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立ち呑み日記・期待過大 [おつまみ]

食通の親戚が晩ごはんに来ることになったので、後生大事と戸棚であたためてきた高級缶詰のマグロのトロ缶を、
「開けちゃいましょう」
ということになりました。

このトロ缶、もとはと言えば食通の親戚の手土産です。ただ、持ってきたその日は食べるものが十二分にあって、何も缶詰を開けなくてもという状況でした。

缶詰って、ワタシらがこどものころはアスパラガスだのソーセージだのカニ缶だの、ご馳走の気分大いに盛り上がったものですが、最近はそうでもないと思いません?

今、うちでツナ缶とオイルサーディンは台所に常備していますが、ご馳走気分はまるで盛り上がらず、いつもの前菜のトマトサラダのつけたしの位置に甘んじています。

カニ缶は、フレーク状の徳用品がスーパーで格安で手に入ります。

アボガトとグレープフルーツをひと口大に切ったものと和えてサラダにすると美味しいんですが、カニ缶は目の玉とび出る値段の高級品なんかよりフレークのほうが混ぜるのに便利なほどです。

さて、トロ缶、マグロないしはカツオの腹側すなわちトロの部位だけオイル漬けにしたもので、缶はむき出しではなく、ご丁寧にも写真つきの立派な化粧箱に入っています。

スペイン産で、食通の親戚は、イペリコなどスペイン発高級生ハム専門店の棚で「目が合い」、お財布を開いたそう。

スペインってホラ、タパス文化で、おつまみ用缶詰が発達してるんですネ。トロ缶があるバールといったらやはり高級志向ではないでしょうか。

なにしろ寿司なら一貫いくらになるのかトロ100パーセント、いやがおうでも期待高まります。

お口でさぞとろけるンだろうなあ・・
と、紙箱から缶を取り出す時点でもうツバがわいてきて、それだけで食前酒がクイッといけたくらい。本日の食前酒は食通お持たせのシャンパン(当然上等品)、キリッとよく冷えています。

オイルサーディン風長方形缶のプルリングをパカッとやって、メリメリメリ・・と、力を込めてひっぱがします。

オイルがたぷたぷして手が滑り気味なれど、うっかり手を切ると一大事なのでここは気を抜かず細心の注意をもって、メリメリメリ・・

缶のまま食卓に出していいか迷いましたが、結局、適当な器にオイルごと開けました。

トロは、ソーセージを縦に割ったような細長い身でした。腹身を一枚ずつそいだんですね。デワデワ、この上ない期待とともに、イタダキマース・・・

・・・ウーム・・・

しょっぱくて、確かに食前酒はすすみます。が、トロ特有のまったり感はまるでなく、むしろパサッとした鶏のささ身に似た弾力ある歯ごたえ・・

・・マ、確かに、「マグロの腹側の身のみ使用」というのをトロとこう拡大解釈へもっていったワタシにも難があった。

大間マグロほどのスゴいトロを思い描いちゃったのが間違い。

意外にも食通の親戚は平然とつまんでいます。
「缶詰は缶詰なりのうまさでしょうが」
とのこと。

要は、期待し過ぎちゃうのがダメなんだと思います。

このテの期待過大って、加工食品の
トリュフ入りナントカ、日本なら
伊勢海老風味カントカ
というのにも通じるといます。


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窓からパチリ。今宵は暑からず寒からず、明日朝のことを考えなくていいならワタシだって夜遊びに繰り出したいくらいです(若さでなんとでもなった時代は今は昔・・)

前菜は、トマトサラダ、スイートコーン
主菜は、ビフテキ、じゃがいもにニンニク風味ソテー、いんげん塩茹で、グリーンサラダ


立ち呑み日記・柿の種 [おつまみ]

「ノド渇いた―ッ」
と、日本語塾が終わるなり、12歳のムスメ。「授業で柿の種食べたから」

なんでも前回の授業でテキストに柿の種のことが出てきて、クラスメイト総勢5名の誰ひとり知っているひとがいなかったので、先生が実物を持って来てくださったのだそうです。

どの生徒も日仏家族の子どもで、家で柿の種を見たことがないわけないんですが。ハハーン、と、こちらの日本人のオカーサン(ワタシです)はナットクするわけですヨ。

どのご家庭もおそらくうちと同じだナ。

すなわち、子どもの口には辛いし、パリではなかなか貴重品だし、食前酒のおつまみなんかに出すとき子どもらには消極的な姿勢を貫く。

「ホラ柿の、種の形してるでしょ?」
と、ちゃんと説明すれぱ日本文化の教育になるんでしょうけど、ポップコーン同様ぱくっと口に入れて
「からーい」
とペッペッされた日にはもったいないですからね。

そこで大人だけで賞味するにとどめる。

「ちょっとピリッとしますよ」
と、先生は食前酒に夢中になっている親になり代わって説明してくださり、生徒たちはピリッの挑戦大会になったのだそうな。

まずひと粒食べてピリッの度合をおしはかり、何粒か前もって申告の上、ぱくっといく。

ムスメは6粒に挑戦し、対抗してエマちゃんという子は9粒やり、「おいしい、けど辛い」と、ザリザリ噛みながら涙目になったそうです・・・

・・・と、いうハナシを帰りの地下鉄で聞いていたら矢も楯もたまらず柿の種が食べたくなってきました。

幸い土曜日の夕暮れ時。アジア食材店の閉店時間にギリギリ間に合います。

柿の種といったらピーナツとの配分はどうするかなど、これまでにもさまざまに議論がなされてきたことと思います。

今日では柿ピーどころか、チョココーティングしたのや、チーズや明太子風味など、いろいろな柿の種があるんですってネ。

さて、地下鉄を下りると目の色変えてアジア食材店へ潜入していきます・・

お目当ての柿の種の隣りに、ワサビ豆の大袋があることに気づきました。

これ、不思議なんですよねえ・・。テイクアウトスシ店なんかでも和食に不可欠とでもいうごとくカウンターに置いてあったりするんですが、日本でそんなに一般的でしたっけ?・・・

・・と思って調べてみたら、ワサビ豆はタイにもたらされて人気を博し、今ではタイ製がフランスにごっそり輸出されているようです。

スシ、ヤキトリ、最近では枝豆など海外進出はなはだしい日本の食べ物、柿の種もうかうかしていると外国製にお株を奪われるやもしれず、がんばっていただきたいところです。

さて、家に帰りつくのももどかしく、デワデワと袋を開け、手のひらに柿ピー(ピーナツ入りでした)少々とりガブッといったんですが、棚に長いこと陳列されていた代物らしく全編にわたってピーナツのアブラがかえっていて、こうばしくてすごおく美味しいとは必ずしも言えなかった(涙)

柿の種をくだいて揚げ物のコロモに入れるとカリッとした歯触りにピリっと辛味も利いて美味しいんですってネ。これ一度やってみたいです。


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夕方5時半にはもうとっぷりです。

前菜は、胡麻油と乾燥エシャロットをふった赤ガブサラダ
主菜は、七面鳥腿肉ロースト、じゃがいもロースト、モロッコいんげん塩茹で

立ち呑み日記・べったら漬け [おつまみ]

「オカーサン、オナラした?」
と、冷蔵庫を開けたところで、9歳のムスコ。

「しません」
「でもオナラのニオイがするー」

「おいしいニオーイ・・」
と、そこへやって来た11歳のムスメ。「・・かと思ったけど誰かオナラした?」

確かにオナラのニオイ、では、あります。

いえね、冬休みに一時帰国した実家から、べったら漬けをもらって来たんです。もらって来た、と、いいますか、気がついたら荷物のなかにつっこまれていた。

ビニールに何重にも包まれていましたが、ド・ゴール空港に到着して荷物がターンテーブルを回っているときに、遠方からいよいようちのスーツケースがやって来るというのが、フカリと漂ってくるニオイでわかったほどでした。

到来物の、由緒正しい、たいへんに味のよろしいべったら漬けなんですが、としより二人の生活で大根三本分も四本分も食べ切れるものではありません。

そこで外国へ嫁したムスメ(ワタシです)へと譲渡がなされたわけですが、こちらとて果たしてこれ全部食べ切れるのか。

うちのフランス軍勢は、まるっきりたよりになりません。

オトーサン(ワタシのオットです)はしょっぱいものが大のニガテなので、温飯(ぬくめし)につけものという日本人にとっての黄金の組み合わせはあり得ません。チーズにパンならお手のものですが、それとてカマンベールなど塩気の勝ったものは敬遠です。

ワルガキ二匹もまた、和の食べ物の好みにむらがある。

お刺身、納豆、とろろこんぶ、ざるそばなんぞは目の色かえておかわりするほどなのに、かまぼこ、お餅、お豆腐、つくだ煮あたりとなると、「うげー」。

納豆がダイジョブならなんだってダイジョブじゃないの、と、日本人のオカーサン(ワタシです)は思うんですが。

そもそも納豆はイイのになぜ豆腐がダメなのか。

「味がないところがダメ」
と、「しっしっ」の手つきしながら言うムスメ。

つけものもまた、「しっしっ」(食わず嫌いだと思うナ)

でもたいていのフランス人はつけものに楊枝をさして食前酒のつまみに出すと、「おいしい」「おいしい」と、あんがいよろこんでつまんでくれます。

つけものもチーズも発酵食品ですから、共通の風味があるんですヨ。たとえばサン・メルスランというクリーミーな牛乳の生チーズは白菜のおしんこの香りと味にソックリ。

べったら漬けとて楊枝さして食前酒に供すればあっという間にはける、ような気は、する。ただ近日中にお客様をお呼びする予定はないんですよねえ・・

べったら漬け、子どものころは大好きでした。

「ふつうのつけものより厚く切るものだよ」
と、ワタシが4歳まで生きていた祖母が、東北出身の嫁(ワタシのオカーサンです)に鬼の首をとったように命じていたものでした。

厚いひときれが口の中いっぱいになる感じがまたよかった。

が、酒のみの祖父などは
「甘いものはかんべん」
などと言って遠ざけていたものでした。

こういうものは、ひときれかふた切れ食べるからこそおいしいんですよねえ・・(と、冷蔵庫の大根三本分をうらめしく見る)


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夕刻パンを買いに出てパチリ。

前菜は、赤カブサラダ、べったら漬け
主菜は、牛ステーキ(ランプ肉の芯の部位)、ブロッコリーとニンジン塩茹で、じゃがいもピューレ




立ち呑み日記・カレーパン [おつまみ]

夕刻、パン屋の前を通ったら、ちょうど揚げあがったカレーパンが箱でしずしずと運ばれてきたところでした。

ハーメルンの笛吹き男に導かれる子ども、あるいは磁石に引きつけられるパチンコ玉のごとく、ついふらふらとその箱に続いてお店に入りまいたね。
「くださーい」

家に帰り着くとすぐさま、老母が夕餉のしたくをととのえつつあるテーブルにしかと置きます。

「お皿のものをまずちゃんと食べたひとだけッ」
と、においをかぎつけてやってきたワルガキ二匹に鹿爪らしくやりましたが、その実こちらはつめたいビールのつまみにしようという魂胆です。

しかしまあ、大人ばっかりがたのしむのもあれですから、紡錘形にガブッといくのではなく、ナイフで小分けにして少しずつみんなでつまむことにします。

こういう調理パンは出来立てのアツアツより冷めて味がちゃんとしみこんだほうがよりおいしいと言いますが。

ひと口大に切った一片をポイッと口中に投入すると、揚げたパンがふっかりもっちりして、油とカレーの混じりあった香りのヨロシイこと。

カレーの甘辛さがまたいいんですね。カレーパンのカレーは、激辛より甘口のほうが断然合います・・・と、言い切ろうとしたんですが、激辛カレーパン、というのも存在し、ファンは多いらしいです。

ひと口大はノドにグイグイ引っぱられてすぐさま雲散霧消してしまったので、すかさずもう一片。あらまあ大当たり、ゆで卵がひときれ入ってる。

カレーパンには卵が入っている場合が多い、などということは、ずいぶん久しく食べてなかったのですっかり忘れてました。

固ゆでの黄身と白身が口中でカレーと混じりあい、ひとつのカレーパンでさっきとは違うコクがたのしめます。

カレーパンの卵って、いろいろなんだそうですヨ。店によっては固ゆでではなく、半熟卵がとろーり、だそうです。

1934年創業でカレーパンの元祖を名乗る「デンマークベーカリー」では、現在ではうずらの卵が丸々一個入っているそうです。

油とカレーとゆで卵が渾然一体となったところをつめたいビール(正確にはビール風発泡酒)で洗い流し、さらにもう一片・・

・・とこう、たちまちに一個分ぺろっと食べちゃったんですが、噛みながら(そういえば)と、思い出しました。ピロシキ、って、そういえばあったナ。

カレーパンとよく似た揚げパンで、具がカレー味でないのが、ピロシキ。給食にもよく出て、昭和40年代から50年代にはわりにどこでも山をなして売ってました。

しかしその後、本家ロシアでは揚げず生地に具を詰めてオーブンで焼く、ということがつとに知られるようになり、デパ地下グルメでも、揚げたのの山売りはあんまり見かけなくなりました。

「昭和の」ピロシキなつかしいナ、と、遠い目をしてビールをごくり、二つ目相当のカレーパンの一片にまたしても手が出ました。


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以前からあるお家を見つけるとなんだかホッとするんですよねえ・・

前菜は、三つ葉と薄切り豚肉のサラダ、焼き茄子
主菜は、スパゲッティートマトソース、ウインナーソーセージ

立ち呑み日記・三種の神器 [おつまみ]

スーパーのスナック菓子のコーナーで足をとめて、つらつら考えた。おつまみの乾きもので三種の神器を選ぶとしたら、どれとどれとどれになるかナ。

スナック菓子は「菓子」というくらいで、日本のスーパーではお菓子コーナーに並んでいますが、フランスでは、おつまみのコーナーにあります。これって日本や、それにアメリカのスナック菓子の有り様と、少しく違うのではありますまいか。

おやつ、ではないんです。

おやつは日本ではお三時、フランスでは四時ですが、スナック菓子は、時間で言うなら午後7時半、食前酒のおとも。

「ごはんまえになんですッ」
と、ワタシなど、サッポロポテトバーベキュー味の袋を抱えてその時間にバリバリやろうものなら、オカーサン(ワタシのオカーサンです)から叱られたもンですが。

フランスの子どももスナック菓子ならやめられないとまらないですが、ことにお客様のある宵は、晩ごはん前に食べていいことになっています。

大人はしょっぱいスナック菓子でのどを渇かさせ、すきっ腹に食前酒をすすませようという魂胆。スナック菓子の塩気でさらにもっとお腹をすかせる、とでもいいますか。

おつまみのボールを抱えて
「いかが?」
と、大人たちの間をぬってすすめてまわるのは、子どもの役割です。

社交の練習とばかり、親もそれを奨励するんですヨ。

そうやって、ブロンドの巻き毛のかわいらしいマリー・シャンタルちゃんが、あるいはつややかなおかっぱ髪のハルカちゃんが、「いかが?」と、おつまみのボールを差し出してくれたとします。

みなさんならどういうおつまみだと一番うれしでしょう・・

・・とこう考えていたら気が付きましたが、差し出されたのが柿ピーやさきイカやチーカマやミミガーだったりすると、
「子どもがそんなことしなくていいから向こう行って遊んでなさい」
テナ気持ちに、不思議となって来ませんか。

ポテトチップスやらひと口クラッカーやらだと
「あらどうもありがとう、お利口さんね」
と、なるのに、これはいったいどうしたことか。

社交といえば、65歳になる友人のフランソワーズが幼少期の1950年代、ブルジョワ家庭である彼女の家で晩餐会が開かれると、
「たばこ、点けてちょうだい」
という、マダム然としたオカーサン(フランソワーズのオカーサンです)の命をうけ、銀器の煙草盆から一本取って、幼いフランソワーズが口にくわえて火をつけてから渡したものだそうで、これまた淑女教育の一環だったそうです。

今じゃそんなこと考えられません。

さてさて、マリー・シャンタルちゃんもハルカちゃんも幼いフランソワーズにも退場していただき、そろそろ真剣に考え始めようではありませんか。乾きものの三種の神器とはなにか。

塩ピーナツ、ピスタチオ、それにポテトチップスが、万人向けの三種ではないでしようか。ワタシ的には、ポテトチップならビネガー味を強くのぞむものであります。

それに加え、個人的なところで言わせていただきますと、薄切りサラミとニンニク風味緑のオリーブで、わが三種の神器とさせていただきます。


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年少組のときの先生がこの学年末で定年を迎えられると聞きつけ、10歳のムスメがおっとりがたなで懐かしの幼稚園へ走りこみました。

前菜は、アボカド、レモン
主菜は、七面鳥ささ身のカツ、いんげん塩茹で、塩で炊いた挽き割り麦

立ち呑み日記・ガリッのポテチ [おつまみ]

最近のポテトチップスって、サクッ、と、ガリッ、が、あると思いませんか(前からあったのかナ)。

いえね、こないだユーロスターでロンドンに遊びに行き、帰りに、改札の向かいにあったスーパーで、ポテトチップスを買ったんです。

するとこれが、ガリッ、だった。

味は、せっかくだからぜひとも本場のイギリス風をと塩&ビネガー味、それに酸っぱいのをふるふるいやがるワルガキのために、うす塩味。

「ハンドクックド」「オーガニック」の文字がしゃれたパッケージに躍っています。

マシンクックドの特売品でも別にいいんだけどナ、と、キョロキョロしてみたんですが、あいにくそういった粗野な大袋は見当たりませんでした。

このスーパーは、成城石井みたいな高級食料品店なの、かも、しれません。(あとで袋を見たら『マーク&スペンサー』、でした)

高速新幹線が走り出すのを待って、デワデワと袋を開けて手をつっこみます。オットその前に、イギリスビールもプシッとしました。

万事、本場、本場です。

塩&ビネガー味はフランスのスーパーにもあり、サクッとかじると、駄菓子の酢イカにも似たどぎつい、いかにも人工的な酸味で、食前酒がクイクイすすみます。

で、そのへんを想定して袋に手をつっこんだんですが、意外や意外、油分も少く、酸っぱしょっぱいながらどぎついのと対極の、上品なお味。

袋をよく見ると、海塩&バルサミコ酢。

そしてなにより、ガリッとした噛みごたえがあった。フランスの肉屋で売っている、いいほうのポテトチップスが、こんな歯触りです。

フランス人にとってポテトチップスは主食、とは、言い過ぎでしょうが、じゃがいもは主食級によく食卓にのぼり、じゃがいもからできているポテトチップは食前酒のおつまみだけでなく、肉料理のつけ合わせになることも、あるんです。

学校給食の遠足用弁当などにはサンドイッチと飲み物といっしょにポテトチップスの小袋が、かなッらず、ついてくるほどです。

さて、ガリッ、バリバリガリガリ、と、よーく噛み砕いて嚥下すると、なんだかこう、釈然としない。

おいしいのは確かにおいしい。が、肉料理なしのつけ合わせだけ食べているみたいで、ポテトチップスを「つまんでる」感慨がいまひとつ湧いてこないんです。

そこですぐさま袋に手を戻し、ガリッ、パリバリガリガリ。感慨よ湧けとばかりに、何回も何回も、ガリッ、パリバリガリガリ、と、やりましたね。

すると、見るのもうんざりするくらい、オナカイッパイになった。

普通の、サクッとしたポテトチップのほうが、このへんで打ち止め、と、冷静に判断できる気がするんですが、どんなものなンでしょうネ。


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薬屋に風邪薬の広告。寒くなってきました。

前菜は、クレソンのポタージュ
主菜は、タラの清酒蒸し、アシパルマンチエ(残り肉の細切れとじゃがいもピューレのグラタン)、いんげん塩茹で

立ち呑み日記・恋しや餃子 [おつまみ]

晩ごはん直後にラビオリを茹でながら、ハタと思った。

そういやここのところ、おいしい餃子って、食べてないナ。

晩ごはん直後なのになぜラビオリといいますに、本日、つけあわせ野菜に、やや手をぬいた。缶詰のまぜこぜ野菜を温めたのみ。以上。

するとおなかが釈然とせず、不満つのるまま冷蔵庫を開けたら、お昼用に買ってあったラビオリのパックと、「目が合った」。

説明書き通り、ぐらぐらのお湯で6分です。

味つけはお好みで、というので、オリーブ油をたらたらしたところで、台所にありあわせの乾燥エシャロットとバジリコを、ぱっぱっぱっ。

ラビオリの中身は、チーズ四種、です。

(こんな時間からこんなに食べ始めちゃイカン)
と、うしろめたく思いながらツルリンとノドを通るラビオリの、おいしいこと、あとひくこと。

どんどん手が出て、たちまちにひとパック、たいらげちゃいました。

すると、ひと呼吸おいたのち、オナカイッパイのイッパイになった。ツルリン、ツルリンと口を動かしている最中は満腹に気づかず、いくらでもイケちゃうんですね。

おいしい餃子もまた、そうでありましょう。

みなさん子どものころ、育ち盛りの食欲にまかせて餃子に立ち向かいませんでしたか。オカーサン(みなさんのオカーサンです)もそのあたりを心得て、餃子というとせっせと、誇張でなく百くらい包んでおられたことでしょう。

たれはどうしてましたか。うちは醤油とラー油の半々、でした。

今日、餃子は地域起こしの立役者で、宇都宮、浜松、福島など、それと知られた市が何か所もありますが、地域によっては味噌だれで食べるところも、あるんですってネ。

神奈川県川崎市などがそうで、市民の中華の外食が日本一という統計結果をふまえて餃子で町おこしすることとなり、たれもこのときに開発されたようです。

その新たな秘伝の味はというと、ラー油入り酢味噌だれ、という感じらしいです。

神戸もまた味噌だれが一般的で、こちらは砂糖と豆板醤入りにニンニクがきいた濃厚あまから酢味噌、だそう。

ウーンためしてみたい。が、できますれば別の小皿に、醤油とラー油半々もまた、ゆるしていただきたいです。

三重県津市では、津ぎょうざといって、うんと大ぶりな揚げ餃子が、名物だそう。

もともとは1985年ごろから市内の学校給食の献立にあったもので、配膳しやすいよう、さしわたし15センチぐらいに大きく形成し、焼くのは手間がかかりすぎるため、揚げて供した。

これが大人気で、今では津市のたべもの屋さんが独自に具材を研究して、メニューにのせているそうです・・

・・テナこと食後にしらべていたら、オナカイッパイのイッパイのはずなのに、あろうことか、おなかがグーと鳴りました。


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通りがかりにパチリ。

前菜は、チコリとドライトマトのサラダ、さいの目きゅうりのサラダ
主菜は、ハンバーグステーキ、じゃがいもとブロッコリーのソテー


立ち呑み日記・小腹すかせて [おつまみ]

残り物の鶏肉入りオムレツをバゲットにはさんで早お昼にしながら、つらつら考えた。小腹がすいたとき、ひとは何を食べるのか。

まさに今、小腹がすいてきて、お昼まで待たずにすませちゃおうとしているところです。

小腹、と、いうぐらいですから、お食事に向かう時分どきでは、ない。ではおやつかというと、お菓子よりもうちょっと、お食事に近いものが、食べたい。

ひとくちカレー、なんていうのが、理想的なひと品ではないでしょうか。

白飯を、洋皿にこんもり、と、いうのではなく、萩焼かなにかの、ふちのある、小ぶりな皿に、かるーく。そこへ、バランスよくカレーをかける。

よくしたもので、このくらいミニサイズのレトルトカレーって、世に出回っているんですってネ。お弁当とか、お酒を飲んだ後とかに重宝するようです。

ラーメンもまた、捨てがたい魅力があります。

この場合は、有名店に食べに行くよりはもうちで即席ラーメンのほうが、ヨロシイようです。時間は、いかにも小腹の空きやすい、夜更かししている土曜日の夜九時半。

カチ、カチ、カチ、と、茶の間の柱時計が時を刻み、テレビでは、「Gメン75」がCMに入ったところ(いきなり昭和の光景になりました)。

「なんだか小腹すいてきたな」
「あらやだ、でも言われてみたら、そうね」
と、いうような会話が、オトーサンとオカーサンとで、交わされる。

「ワタシも!」「ボクも!」
と、われわれもまた名乗りを上げます。

じゃ、ラーメンでもつくりましょうか、と、オカーサンは台所へ。晩ごはんはすんでいるわけで、人数分だと多いから二人一袋でいいわね、と、台所で一人ごちているのが、聞こえてきます

出来上がったラーメンは、お昼に食べる時のどんぶりでなく、お椀に一杯ずつです。この、もうもうと湯気を立てているお椀のラーメンが、いつもとは違う特別な食べ物の感じがして、しみじみ、いいんですヨ。どんぶりで一人前食べるのより、どうかすると、おいしいくらいです。

小腹が満たされると、不意に眠くなってくる。

「歯磨きしてらっしゃい」
と、茶の間をおくりだされ、睡魔にモウロウとなりながら口をゆすいで、布団にたおれこむことになります。

このあと、オトーサンとオカーサンは、もうちょっとなにか食べてもいいな、と、サントリーオールドの水割りと、三角に切ったチーズかなにかも、したためたんでしょうか・・

・・テナこと考えながら、サンドイッチをぱくついていると残り物はどんどんはけ、小腹どころか大腹がみたされ、お昼前から食べ過ぎだったな、と、やや反省しました。


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コールタールのシミかと思ったらどなたかの作品でした。

前菜は、アボカド、レモンで
主菜は、サーモンの切り身のオリーブ油焼き、インゲン塩茹で、刻みパセリをふった蒸しじゃがいも

立ち呑み日記・とまらない [おつまみ]

テーブルに出ていた袋入りのピスタチオを、なにげなーくつまんだら、とまらなくなりました。

しょっぱくって、ちょっと酸っぱくって、もンのすごくあとひくお味。食前酒にはまだうんと早い午後だというのに、それどころか、床に散らばったおもちゃを片付けようとした矢先だったのに、どうしたことか・・

・・と、思う間もなく、また一つ、またまた一つ。背後からせっつかれているごとくに、狂おしいほど、あと引きます。

とはいえ、噛みながら、目は冷静に、きれいにぱっくり割れたのを探している。

浅蜊(あさり)でもあるまいし、ぱっくり開いてないからといって食べられないわけでもないんですが、緑と紫の、ピスタチオ色した実がよく見えているもののほうが、おいしそうに感じるんですね。

で、また一つ、またまた一つ。

このテのつまみって、狂おしくやめられなくなるものと、冷静に対処できるものと、二通り、あると思いませんか。

おのろけ豆、なんていうのは、冷静のほうだと思います。

ピーナッツを芯に、あまじょっぱいコロモをコーティングした豆菓子で、お酒にも合いますが、お茶うけにもまたピッタリです。

これをポリリ、またポリリとやり、世間話に興じる。

韓流スターなら誰と誰が好き、とか、ホームベーカリーでおかずパン焼いてみた、とか、今年こそダイソンの掃除機に買い換えたいわあ、なんていう話題の手なぐさみに、うってつけです。

コーティングのせいで、意外にも腹にふくれ、あんがいあっさりと手が伸びなくなるのも、おのろけ豆の特徴でありましょう。

塩豆は、どうでしょうか。

ワタシらの父親世代の若い時分は、つまみといえば、塩豆、と、相場がきまっていたようです。トリスバー、という、サントリーのウイスキーを飲ませる庶民的な飲み屋がそこかしこにあり、ここで出てくるおつまみは、塩豆のみ、だったそう。

塩豆はグリンピースで、噛みしめると、青いような滋味が口中にフワンと広がる、おいしい炒り豆です。

がしかし、ガリガリした、やや固い歯ごたえで、「塩」豆と銘打ちながらも、昨今のピスタチオまでの塩辛さはなく、やめられないとまらない狂おしさは、ないような気がします。

父親世代の若いころは、むしろ、いつか塩豆を卒業したい、卒業して、三角に切ったチーズののったオードブルに昇格したい、と、夢見たのでは、ないでしょうか。

では、ピスタチオに匹敵する狂おしいつまみとは、なんであるか。

ピーセン、を、ワタシは強く押してみたい。

ピーナツ入りの軽い揚げあられで、缶に、フランスの味、というキャッチフレーズと、エッフェル塔の絵が描かれていたなあ・・

・・と、思ったら、ピーセンの製造元だった銀座江戸一が倒産して栄太楼総本舗が引き継ぎ、装い新たに売り出されているんですってネ。

なつかしいナ、と、思い馳せつつ、ピスタチオにまた手が伸びたところで、こんもり山になったカラに気づき、さすがに反省して、やめました。

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プラタナスは大木になるといいますが、これ、樹齢百年はいってい
るでしょうか。

前菜は、ニンジン千切りサラダ
主菜は、子牛のメンチカツ、じゃがいもソテー、ブロッコリー塩茹で、グリーンサラダ

立ち呑み日記・カワむきます [おつまみ]

初ものの栗を買いました。

横に一文字包丁を入れ、金網にのせて弱火であぶると、シュウシュウ音を立てて、うまい具合に焼き栗になるんです。

これを、ぽっくりぽっくりむいて食べると、なかなかよろしい。その合いの手に、輪切りのバナナをつまむんですが、これがまた、絶妙なる組み合わせ。

輪切りが舌にのると、意外なほどひんやりして、バナナってこんなに香りがしたっけ、というほどに香りたち、今しがた嚥下した栗の甘さが際立ちます。

とにもかくにもまたカワをむいて、もうひとつ。

むく、というしぐさがまた、いいんですヨ、と、今言おうとして気づいたんですが、「甘栗むいちゃいました」というのがコンビニなんかで買えますが、そうすると、最初っからむいてあったほうが食べやすい、と、いう考え方も、ありますネ。現に、ワルガキたちなど、「むいて」と、口開けたなりで待っているんです。

そこでハタと考えたんですが・・・

カワ、というものは、自分でむくのがいいのか、
それとも、誰かにむいてもらったほうがいいのか。

枝豆なんかは、さやを口に持っていってぷちん、と、やるからヨイようにも思いますが。さやをカラ入れに戻した手でビールをとり、ぐいーッ。

しかし、ずんだ餅で知られる東北などでは枝豆をあらかじめさやからはずして、小鉢にこんもり盛り、ごはんのおかずにするようです。

それで枝豆を食べてる感じが出るのッ、と、驚きましたが、慣れれば、緑色の豆を、箸でつまむのもまた、しみじみとよろしそうです。

きぬかつぎはどうでしょう。これは、あらがじめ全部むいてあったらヌルヌルして、つまみづらそうです。殻つきピーナツはしかし、できればどなたかに殻をむいておいていただきたい。殻をむいて、煎って塩をうんとうんときかせ、ハニーソルト、なんていう味つけにしていただくとモロモロの食前酒によく合います。

ツマミ関係につい集中しちゃいましたが、オカズ関係でなら、ゆで卵は、どうでしょう。ゆで卵って、同じ鍋で茹でたにもかかわらず、むきやすいのと、ものッすごくむきづらいのとがありますよね。

ものッすごくむきづらいのにあたって悪戦苦闘しながら、
ちょっともうだれかこれなんとかしてよーッ、と、叫びませんか(心の中で)。

むく、と、言われると、殿方連なら(ホラ肝心のアレ)と思い浮かべて、内心ニヤニヤになりましょう。

肝心のアレ、は、垢がたまるのできちんとむいてしっかり洗ってください、と、育児書にも明記してあり、男の子のオカーサンは、慎重かつ勇気をもって、我が子のオチンチンのカワをグーッとむき、念入りに、よーくよーく洗います。

オトーサンがお風呂に入れる番のときにも、そういうふうにしっかりむいて洗ってちょうだいよ、と、頼むんですが、オトーサンは、同性として、痛そうでしのびない、と、なあなあにしか洗わず、あとでオカーサンからがみがみ叱られるケースが、まま、あるそうです。

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本日はこれを避けては通れませんネ。

前菜は、トマトとマカロニのマヨ和えサラダ
主菜は、子牛骨付肉のキノコ入りクリームソース、蒸しじゃがいも、インゲン塩茹で

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