立ち呑み日記・ピロートーク [真夜中]

枕を買いに行きました。

これまで毎晩頭をのせていた枕が、気がついたら13歳のムスメに乗っ取られてたんです。

子どもって枕などあってもなくても同じですよネ、11歳のムスコなど、枕は「邪魔」といって、それこそ枕元に置くのも嫌がります。

ムスメも長らくそうだったんですが、自我の芽生えとともに体型も大人っぽくなり、しっかりした枕がないとベッドで身体を支えづらくなった。

それまでの枕も羽枕でしたがムスメ用に買ったわけではなく、もういいトシのオットが物心ついたころにはもう家にあったという年季モノで、ぺっしゃんこにあたらずとも遠からず、という代物。

それだって年少児の頭にはちょうどいいくらいの薄さだし、ワルガキ出現以前はワタシら夫婦もこの枕を二つ重ねで使っていたくらいです。

「捨てる」という概念が乏しいフランスだからこそでしょうが、枕ってこちらの古い家にはなぜかたくさんあるんですね。

枕といいますか、クッションですが。それに加えトラヴェルサンという、ベッドに横渡しにする円筒形クッションなども、あります。

うちにも古いトラヴェルサンがあるんですヨ、古いも古い、戦前のものであるのは確か。

人にもよりましょうが、うちのオトーサン(ワタシのオットです)など多くのフランス人は、枕など家庭用品が以前から家にあるというならそれを踏襲して使用するのが当然、と、考えるものなんです。

そして、
「枕が合わない」
と、嘆く。

なにしろうちのトラベルサンといったら中に詰まっているのが藁(わら)という年代もの、これにぺっしゃんこの羽枕を重ねても、寄る年波で首が痛くなるばかりです。

ではいざ新規購入かというとさにあらず、
「使ってない枕ない?」
と、近しい親戚に訊ねる。

親戚の屋根裏には大叔母の遺品であるセミダブル用枕が眠っていたので、これを譲り受けました。それだって半世紀ゆうに寝かせた遺物で、中の綿がゴワゴワ。横になるそばから頭が痛くなりました。

「こんな生活もうイヤッ」
と、立ち上がったのが、日本人ツマ(ワタシです)。

デパートで上等の羽枕を買い求め、夫婦のベッドの古色蒼然と入れ替えました。

にっくき古色蒼然など捨ててやるーッ、
と、思わないこともなかったですが、マ、ここは捨てるのがニガテなフランス人オットをたて、今もベッドわきにころがしてあります。

今回改めて買うワタシ用羽枕は、以前買ったものと寸分たがわぬもの。

初めて知ったんですけど、枕って寿命があるんですってネ。そばがらで1年、ポリエステルや綿で3年、羽枕で5年といいますから、思いのほか短命。

形見として受け継ぐものでもなさそうです。

それどころか、オットの枕もムスメにとられたのも、購入したのはワタシら夫婦の新婚間もないころで、寿命でいったらもうとっくのとうに切れてる。

わが新しい羽枕、ふっくらしてとおってもヨイです。朝起き上がるのが辛いくらいよく眠れます。

枕といえば、座布団を二つ折りにして、昼下がりに陽の当たる畳の上でうとうとするくらい気持ちいい枕は他になかった気がします(耳掃除してくれるオカーサンのひざまくら、テナ思い出のある人もいるかもナ)。


P1000235.JPG
雨だと暖かいですネ。

前菜は、ツナ缶と缶詰緑オリーブとエシャロットのペーストと固くなったパンのトースト、残りのカボチャスープ
主菜は、残りの鶏ロースト、じゃがいものニンニクソテー、モロッコいんげん塩茹で

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