立ち呑み日記・ズックを洗う [女子]

「あらマなんて汚い靴だこと」
と、スニーカー専門店に入ったら、12歳のムスメの足元に目をやったお店のマダムが驚きの声をあげました。

「ここまでひッどいコンヴァース、見たことないわ・・」

そりゃマ、だからこそ新しいのと買い替えに来たところなんですが。

「洗ったことないの? 洗濯機は30度よ、30度!」

フランスの洗濯機は水温を90度、60度、40度、30度と、いちいち指定しないとならないんです。それにしてもスニーカー丸洗いなど考えたこともありませんでした。「していいの?」までの心境。

子どもの靴なんて3か月も持てばいいほうですからね。

どたどた走り回るのが身上ですから、見る見るかかとがすり減り、足のサイズもぐんぐん大きくなってつま先に穴が開いたり、する。

それをわざわざ洗うというのも、どうなんでしょうか。が、確かにお店のマダムが言うように、これからはもっとちゃんとお手入れすべきかもしれません。

ムスメも中学第2学年目というおとしごろ、どたぐつで走り回るのもそろそろ卒業です(フランスの学制は日本のように6・3・3年制でなく5・4・3年制です)。

「ホラ見てごらんなさい私のベンシモン」
と、マダムは自信満々に自らの足元の、つやつやぴかぴかしたズック靴の白いゴムを指さしました。
「毎ッ晩、拭いてるのよ、おろしたてみたいでしょうが」

ベンシモンはパリで人気の、カラフルな色がそろったズック靴のブランドです。
(ズック靴、ってそういや最近言いませんネ)

ムスメのクラスでももちろん人気で、ベンシモンは
「何があっても素足に履くもの」で、
まかり間違って靴下を履くのは
「ダサイなんて言葉では足りない」
くらい恥ずかしいことなんだそうな。

考えてみればワタシなども幼稚園から高校まで上履きや運動靴、ないしは体育館履きを、時に家へ持ち帰っては柄付きタワシでゴシゴシ洗ったものでした。

級友のなかには茶色く煮しめたようなのを年中平気で履いてるコも、ウン、いたいた。

上履きの素材って、当時と今とではずいぶん違うのではないでしょうか。昭和40年代半ばの、ワタシが小学校低学年のころは、親指やかかとのあたりが擦り切れて月面クレーターのようにすぐなったものでした。

それに履くと割にすぐお煮しめ色に汚れを吸うので、洗うときは全身全霊でゴシゴシやったもンです。でないとちっとも白くなりませんでした。

そこいくと一昨年の夏の一時帰国で実家近くの小学校にムスコが体験入学させていただいた折にイトーヨーカドーで買ったそれは表面がつやつやして汚れがつきにくい感じ。

あと、「前ゴムシューズ」というのが正式名だそうですが、前のゴム部分にマジックで学年氏名を書きこんだわれわれの時代のスリッポンの運動靴、あれ今や完全に絶滅しちゃいましたネ。

前のゴムのところにひみつのアッコちゃんなどのキャラクターがついているのなどうれしかったものでしたが。

さてムスメはくるぶしまでの黒いコンヴァースに履き替え、足元すっきり。マダムの足元に感化され、ついでにベンシモンにもお財布を開かされました。


P1020692.JPG
近所の高校生たちが休み時間を過ごし、授業に戻って行きました。

前菜は、カボチャのポタージュ
主菜は、鶏ロースト、じゃがいもロースト、いんげん塩茹で、グリーンサラダ

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