立ち呑み日記・柑橘のヨロコビ [前菜]

前菜に、イスラエルでいただいたグレープフルーツを、食べました。

目の前で捥(も)いでくださったのを、カバンにしのばせて後生大事と持ち帰ったものです。これがまあ、甘酸っぱくて、ほんのり苦くてジューシーで、おいしいこと。

イスラエルでは、グレープフルーツやオレンジなどを三度の食事やおやつに気軽に食べ、またジュースにしぼって、水代わりに飲んでいます。

そのかの地で意外なことを耳にしたんですが・・

日本で人気の高い、イスラエル産のスウィーティー、って、ありますよね。ホラ、うーんと甘くて、全然苦くなくてジューシーでとおっても食べやすい、肌が緑色のグレープフルーツの仲間。

あれを嫌うひとがけっこういるんだそうです。

なぜというに、ジューシーなのはまあいいとして、うーんと甘くて全然苦くないところがとおっても食べにくい、と、いうんですね。

「寝ぼけた中途半端な味」とまで、言う。柑橘類らしい酸味や苦みもひと通りあって欲しい、とこう考えるのだそうです。

考えてみれば、柑橘にもいろいろあるものですネ。

フランスでは、今でこそオレンジといったら年間を通してどこでも買える、安価な果物です。が、ワタシらよりやや上の世代が子どものころは、年に一度のクリスマスに一個だけもらえる大ごちそうだったそう。

日本のお隣り韓国もまた、1980年代、オレンジはとてもオシャレな外国の果物だったそうです。

日本のワタシらが「ふぞろいの林檎たち」にかぶりついているころ、「オレンジ族」が、ソウルの表参道や青山や六本木にあたる繁華街を、豪勢な外車で往来していた。

「オレンジ族」とは金持ちの子弟で高価なオレンジを気軽に買っては、舗道を行くカワイイ女のコにそれと狙いをつけ、「ハイ」と車の窓から気前よく差し出す。

オレンジが受け取られたらナンパ成立です。

ショボい国産車でその真似をしてみるものの、そこまでの器も経済力もない小市民男児は、「金柑(キンカン)族」と鼻先でせせら笑われたそう。

しかしイスラエルの人に言わせるなら、金柑には金柑ならではの渋みや苦みがあるのだし、大いに小市民男児の味方をしてもらえるのでは、ないでしょうか。

橙(だいだい)はどうでしょう。最近は鏡餅の上にはミカンが多くなったらしいですが、ワタシが子どものころは、何があっても橙でした。

これを、鏡開きの日に半分に割り、ギューッと茶碗に絞る。

「これ飲んどけば一年風邪をひかないよ」
と、同居の祖父が、お湯で割って砂糖を足し、のませてくれるんですが、閉口したものでした。うんとにがくてうんと甘く、風邪薬シロップそっくりな味。

とはいえ英国ではとても好まれ、マーマレードのビターオレンジって、橙のことなんですってネ。

さて、前菜のグレープフルーツ、あっという間に食べ終わり、もっとーッ、と、カワのヘリのヘリまで未練がましくチューチューしちゃいました。


PIC_0738.JPG
歩きながらパチリ。

前菜は、スモークサーモン
主菜は、七面鳥ささ身のキノコとニンジン入りクリーム和え、なんちゃって七草リゾット、


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なゆ

想像したらじゅるり☆彡
いいですね!朝ごはんに食べたいですー。
日本のグレープフルーツはそこまで感動したことがありません。

…私、絞って生グレサワーにしたいと思ったのは呑兵衛の証拠でしょうね^^;

今年もよろしくお願いいたします。
by なゆ (2013-01-08 19:05) 

ぐちぐち

今日、砂糖をふってギザギザスプーンで食べることのほうが少なくなっているのでは、と、思うんですが、どんなものなんでしょうか。橙サワー、飲んでみたいです。
こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。
by ぐちぐち (2013-01-09 02:44) 

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