立ち呑み日記・カスバの女 [宿題]

11歳のムスコが地理の宿題をやっている・・

・・と、いいますか、宿題があるというので教科書を形式的に開いてハナほじっている。「都市の暮らし」という単元で、欧州、アメリカ、北アフリカの都市のあり方を比較してまとめるもよう。

教科書をのぞきこんでみると、なかなか興味深いです。

たとえば、欧州の都市はギリシャ・ローマ時代の「まち」を基盤に発展し、中世に教会を中心に栄えたところが現在の旧市街となり、そこから外へ外へと広がった。

パリなんかその典型です。

住まいの価格はパリ市内は割高で、隣接する市に戸建て住宅が広がり、さらに高速道路や郊外電車でもっと行った先に天を突く公団団地が密集する。

シカゴなんかはこうじゃないんですってネ。

シカゴはボーイング社、マクドナルド社など名だたる大企業の本社があるアメリカ屈指のビジネスの街なれど、シカゴっ子は市内には住みたがらないのだそうです。

市内にはゲットーと呼ばれる貧民窟があるのみで、お金に余裕の出来た人はこぞって郊外の庭付き一軒家をもとめる。

シカゴ市内の住民と郊外の住民とでは収入が倍近くも違うものだそうです。

教科書にはシカゴ郊外の街のようすが掲載されていますが、碁盤の目のように整然とした車道に沿って、前庭と長方形の戸建てと緑の庭がきっちり並んでいる。

「ET」などアメリカ映画でよく見かける街並みです。

パリはお金に余裕の出来た人は郊外ではなく、東京の成城や田園調布にあたる市内の16区や8区のアパルトマンをもとめるところです。

北アフリカからは、アルジェリアの首都アルジェが紹介されています。

アルジェリアは19世紀から1962年までフランスの植民地で、このとき建築されたフランス様式の高層建築が今日の経済街の主要をなしている、と、なにしろフランスの教科書ですから、やや鼻ピクピクなのはまぬがれません。

「フランス統治以前からある旧市街カスバには鄙びた小さな家ばかりが並ぶ」
と、繁栄は自分らがもたらしたと言わんばかり。

アルジェリアは先年悲惨なテロもありましたが、素敵なところなんですってネ、パリの地下鉄構内の大型ポスターでもよく見かけます。

旧市街カスバはユネスコ世界遺産だそうです。

♪ここは地の果てアルジェリア・・
と、やはり口ずさまずにはいられません。

「カスバの女」は戦前の映画「望郷」に想起した歌謡曲で、懐メロ特集というと耳にしますが、それにしても「地の果て」とは、日本在のアルジェリア人から苦情が出ないものなんでしょうか。

日本からの空路直行便はなく、また、この曲が発表された1955年といったら海外旅行など夢また夢でしたから、「地の果て」はしっくり来たのでありましょうが。

フランスからアルジェリアは、地の果てどころか飛行機でたった2時間、人気のバカンス地です。

いいナ。行ってみたいナ・・

・・とまあムスコがペンもにぎらずボケーとしているのをいいことにオカーサン(ワタシです)がつい没頭しちゃいましたが、これではいっこうに宿題がはかどりませんから教科書をムスコに返し、
「集中してやりなさい」
と、鹿爪らしくやりました。


P1000215.JPG
この日曜日、クラシックカーのイベントがあったようで、たくさん見かけました。乗っている人も1950年代などその時代にあった服装をしていて、いやはやコレクターの凝り性とはスゴイものですネ。

前菜は、温製ニンジン千切りサラダ
主菜は、七面鳥ささ身のムニエル、ベシャメルソース、カリフラワー、蒸しじゃがいも
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