立ち呑み日記・俺は俺の足で [ワルガキ]

「♪・・って言ってたマーシー、タシロじゃない」
と、13歳のムスメが、フランス語なまりのお経、テナ感じで、ラップの曲をがなりたてている。

「『マーシー、タシロジャナイ』って日本語の呪文かなにか?」
と、ムスメに真剣なまなざしで聞かれました。

一時帰国はするもののフランスで生まれ育っているムスメが、マ、顔黒塗りのシャネルズもバカ殿のけらいも、その後の凋落も、知ってるワケないですからね。

エヘンと、もったいつけて解説してやりました。

この箇所、どんなに日本語のわかる外国人でも日本で長年生活していなければクスッとはなりません。

タシロじゃない別のマーシーが言ってた、というのは、こうです。

♪やりたくないことやってる暇はねえ・・

「THE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)」という1980年代中ごろに結成されたパンクロックバンドのギター演奏にしてボーカル、真島昌利さまで愛称マーシー。

ワタシはロック音楽に疎いのでブルーコメッツやらブルーシャトーやらの「昭和歌謡」のたぐいかと思いましたが、ザ・ブルーハーツといえば「リンダリンダ」などのヒット曲を沢山世に送り出し、ねじめ正一がもろ手を挙げて絶賛する文学性のある詩人だそうです。

♪チューインガムを噛みながら聞いてるブルーハーツ・・
と、ブルーハーツが何だかわからないままムスメはさらにガナりたてます。

ムスメはこのラップの曲をyoutubeでたまたま知ったのだそうで、
「日本にもラップがあるんだ」
と、もう夢中です。

「イジマ」という曲名だというので
「誰なの、その飯島って」
と何度も聞き返すうち、直子でも愛でもなく、イジマ(「忘れるな」)という韓国語で、日韓合作ラップだと分かって来ました。

みなさんご存知でした? 2015年元旦にリリースされ、世界的大評判だそうです。歌詞は日本語韓国語のみならずフランス語訳もインターネットで見つかります。

Keith Ape(キース・エイプ)という芸名の若い韓国人ラッパーが中心となり、韓国系アメリカ人のOkasian、韓国人で日韓バイリンガルのJayalldayが仲をとりもって日本勢のlootaとkohhという2ラッパーが参加。

韓国語の部分と日本語の部分があるんですが、ムスメがドリフの早口言葉よろしく熱中しているのが、Kohhさまご担当の箇所です。

♪俺は俺の足で歩く・・
という、孤高の若者の心情が強く耳に残ります。

Kohhさまとはどんな方なのかと検索してみれば、東京の下町で生まれ育った24歳で、青春の蹉跌が並々ならずあったことが首から胸板から二の腕からみっしり彫られたオソロシげなタトゥーに表れています。

24歳といったらお母さまはワタシと同世代でありましょう。

(さぞ心配しただろうなあ・・)
と、ならずもの然とした容貌とは相反するしっかりした口調のインタビュー映像を見ながら、同輩に思いを馳せました。

ラッパーって、時に即興で韻を踏み、詩は自作なんですってネ。

もうおひと方のlootaさまの箇所は、
♪脳味噌に如雨露は日課葉巻にキス・・
と、Kohhさまの簡明とはうってかわって語彙がむずかしい。

♪残せるものは多いに越したことがないこの一生に・・
と、意味も深淵で、ムスメの日本語力では完全なるチンプンカンプンの棒暗記です。


P1000305.JPG
はっ。今日写真撮り忘れてた、と、夕方パンを買いに出た道でとにもかくにもパチリ。

前菜は、トマトとさいの目エマンタールチーズとロケットサラダのサラダ
主菜は、メルゲーズ(羊肉のピリ辛生ソーセージ)、トマト風味レンズマメ煮込み、モロッコいんげん塩茹で

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。