立ち呑み日記・取っ手と信頼 [困った!]

ガラガラドッシャーンッ、と、そりゃァもう耳をつんざく惨事でしたヨ。

今出来上がったばかりで湯気モウモウの仔牛肉とジロール(香り茸)とじゃがいものクリームソテーをフライパンごとテーブルへ運ぼうとした矢先、あろうことか取り外しできる取っ手がゆるんで床いちめんにびっちゃりいっちゃった。

ショックとはこのこと、しかも今宵はムスメのお誕生日の晩餐、ムスメのリクエストで仔牛肉とジロール(香り茸)というご馳走だったんです(号泣)。

一家全員の晩ごはんをみすみす消滅させていいわけもなく、床の上であッつあつの湯気たてているところから肉と茸とじゃがいもをおたまですくいだして水道でジャージャー洗い、フライパンにもどして改めてクリームで味つけし直しました。

にっくきは、取っ手。

予兆はでもずいぶん前からあったんですよねえ・・

パチンと嵌(は)めても、以前と比べて明らかにガタついている。

うちの鍋とフライパンはいつ買ったんだったか、10年前ではきかないのは確かです。21世紀になるずっと以前のことで、取っ手はとっくの昔に寿命を迎えていたんですね。

それをだましだまし使っていたほうが悪かった。なにしろ鍋とフライパン本体も、テフロン加工が完全に剥げ切るまでになっています。

今回はこのままやり過ごすわけにもいかず、新しい取っ手をデパートへ買いに行くこととあいなりました。たかが取っ手、ひとつ16ユーロ(約2000円)もします。

テファール社コーナーを見回すと、実に気軽な感じに取っ手がぶらさがってました。10年間保証! という自信に満ちた惹句。

10年の長きにわたって壊れないとはすごいなあ、
とは思いますけど、10年なんてアッという間にたッちゃうもンです。だからこそわが身に巻き起こった「惨事」。

しばし考えた末、取っ手3つをかごにとります。うちは火が4口ありますしね。

で、家に帰り、すぐさま晩ごはんのしたくを始めたわけですが、ああいう「惨事」ってちょっとしたトラウマになりますナ。

全幅なる信頼というものを、もはや持てなくなる。

たっぷりの塩湯がぐらぐらしている鍋へヘタをとったいんげんふたつかみばかり放ち、さっとゆがいたところでシンクの金笊(ざる)にこぼすわけですが、このとき
(またしても取っ手がはずれちゃう、かも、しれない)
と、疑心暗鬼に陥(おちい)っちゃう。

幼少期の心の傷がもとで他人の存在を認められないなどから信頼する心を取り戻すための心理的療法として、後ろに倒れ込んだところを背後から誰かにしっかり抱きとめてもらう、という方法があると聞いたことがありますが。信頼感無しに後頭部から背後へ倒れ込むなどできるものではないですからね。

ワタシも、その療法を受けたほうがいいのか。

「てゆーかふつうの取っ手固定式鍋フライパン使えばいいんじゃないの?」
というお声がみなさまの中から聞こえて来たようですが、今の取っ手可動式鍋フライパンに換える以前、両手なべを持った途端にあろうことか片側が壊れ、やはりあッつあつをぶちまけているんです。

いずれにしても取っ手への信頼モンダイは深刻でございまする。


P1000571.JPG
はっ。今日写真撮り忘れちゃったと窓辺の植木鉢を大急ぎでパチリ。晩ごはんにお招きしたオットの古い友人ご夫妻からいただきました。

前菜は、アボカド、レモンで
主菜は、仔牛肉(芯の柔らかい部分)とブロッコリー・カリフラワーのクリームソテー、じゃがいもピューレ、グリーンサラダ


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