立ち呑み日記・夜行列車 [真夜中]

ひとは寝台車にのると、かつて寝台車にのった日々のことを思い出すものだなあ、
と、寝台車に揺られながら思いましたね。

夏休みとなり、毎年お世話になっている友人宅のあるスペイン国境に近い寒村へ、今回は夜行列車で行ったんです。

パリ・オーステルリッツ駅22時45分発、トゥールーズ駅翌朝6時50分着。昼間のTGV新幹線なら5時間の距離です。

トゥールーズから在来線に乗り継ぎますが、かつてはその最寄駅までパリから直行があったそうな。

「我が子と頭を並べることになるとはねえ・・」
と、寝台の下段で知らず知らず体育座りになっているオット。オットは独身時代、友人宅へ行くのにパリから直行線の二等寝台によく乗ったものだそうです。

(卒業旅行、思い出すなあ・・)
と、ワタシもまた持参のロゼワインを紙コップに手酌(じゃく)でやりながら感慨にふけりました。

社会人になる前の春休み、大型リュックに『地球の歩き方』(当時の)と『トーマスクック時刻表』をつっこんで、ユーレイルパスという欧州全域鉄道乗り放題の定期券とパスポートを後生大事と首から下げ、寝台車を宿がわりに、街から街へ旅したもンです。

パリからバルセロナへ向かったときは、深夜の国境駅でいったん降ろされてパスポートコントロールがあり、スペインに入ると線路の幅が変わるのに合わせて車輪の幅も自動で変わるのをじーと見つめたものでした・・

・・テナこと思い出しながら、ロゼをぐびり。あのころは、寝台でワインなんて思いもよらなかったなあ・・

そもそも水(ミネラルウォーター)を「買う」というのがすでに慣れないことこの上なかったです。

「貴重品にはくれぐれも注意してください」
と、車掌さんに言われたのが、唯一これまでと同じでした。

今回は少々奢(おご)って一等寝台、上下二段を四人家族で占め、完全な個室となります。

ドアには鍵が二つもついていて、
「いずれもしっかり閉めて寝てください」
と、車掌さん。

貴重品はドアから遠いところへ置け、と、こうです。

国際夜行列車では睡眠薬入りの飲み物や食べ物をすすめる泥棒の話を耳にするものの、さすがにそこまではいかず、
「コソ泥がいないとも限らない、というわけですよ」

寝台には巨大封筒みたいな寝袋が畳まれていて、これを各自が敷きます。

22時45分発といったら、晩ごはんを終えてあとは寝るだけ、という時間。通路で騒ぐ人もなく、すぐさまひっそり、どの個室のドアも閉まったようです。

その中で、われわれ家族だけがやや度を越して興奮し、列車が走り出してしばらくしたところでトントンとドアをノックされたもよう。

ひとまず反省し、声を落としました。

「夜汽車に揺られて・・」なんて流行歌などにありますけど、ホントにとおっても揺れるんですネ、何度も目が覚めました。

到着前には朝食サービス(有料)があるというので2人前だけとってみました。温かい飲み物、オレンジジュース、ケーキ一片、フルーツコンポートで6.9ユーロ(約1000円)ナリ。

これらを、四人で歯もみがかずぱくつくうちに列車はトゥールーズ駅にすべりこみました。


PIC_0390.JPG
バカンス友と、ただ今より川遊びへ行くところ。

前菜は、プチトマト、ニンジン千切りサラダ
主菜は、ハンバーグステーキ、じゃがいもソテー、ブロッコリー塩茹で


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