに食い下がるも、ないものはない。ブーブー言う二匹連れてBHVを出ましたが、はてあのテのゲームは、どこで買えるんだか・・

・・と、立ち止ったところで、あらまあ、向こうからやって来たのは、二匹と同じ日本語学校に通う中学生のユーゴくん。

「『ミクロマニア』かなあ」
と、ユーゴくんは横にいる友人とぼそぼそやり、道順を日本語でくわしくおしえてくれました。

「こっちが『みぎ』、でいいんだっけ」
と、左手上げたのはご愛嬌でしたが、説明通り、サン・ドニ通りという立ちんぼ娼婦で有名な道をぬけてみごとたどりつき、念願のゲームが買えました。

「走って帰りたい」
と、浮足立つ二匹をいなし、サン・ドニ通りを戻りましたが、本日娼婦は見当たらないようでした。


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イスの修繕屋さん。うちも修繕が必要なのがあるんですが、高いんでしょうか・・

前菜は、ラディッシュ、バターと塩で
主菜は、鯖(さば)の塩焼き、インゲン塩茹で、根野菜入り炊き込みご飯

立ち呑み日記・祝祭の前と後 [買い物]

過ぎ越しの祭りという、ユダヤ伝統行事に向け、食べ物をあれこれ買ってきました。(昨日の立ち呑み日記をご高覧ください)

「どれどれ」
と、家に着くやいなや、ユダヤ人のオトーサン(ワタシのオットです)はすぐさま、包みに手をかけるんですね。

「ペッサー」は、ユダヤの民が出エジプトにより砂漠を40年にわたりさまようことになる日々をしのぶ行事。エジプトからの早急の出立で、たった今こねていたパンだねに酵母を折りこむ暇もなくそのまま携帯して旅立った、という伝説から、一週間続く祭りの期間、酵母断ちをすることになっています。

すなわち、パンのかわりに酵母の入らない塩無しクラッカーを、また、ケーキ―やクッキーもそのような製法で焼いたもののみを、食べる。

塩無しクラッカーは無塩バターをたっぷりぬって塩をパラッとやると、なかなかおいしいです。ケーキやクッキーも、濃厚なコクとは対極の、素朴ないい味がします。

「ペッサー」がまだ始まってもいないのに塩無しクラッカーを、周囲にカケラ散らしてさっそくバリバリやっているのを見ていたら、(わかるなあ)と、しみじみしちゃいました。

お正月の準備にてんてこ舞いの大晦日ないしはその前日が、まさにそうだった。オカーサンの陣頭指揮で、おせちを準備する、そのときです。

紅白のかまぼこを、伊達巻きを、玉子焼きを、包丁入れてお重に詰めていくわけですが、飾り入れられない「はしっこ」が、でる。

ここがことさらにおいしかったもンです。元旦に正式にお重を開けるのより、何倍も、なん百倍も、おいしかった。

お餅もまたそうでした。

「もちっこ」といったか、蒸し米から餅が搗(つ)ける家電が日がな一日ブンブン音をたて、オカーサン(ワタシのオカーサンです)が気ぜわしく、新年の準備にかかっている。

仕事納めをしたオトーサンが仏壇の掃除などに精を出し、そろってお昼、ということで、今搗いたばかりのお餅が食卓にのぼります。

湯気のたつやわやわしたところへ大根おろしをたっぷりのせてカツブシをおどらせ、醤油をかけまわして食べるんですが、このときのお餅が、一年で一番おいしい。

お正月っていいなあ、と、思う瞬間です。

ところが年が改まり三が日にお雑煮を祝ううちに、お餅なんてもう見るのもイヤ、と、思うようになってくる。

今は真空パックもありますし、年末に準備したお餅をなんとしても食べ切らねば、と、やっきになることもないでしょうが、昭和のひところまでは、三が日が過ぎても残りがはけるまで、たくさんお餅を食べたものです。

『サザエさん』にも、そういう光景が、ありました。

「お昼にしましょう」と、サザエさんが焼き網と笊(ざる)に盛った餅を持って来ると、カツオがけいれんし(たふりし)て倒れ、
「パンにするとサッとなおるのよねえ・・」

おせち料理の残りはお弁当に入れられ、市販品はモロモロの保存剤が入っている都合上傷むこともなく、2月に入ってもお弁当のフタを開けると黒豆が入ってたりして、閉口したものです。


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橋の上からパチリ。

前菜は、つみれ入りスープ、
主菜は、仔羊腿肉ソテー、インゲン塩茹で

立ち呑み日記・お買いもの [買い物]

過ぎ越しの祭りというユダヤ教の伝統行事の食べ物などを買い出しに行きました。

この行事は出エジプトをしのんでこの月曜日の日没から一週間続き、初日と二日目の夜にお供え物をしてお祈りの会食をし祖先の苦難をなぞります。

お供え物は、西洋わさび、塩水、苦い葉(パセリなど)、デーツの実などを練り込んだ羊羹風などなど。

塩水は涙、西洋わさびや苦い葉は辛味に涙を流すことで祖先のつらさをしのび、羊羹風はセメントに見立てて、エジプトでピラミッド建設にかりだされた奴隷時代の辛い仕事を思い描く、というように、それぞれに意味があります。

「来年はエルサレムで祝いましょう」/
と、お祈りの会食はしめくくられます。

本場イスラエルでは二日目のお祈りは行われず、「来年は・・」の合言葉も、言い合わないそうです。イスラエルに、もう来ちゃってますからね。

さて、ユダヤの民にとってかくも大切な行事なんですが、我が家は立ち上がりが著しく遅かった。翌日月曜の日没からはじまるというのに、おみこしがあがったのは、日曜の夕方。大晦日の夕方も遅くなってやっとお節料理を買いに走るようなものです。

だらしないッ、と、叱らば叱れ。

「そんなんでいいの?」
と、じっさいワタシも、ユダヤ人のオトーサン(ワタシのオットです)のお尻をたたきました。

なんの準備もできていなくてさみしい思いをするのは日本人のワタシでなく、ユダヤ人のオットのほうですからね。

「いいわけがない」
と、言葉は威勢良くものんべんだらりと日曜の大半を過ごし、ようやくの出撃となったわけです。

それがまあ、ユダヤ人街に行ってみると、たいへんな人、たいへんな行列。準備できてないのは、うちだけじゃなかった。

(なんでみんなもっと早くに準備しないのかしらねえ)
と、いまいましく、長―い列の最後尾につきます。

郊外にはユダヤ食材専門の大型スーパーもあるようですが、われわれが繰り出したユダヤ人街は、個人商店が主です。

こういう店では、なにを何グラム、かにを何個、と、べんべんと会話しながら買いものする。この点ユダヤ人であろうとアラブ人であろうと、背後に尻尾が長く伸びようがおかまいなしです。

「まったくひどい混みようだわ」
と、背後についたマダムが嘆きました。

マダムは、木曜日にがらがらの店で早々と買いものをすませたものを
「簡単に買えるからいいのいいの」
と、ロンドンに旅立つという隣人に、気前よく全部プレゼントしちゃったのだそう。

そして直前になって買い直しに来てみれば、このありさま。

でもまあ行列は着々とすすみ、いよいよ番がまわってきました。

過ぎ越しの祭期間は、パンではなく無酵母の塩無しクラッカーを食べることになっているので、とにもかくにも大箱を二つ。

ユダヤ人のオトーサン(ワタシのオットです)はにわかにいきおいがつき、チーズケーキだの牛肉ソーセージだの、七面鳥のハムだの、行事とは特に関係ないものまで、ごっそり買いました。


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朝市に刃物とぎが出ていました。

前菜は、ゆで卵と塩水、レバーペースト、鯉(こい)のつみれ
主菜は、仔牛ロースト、インゲン塩茹で

立ち呑み日記・電熱器 [買い物]

ガス台、と、いいますか、うちはガスが来てないので電気ですが、「火」の調理台にガタがきて、このたび換えることになりました。

うちのは、55センチ四方のセラミック板の下にはめ込まれた丸い電熱器が、4つ。そのうちひとつはハロゲンで、他より電力を食う強力な火力によりガス火のごとくカッと熱くなる、とのふれこみでした。

電気の電熱器は、じわーと熱くなりますからね。

これを買った20世紀末、フランスの家電売り場では、「ウォック」という、強火でさっと炒められる電気中華鍋が花形でしたから、その流れで設営されたのだと思います。

しかしまあ結局、カッもじわーも、そう大した違いはありません。

それがある日、不意にふっつり、手前の二つがつかなくなった。

以前量販店の方におしえていただいたところによると、家電の平均寿命は5年だそうです。もって7,8年。そこいくとこの電熱器はかれこれ15年弱、次世代に座を明け渡しても悔いはありますまい。

そこで先日掃除機を買ったついでに(2013年3月20日の立ち呑み日記をご高覧ください)、
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1896392195&owner_id=21996019
調理電熱器売り場に足を向けたんです。

欲しいのは、今使っているのと同じ、火が4つで温度調節がデジタルでなくダイヤル式のもの。ダイヤルはたっとまわすだけですが、デジタルだととんとんやたら叩かないとなりませんからね。

幸い、同じメーカーの同じタイプがありました。
「これですこれ! これくださーい!」

配達設営の日も決まり、今朝は早くから浮足立って待ちました。

ぴかぴかの新しい電熱台にはハロゲンはもうないようでした。流行が落ち着いてみると、電力を食ってまでしてカッと熱くする必要はあまりないと判ったんじゃ、ないでしょうか。

日本のガス台も、そういう使い方の変化があるんだそうです。

日本の調理台といえば、ガス火の下に魚焼きグリル、と、相場が決まってます。この、魚焼きグリルを使わない人が増えているんだそうですってネ。ことに若い世代は、嫌う傾向にあるそうです。

なんとなれば、ニオイがこもり、油ギトギトで掃除がたいへだし、手にそのギトギト油がつく。

魚は、くっつかないアルミシートというのをスーパーで買って、フライパンで焼くのが常となっているそう。このアルミシート、ワタシもこの間の一時帰国で瞠目したんですが、スグレモノなんですヨ。

きれいな焼き色のついた焼き魚がカンタンにでき、焼いたらポイ、洗う手間もかかりません。ワタシもパリに何本か買って持ってきたくらいです。

あと、日本の調理台で、「火」が三つのって、よくありますよね。手前に二つ、奥に、それより小さいのが一つ。

この、奥の小さいのを、「使わない」というひとも多いのだそうです。なんとなれば、狭くてフライパンや鍋が置けない。火力が弱くて思うような調理ができない。等々。

これからの日本の「火」は、このあたりがかわっていくのでありましょうか。


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カラスが睥睨(へいげい)してました。

前菜は、トマトサラダ、薄切り大根、昆布巻き
主菜は、鴨抱き身と仔牛挽き肉と季節の果物の詰め物グリル、深川めし(あさり入り炊き込み)

立ち呑み日記・新しい掃除機 [買い物]

荷をほどいたスーツケースをソファの背後に片付けようとして目についた、綿ぼこりへ掃除機をかけ始めました。

すると掃除機が、うんともすんとも言わなくなった。正確には、うんともすんとも音はたてるんですが、吸引している気配がまるでない。

「新しい掃除機、買って来よおーっと」
と、時差ぼけのハイテンションで元気よく立ち上がりました。

今のこの掃除機はもう何年になるのか、オットが見込んで買ったものです。音がうるさくない、この点に注目したもよう。

が、時がたつうちにさまざまなガタがきて、だましだましでないと使えなくなった。ホースには穴が開き、ガムテープでぐるぐるです。

この時点で買い換えてしかるべきとつねづね思っていましたが、フランス人は頑固ですね。

「掃除機としてはちゃんと使える」
と、オットは言い張る。

しかし、いよいよ時熟しました。

ダイソンだ、ルンバだと、人気製品の名をよく耳にしますが、ワタシもまたそれらを手にとって吟味するときが、ついにやってきました。

とにもかくにもと家電量販店にかけこみへええと思ったんですが、掃除機って、紙パックありとなしとで、分けるんですネ。ダイソンに代表される、サイクロン方式という遠心力で埃を集めるタイプは、なし。

でもそれって、どうなんでしょうか。

日本の実家はまさにこのタイプですが、たまったほこりをかき出すのは、なまなかでなかったです。ゴミ袋のなかで本体を分解するも、モウモウと立ちあがるホコリたるや、息ができないほど。

庭やベランダがあるお宅ならあれですが、うちみたいな狭いアパートであれだけホコリが舞うとなると、掃除機はむしろかけないほうがいいくらいです。

「性格占いみたいなもんですよ」
と、店員さんがおしえてくれましたが、サイクロン式を好むのはおもに、フィルター掃除などいとわず積極的に家事に取り組み、スローライフに関心があるタイプ、だそう。

片や紙パック派は、掃除は簡便に済ませたいタイプ。

サイクロン式のほうが、同クラスの紙パック式より価格が高めだそうです。

日本ならサイクロン式を好むタイプはおそらく、朝の味噌汁の出汁(だし)もかつおぶしを丁寧にかくところから。紙パック派は、顆粒だしのもとでちゃちゃっとやる。

ワタシとて、かつおぶしシャッシャッにアコガレないこともないんですが、背伸びはしますまい。紙パック式のなかから選ぶことにします。

「70デシベル以下の、静かなのにして」
と、大音量を苦手とするオットにたのまれましたが、値段や特長を記した札をよく見ると、あらほんとだ、騒音のありなしが、Db(デシベル)で書かれている。

四捨五入して70と80に分けられ、70前後のものが、静かさを謳っています。

これらを総合し、かつ軽さもかんがみ、ただ今特売という、ミーレというメーカーのに決めました。


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時差ぼけのハイテンションで歩く朝。

前菜は、トマトサラダ
主菜は、鯖(さば)塩焼き、深川めし(あさり佃煮の炊き込みご飯)、いんげん塩茹で

立ち呑み日記・プリペイド [買い物]

携帯電話のプリペイドカードを買いに行きました。

日本滞在中の携帯電話ですが、プリペイドカード式は支払った分が1か月間有効で、その後はお金を払わなくとも1年間は番号を保持できます。

そこで滞在のたびにプリペイドカードを買う。

外国生活者にとって、日本用携帯電話のもっとも安上がりな方法、と、やはり外国生活が長い旧友からおしえてもらったんです。

ただし、一回の通話料は高く、いい気になって長話してると、あっという間になくなっちゃう。とはいえメールは300円でつなげ放題なので、このあたりをあんばいしながら携帯を使います。

日本でプリペイド式携帯が売り出されたのは1997年で、当初は各社競って出していたものの犯罪に使われることもしばしばあり、今ではソフトバンク一社のみだそうです。

で、ソフトバンクを目指します。

支店は主だった駅に必ずといっていいほどあり、きょろきょろしてみると、すぐさま見つかりました。毎回そうですが、店内では待っている人が何人もいる。

あれだけ支店がどこにでもあっても、多すぎる、ということがないんですネ。

店員さんが近づいてきて、ただ今からですと30分ほどお待たせすることになります、と、とても心苦しそうにおしえてくださいました。

順番を登録するのに名前を訊かれ、
「他の用をどうぞおすませになってきてください」
とのことで、そのように買いものをすませ、戻りました。

戻ってみると、別の店員さんが采配を振るっていて、あいかわらず根を生やしたように待っている人が何人もおり、ワタシの背後からは大学生らしき一団が、わやわやとやって来ました。

お若い方々といったらとっくの昔に携帯やらスマホやらをそろえ、月極め払いなどの契約も済み、こういう支店にはもう用済みかと思いきや、そういうわけでもないんですネ。

「オレこのまま寝ないでバイト行くことになりそう」
と、ワタシのすぐ背後についた青年が、横にいる別の青年につぶやいているのが聞こえてきました。

つい振り向いてみると、徹夜したと言う割には目がショボショボというわけでも、不精髭ボツボツというわけでもなく、お目々キラキラお肌ツヤツヤ。

こちらのオカーサン(ワタシです)も、昨日は飛行機で徹夜同然でしたが、一夜明けた時差ボケの今朝は、お目々の下クマクマお肌ボロボロです。

若いって、スゴイ。

「その前に今から『王将』行くやろ?」
と、もう一人の青年。

関西弁ということは、親元離れて東京で下宿生活なんでしょうか。

『王将』で、定食でも食べるのかナ。
ゴハン大盛りかナ・・

・・と、考える間もなく、
「ヤマグチさん、プリペイドカードでございますね」
と、見知らぬ店員さんに声をかけられて、びっくりしました。

30分後にオバサンが戻ってくる、と、店員さんの間で伝達が行き届いていたもよう。

すぐさま番号をプリントアウトしたものが手渡され、これを音声ガイダンスに従って打ち込み、最後に♯を押すと、携帯電話はつつがなくまた開通しました。


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春は目前と実感。

前菜は、燻製豆腐
主菜は、豚肉ソテー、有機野菜ソテー、五分づき玄米

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