立ち呑み日記・二者は別物 [追究]

日本への一時帰国から戻った時差ぼけで早朝に目が覚め、用を足そうとトイレで便座にすとんと腰掛けた、その時。

ひやー、つめたい。

アアここは日本でなくてフランスなんだ・・と、改めて感じ入る瞬間です。日本の便座は今やどこでも電気で温まっていますが、フランスでそういうトイレは稀です。

ほんの二週間ちょっと前の、一時帰国する以前はこのつめたさが当たり前、どころかつめたいなどとはつゆとも感じなかったというのに、人は贅沢にたちまちにして慣れるものなんですネ。

「パン食べたい、今すぐ食べたーい」
と、ワルガキ二匹はといえば昨日ド・ゴール空港に着きタクシーを前に外気に当たった途端に、身をよじって騒ぎ出しました。

昨日までの日本でだって毎朝、ヤマザキパンのしっとりむっちりした食パンのトーストに[雪印・切れてるバター]をのせてじゅわんと溶けだしてきたところへ
「オイシイ、オイシイ」
と噛みついていたんですが。

それに、オバーチャンにねだってしょっちゅうパクついていたトトロの形をしたチョコパン、これなどフランスにいたら食べられません・・

「でもそういうのはパンじゃないし」
と、二匹は口をそろえて奇想天外な事を言い出すんですね。

二匹が「パン」というのは、バゲットのこと。

気候のせいでしょうが、日本のバゲットはデパ地下の「ポール」などフランス発チェーン店のでさえ風味が異なり、各段にあっさりパサッとしているんです。

タクシーが我がぼろアパートの前に着き、エレベーターの無いところを最上階までずっしり重いスーツケースつごう四ケ、えっちらおっちら運び上げるやすぐさまバゲットを買って戻ると、二匹はもう目の色かえてかぶりつきましたね。

これってさしずめ日本人が海外旅行から帰って白飯にウメボシで落ち着く感じでしょうか。

晩ごはんは、
「鶏丸焼きが食べたい、食べたいったら食べたい!」
と、二匹。

子どもって鶏肉が好きですよネ。オバーチャンオジーチャンの家でも、しょっちゅう唐揚げが晩ごはんにのぼりました。

カリッとした醤油風味もこうばしく、二匹は他のおかずをさしおいてまで唐揚げばかりあんなにぱくぱく食べて
いたっていうのに、この上まだ鶏肉が食べたいなんてねえ・・

「カラアゲって鶏肉だったの?」
と、これまたこちらがのけぞるようなことを10歳のムスコが言い出しました。

塩気のきいた味つけがしてあるし、「丸焼き」になってないしで、パリでいつも食べている鶏丸焼きと日本の唐揚げが同一の素材とは思いもよらなかったみたいです。

鶏を丸焼きにするときローズマリーなどハーブはふりかけますが、お醤油のようなくっきりした味つけは加えないので、言われてみれば確かに二者は別物のような気が、ワタシもしてきました。

これって、他のものでたとえるなら何でしょうかネ。

フランスのスシと日本の寿司かナとも考えてはみましたが、スシは寿司の格下にしか思えず、同等の別物と考えるのははなはだ苦しいです。

味噌汁とミソスープ、でしょうかねえ・・
(最近はフランスのスーパーでごく普通にミソスープが売られているんですヨ)


カメラが壊れてしまった都合上写真はしばしお待ちくだされ。

前菜は、トマトとゆで卵のサラダ
主菜は、鶏ローストとじゃがいもローストの残り、カリフラワーとベシャメルソース


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