立ち呑み日記・ペスト [ランチ]

お昼にスパゲッティーでも茹でましょうかネ、
と、鍋にお湯をぐらぐら沸かしていると、ワルガキ二匹が気配に気づき、
「緑! スパゲッティーなら断然、緑!」

緑とは緑色のソース、すなわち、「ペスト」のことです。「ペスト・ジェノヴェーゼ」が正式で、バジリコの香りが際立ち、おいしいですよネ。

そしてまことに経済的。

夏に日本に一時帰国した折にもしょっちゅうつくって食べましたが、「カルディー」でイタリア産がひとビン380円くらいで買えました。

日本産の、売り場にタラコソースなどと並んでいる袋入りはもっと安かったです。こちらは日本風味つけといいますか、どことなく昆布だし風味が奥にひそんでました。

欧州人の二匹はどちらかといえば、奥に何もひそまないほうが好みのようです。

パリのスーパーのスパゲティーソースの棚にもビン入りで種類がいくつかありますが、メーカーによって味が微妙に違います。

「『微妙』ですとッ、まるっきり違うじゃないですかッ」
と、本場の方々から叱られそうですが。

イタリアで「ペスト・ジェノヴェーゼ」という時は、ペストの本場リグーリア地方の原産地証明銘柄のみだそうです。

原材料も、リグーリア地方産バジリコ、松の実、パルミジャーノとペコリーノ(羊乳チーズ)、エキストラバージンオイル、と、決まっています・・

・・・ということは、真正「ペスト・ジェノヴェーゼ」となると格安どころかお値段張るもの、なの、かも、知れません。

ワタシがよく買っているスーパーの普及品には「ジェノヴェーゼ」の文字はありません。イタリアメーカーのは濃厚で、原材料名を見ると松の実のほかにカシューナッツがたっぷり折りこんである。

最近はフランスのスーパーが自社ブランドで出しているものがさらに安いので気に入ってます。こちらは松の実もカシューナッツもおしるし程度で、あーっさり。

(なるほどねえ)と思うんですけど、フランスには「ピストゥー」というペストの親戚が、あるんですヨ。ピストゥーのほうが、ペストの祖先らしいです。

ペスト・ジェノヴェーゼの本場、イタリア・リグーリア地方は地中海沿岸の、フランスから見るとニースを通り過ぎモナコに接するところから始まる一帯で、その陸続きでこちら側のプロヴァンス地方に伝わるのがピスゥーで、やはりバジリコとニンニクとオリーブオイルのソースです。

ただし、ピストゥーには松の実やおろしチーズは入らない。

ピストゥーは、白インゲン豆とマカロニ入りのミネストローネ風野菜スープに浮かべ、さらにおろしチーズをどっさりかけて食べるのが代表的です。

さて、スパゲッティーが茹で上がったので、ビンをパカンとあけてスプーンでかきだし、手早く和えたら出来上がり。(おかずはほかにオムレツと塩茹でブロッコリーです)

夏にマルシェで新鮮な生のバジリコが安く売られていたのでペストを手作りしてみたら、なかなかおいしくできました。

が、そのおいしさは瓶入りの格安品と寸分たがわぬおいしさ。

だったらバジリコを毟(むし)ったり松の実を炒って摺(すっ)たりと手間かけるよりは瓶入りを買った方が安くていい、と、思うに至りました。


P1000136.JPG
この日曜は素晴らしい小春日和でした。散歩しながらパチリ。

前菜は、トマトとニンジン千切りのサラダ
主菜は、フォーフィレ(牛肉)ステーキ、いんげん塩茹で、残り物のカレーライス、グリーンサラダ

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