立ち呑み日記・世紀の大潮

昨日の日蝕は曇天でイマイチでも今日こそ大潮!
テナ感じの見出しが、フランス語のインターネットニュースのどれにも躍っています。

日本は春分の日でしたが、フランスはノルマンディーとブルターニュの沿岸が18年に一度という「今世紀最大の」大潮。

ことに、かの世界遺産モン・サン・ミッシェルはいよいよ橋が水没し、通常の大潮よりさらに水位が上がった孤島となるというのでただでさえ観光客でごったがえすところ、その上を行くたいへんな大混雑だそうです。

前夜の時点で1万人が小島にいたそうな。

モン・サン・ミッシェルにはホテルが何軒かあり、ワタシも出張仕事のスケジュールの都合いちど泊まったことがあります。

どうせ江の島みたいな観光地だし、と、たかをくくって荷をほどいたんですが、どうしてどうして。

定期バスの最終便が出ると森閑となり海鳴りだけがゴォーッと聞こえ、昼間は大量の観光客をさばくのに必死でビジネスライクだった商店や食べ物屋の人たちがとたんに人情味あふれ、翌朝まで違う時間が流れているようでした。

春と秋の大潮の日はどのホテルもそれこそ何年も前から予約を入れないととれないそうです。

まして18年に一度、みごと宿泊の叶った方々は、いったいどのくらい以前から予約なさったんだか。

「うーんと幸運な、特別な人たちヨ」
と、そういえばワタシがモン・サン・ミッシェルに泊まったときに、宿のマダムがおっしゃっていたのを思い出しました。

その年1997年が、前回の18年に一度の大潮の年だったんです。昨日のことのようですが、時はたつもンですねえ・・

このときは、静まり返った小島でホテルの小部屋からひたひた押し寄せてくる18年めの大潮を眺めたらさぞステキだろうなあ、それにこれがお泊りデートなら「最高潮」とはまさにこのことだなあ・・、
と、うらやんだものですが、その宿の足元に立錐の余地なく一万人が押し寄せわいわいがやがややっているとは考えに入れてませんでした。

今朝のニュース写真で見ましたが、潮が満ちて来て水没しかかっている橋の上が黒山の人だかりになってました。

モン・サン・ミッシェルから程近い、出島の観光地サン・マロもまた、この週末はどのホテルもレストランも満員だそうです。

バシャーッ、と、沿岸に激しく打ちつけ足元で砕ける高波に、やはり間近の防波堤にぎっしり集まった観光客がスマホを向けている。

「危なくないですか?」
と、ニュースのレポーターが家族連れの観光客にマイクを向けますが、そのレポーターだって救命具なしです。

このあたり、先の地震と津波のあった国のものからすると、考えられないです。

日本ならこういう大潮の場合、観光客は極力海には近づかず、遠巻きに眺めるのみではないでしょうか。

また、沿岸の防災マイクから、ピンポンパンポ~ン、と、ひっきりなしに近づかないようお知らせが流れることと思います。

それにしても、18年に一度がちゃあんと週末にかかるとはスゴイですネ。

「せっかくだから経済効果を考えて進ぜよう」
と、神様が考えたんでしょうかネ。


写真はしばしお待ちくだされ。

前菜は、山羊乳チーズとハチミツ入りサモサ、マーシュサラダ
主菜は、帆立貝クリームソースのタリアテッラ

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