立ち呑み日記・京都のお茶漬け [追究]

「京都のお茶漬け」ってフランスにもあるんだなあ・・
と、ホテルの会議室階エレベーター脇の地味な貼り紙眺めながら、しみじみ感心しちゃいました。

伝手(つて)あって仕事をいただき、国際見本市の会場である、アルプスのふもとの湖畔を望むゆかしいホテルに来ているところです。

百年からの歴史を誇る由緒あるホテルで、避暑避寒のなぐさみにカジノがあり、会議室も大小いくつも用意されています(残念ながら宿泊したわけではありませぬ)。

「京都のお茶漬け」とはホラ、京都人は直接表現を嫌い、たとえば来客が玄関先で用件のみにいとまごいすると、
「上がってお茶漬け食べて行っておくれやす」
と、すがるがごとく引き留める。

せっかくだからお言葉に甘えちゃお、と、のこのこ上がりこもうものなら、
(礼儀知らずやわぁ)
と、腹の底で嗤われることになる、あれです。

でも京都だけでなく、同じようなことって日本全般にありますよネ。

「お近くにいらした折にはぜひお立ち寄りください」
と、結婚の新居通知の写真付きハガキに添えてある一文などが、それ。

だからといってホントにピンポンしたら大いに驚かれます。

日本からはるか遠くアヌシーの湖畔でなぜお京都の茶漬けに思いを馳せたかといいますと、会議室に続くエレベーターが実にもうゆーっくりだったんですね。

待つ手持無沙汰に、目の前に貼られているA4版のどうってことないホテルからの事務的なお知らせになんとなく目を走らせたんです。

「ATM機はカジノの横にございますのでどうぞご利用くださいませ」

これが「京都のお茶漬け」とは、当初はつゆとも気づかなかったんですが、ハハーンと次第に判って来ました。

これ、ATM機のありかを教示している態勢をとった、カジノの宣伝ではありますまいか。

考えてもみてくださいナ、他のホテルの会議室階に、
「ATM機は当ホテルをお出になられて右側にございます」
テナ貼り紙が、エレベーターの横なんかにあるでしょうか。

かといって、
「当カジノでひと山当てましょう!」
と、あからさまに射幸心を煽(あお)る広告は、やってはイカンとひょっとしたら法律で決まっている、の、やも、しれない。

結局ワタシは時間も、お金を引き出す用もなく、カジノのほうへは足を向けないままパリの自宅へ戻りました。

すると、10歳のムスコの小学校の年度末学校祭のお知らせプリントが来ていました。

年度末学校祭は、夕刻から合唱などの発表があり、そのあとは夏のことでなかなか暮れない、夜風の気持ちいい校庭でお弁当を広げ、ワインをみんなで分け合って、ディスコ音楽で深夜まで屋外ダンスフロアのごとくになり(チークタイムあり)、大人たちもとても楽しみにしている行事です。

それが今年は校長の一存で規模縮小となってしまい、諸先生方もそろって憤慨している旨、ムスコの担任の先生から小耳にはさんでいました。

「21時30分に、校長先生とともに後片付けとなります」
というプリントの一文の「校長先生とともに」の箇所に、先生方の憤慨と不賛成が滲(にじ)んでいる気がするンですよねえ・・


PIC_0346.JPG
アルプスのふもとアヌシーという街の湖です。

前菜は、トマトとツナのサラダ
主菜は、鶏肉入りオムレツ、蒸しじゃがいも、いんげん塩茹で


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