立ち呑み日記・スペイン国歌 [食前酒]

スペインの国歌って、歌詞がなくてメロディーだけなんですってネ。

ただ今、ピレネー山脈のふもとにある友人の大きな家に3家族が居候して、のーんべんだらりと過ごしているところ。

居候のひと組は友人の息子一家で、彼らはセビリア在の西仏国際結婚なんですが、本日食前酒かたむけながら、国歌のハナシになったんです。

フランスって太っ腹だなあ、と、ワタシなど思うわけですヨ。

いえね、こないだyoutubeを見ていたら、レビューショーでフレンチカンカンを陽気に踊っていたんですね。その音楽が「ラ・マルセイエーズ」、これ国歌ですゾ。

ちょっと想像してみてくださいナ、「君が代」で、とはいってもそのままだとテンポがあれなんで右翼の街宣車風で、スクールメイツあたりがフレンチカンカンをひだスカートからげ大股広げてちゃっちゃっとやる。

「不謹慎きわまれりッ」
と、どの方面からも叱られそうです。

アメリカ国歌でも、やはりむずかしいんじゃないでしょうか。

「スペイン国歌もね、カンカンは無理だと思う」
と、息子夫婦。

この時、歌詞が存在しない旨おしえてくれたんです。

20世紀初頭、アルフォンソ3世の治世下には王政礼賛の歌詞が、フランコ独裁にはまたその時代の歌詞があったそうですが、今はそのいずれも非公式だそうです。

2008年に一般公募された7000もの候補の中から「これ」というのを選出したものの、やはり強い反対が出て、没。

そもそも歌詞に折りこまれる国名が「スペイン」ではだめで、「スペイン王国」、いや「制限君主による共和制の国」、と、この時点でもう火花を散らす大議論なんだそう。

「多民族が共存する制限君主による共和制の国」なら
「まあいい、かもしンない」
と、スペイン勢の二人。

そこでみんなでスペイン国歌を考えてさしあげよう、と、いうことにあいなりました。

♪イベリコの燻煙かぐわしく、
と、いうのを、ワタシなど断然入れたいですね。

イベリコ豚といったらパリにも専門店があり、その繊細な風味といったらため息モノ。ただしお値段もまたため息モノなので、そうめったなことでは口に入りません。

♪黄金(こがね)のパエリア炊き上がり、
と、いうのもはずせないところです。

♪赤と白のワインも泉のごとく・・

どうです、われながらうまし国を実に的確に表現しているではないですか。が、これらはみな「ダメ」なんですね。

なぜというに、豚を禁忌とする宗教の人たちから総スカンをくらい、米以外の生産者たちからにらまれ、禁酒主義者たちが目をむく。

「ね、むずかしいでしょ」
と、スペイン勢二人。

ではスペインで誰もが誇れるものとは何か。

「『太陽がさんさんと照る』」
と、ジュースをのみに来た10歳のムスコが、実にもう、うがったことを言い出しました。

♪多民族の共存する制限君主制による共和国には太陽がさんさんと照る・・

どうです、実に的確で素晴らしい。スペインの方はぜひご参考になさってください(ってこれ食前酒のヨタバナシですからそのへんのとこよろしくおねがいいたします)。


PIC_0435.JPG
木の高いところに張り巡らせたロープをターザンのように伝う自然のテーマパークで、ただ今水飲み休憩。

前菜は、豆腐とピータンと胡麻油のまぜまぜ
主菜は、ジャージャー麺

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