立ち呑み日記・ブロシェット [主菜]

「ブロシェット」が
「食べたい、食べたい、食べたい」
と、10歳のムスコ。

「ブロシェット」は、串焼きです。

なんでまた、と、オカーサン(ワタシです)は訝(いぶか)りました。

「ブロシェット」とこう言われると、なんといいますか、見栄えはいいもののパサパサした粗末な食べ物、テナ思い込みが、ワタシにはあるんですね。

なぜというに、ワタシの学生時代、パリの学生街を席巻していたギリシャ料理店こそが「ブロシェット」の本拠地みたいなもので、どの店のショーケースにもまだ焼いてないところがずらららーっと並んでいた。

とぐろに巻いた羊肉ソーセージだの赤ピーマンだの、海老だの、一見いかにも新鮮でおいしそうです。が、食べるとややガックシ。焼きすぎのパッサパサです。

今日では、この世代のギリシャ移民の引退とともに、あれだけあったこのテのギリシャ料理店はもののみごとに絶滅してしまいました。

「ブロシェット」は串ざし全般のことですから、なにもすべてがすべてパッサパサというわけではないんですが。

現に、うちの近所のパン屋兼お菓子屋にはひと口大に切ったミルフィーユなどのお菓子と真っ赤なイチゴを交互に串に刺したのが「ブロシェット」として売られています。

その美味しそうなこと。矛盾してますが、串にささってるだけで、どうしてこんなに食べてみたくなるんだか。

ちび太のおでんだって単体でなく串にささっていたからこそ、後に商品化されるまでになったんじゃ、ないでしょうか。

さて、ムスコがなぜ急に「ブロシェット」と言い出したかというと、なかよしのマチスくんが家族で食べに行ってとおっても美味しかったと微に入り細に入り聞かされたようなんです。

マチスくん一家は、土曜日の午後、郊外の巨大ショッピングセンターへ自家用車で行った。

うちは車がないので疎いんですが、車を持つパリ市民もまた田園生活者に同じく、日々の買い物を近くのスーパーやマルシェではなく、郊外のこういう巨大施設でまとめ買いするものだそうです。

そのほうが格段に割安ですからね。で、出かければ「何か食べて帰りましょう」ということに、なる。マチスくん一家が週末に車でよく行くところには、スシと「ブロシェット」食べ放題の店があるのだそうな・・

・・その「ブロシェット」とは、ヤキトリでありましょう。

パリでは1990年代後半から、中国人の経営する日本料理店が雨後のタケノコのごとく増えたんですが、こういう店はきまって、前菜がスシ、主菜がヤキトリです。薄切り牛肉のチーズ巻き串焼き、なんてのも、こういう店の定番。

ウン、言われてみれば、焼き鳥、食べたいなあ・・

この夏一時帰国した折に友人たちと行った居酒屋で食べたッきりだなあ・・

そこで、「WASABI」というテイクアウトの店まで行って、つくねやらをついついたくさん買いこんじゃいました。

お味はというと、決してまずくないですが、日本の焼き鳥とは、何かが微妙にやや違う、ような、気がしないでもない。

「ブロシェット・ジャポネーズ」
と、言われると、大いにナットクしたくなる、そんな味です。


P1000096.JPG
散歩しながらパチリ。

前菜は、トマトサラダ
主菜は、鶏肉中華炒め、炒飯、いんげん塩茹で、グリーンサラダ




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