立ち呑み日記・鴨のコンフィ [主菜]

いつも行く肉屋のショーケースに、ここのところ白い脂にまみれた鴨の腿肉があるのが気になって気になって仕方ない。

「これ、鴨のコンフィ」
と、肉屋のご主人。

調理済みを仕入れたのだそうです。なるほどカフェなんかでは、こういうのを仕入れて温めて出しているわけですね。

鴨のコンフィは、フランス南西部などフォア・グラが盛んな地域の郷土料理で、ちょうどオイルサーディンと同じように低温の脂でじーっくり煮た料理です。

もともとは、冷凍設備の存在しない昔、肉を保存する唯一の方法として編み出されたそう。今も、スーパーの缶詰売場に、ひときわ大きな缶で必ず並んでいます。

これを脂ごと白インゲン豆と煮込んだのがカスレという郷土料理で、ワタシもカルカッソンヌという町の近くで食べたことがありますが、量の多さも手伝って、肩で息するほどオナカイッパイもいいところになりました。

肉屋のご主人は、
「カスレもいいけど、じゃがいもがうまいよ」

温める前によーくこそげ落とした脂で、さいの目じゃがいもを炒める。口をすぼめ、「OK」と日本人がよくやるしぐさの人差し指と親指のくっついたところを、(ヒュ~ッ)と、吹き飛ばします。

(おいしいぞ)と言葉で言う代わりにフランス人が必ずやるしぐさです。それはほんとうにそうだろうなあ、と、たっぷりからまっている白い脂をしげしげ見ちゃいました。

が、そんなメタボまっしぐらなことしていいのか。

鴨や鶏をローストした後に残る脂でじゃがいもを炒めると、香ばしくてすばらしく美味しくなりますが、「ウッ」とノドがつまるほどおッそろしくオナカイッパイにもなるんですヨ。カスレでオナカイッパイになるときと似ています。オリーブ油ではこうはなりません。

脂おそるべし。食べる量を加減すればいいだけなんじゃないの、と、言われたら、グウの根も出ませんが。

さて、肉屋で鴨のコンフィを勇んで買って帰りましたが、やはりコレステロールのことを考えて、レンズ豆の煮込みと合わせることにしました。白い脂はおおまかにこそげ落とし、オーブンで温めます。

結果から先に申しますと、カフェで食べる鴨のコンフィの味でした。すなわち、美味しいのは美味しいんですが、味つけが濃くて、もンのすごくしょっぱい。

外食ではこのくらいの味つけのほうが食べた気がしますが、家庭ではどうでしょうか。ひとり腿一本ずつでは足りないのでは、と懸念したんですが、半分でギブアップでした。

後にはカフェオレボール一杯の白い脂が残った。

捨てるのももったいないしなあ、どうしようかなあ、と、とりあえず今、冷蔵庫でめんめんと冷えております。


PIC_0899.JPG
ロマネスコ、って言うんですよねこの野菜。どうしてこう尖(とが)っちゃったんだか。

前菜は、中華風スープ
主菜は、鴨のコンフィの残り入り野菜炒め、炒飯

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