立ち呑み日記・散歩で食べたい [おでかけ]

「散歩に行かない?」
と、ただ今学期休み中でパソコン画面から離れないワルガキ二匹に半ばあきらめ境地で聞いてみると、案の定、「行かない」(即答)。

中学生ともなると、親と散歩などちっとも楽しくないんですね。

マ、そりゃそうダ。そこで久しぶりに、一人で街歩きに出ることにしました。

さてどこ行こう。

バスチーユという界隈の風景がなぜか頭に浮かんだので、ひとまずそこを目指します。

バスチーユには近代建築の新オペラ座がそびえますが、その北側は上野のアメ横風商店街にして夜の繁華街。

昼間見ると地味―な店構えながら、その実オッシャレ最先端のバーがひしめいています。

バスチーユは人気スポットでテナント料がうなぎのぼりになったところから、オッシャレなバーはバスチーユ北東の、かつてはうんと庶民的だった界隈へ進出し、今やむしろそちらのほうがよりオッシャレになっています。

東京でいうなら、谷中や根津といったところでしょうか。

そしてバスチーユ北東のその界隈こそが、昨年多くの犠牲者をだしたテロの標的にされたところです。やはり爪痕は深く、バスチーユに着くなり重装備の警官や兵士を多く見かけました。このあたりはユダヤ教会やユダヤ商店の多いところでもあるんです。

心なしか北東に向かうのを避けて北上します。オッシャレな店と庶民的な店が雑駁に続く商店街のとっつきは、ペール・ラシェーズ墓地の塀。

この墓地は墓石の形も個性的で、ジム・モリソンやイヴ・モンタンなど著名人も多く葬られた人気観光ポイントではあるんですが、本日はお墓めぐりの心境にあらず。

長く伸びる墓地の塀に沿って粛々と歩いてもつまらないので、早めに小路を東へ折れてみます。道行く人がずっしりした買い物カートをひいているのは土曜日の午後だからでしょうか。

土曜日はユダヤ教の安息日なので、残念ながらユダヤ商店はシャッターが下りています。代わりに、というのも変ですけど、アラブ商店は大盛況。ことにハラルというイスラム式食べ方のレストランなど時分どきをとっくに過ぎているというのに立錐の隙もないほどです。

ワタシも何か食べてみたいナ。

でも、お昼に白飯を炊いてお代わりまでしちゃったのでお腹はイッパイなんです。

『散歩の途中何か食べたくなって』という池波正太郎の名随筆もあることだし、でもやっぱりここはひとつ散歩の途中何か食べたい、とはいってもお腹イッパイ・・

懊悩しながら歩き続けると、ベルヴィルに着きました。

この界隈は、今来たアラブ・ユダヤ商店街を横軸とすると、縦軸は中華街です。温州という粉もの文化地域出身の中国人が多く、安価な汁麺屋さんが軒を連ねています。

しかし、まったくくやしいことにお腹イッパイ。

小腹よ空けと念じながら足を速めるうちにいつしか中華街は遠のき、これでは家に着いちゃうと焦るうちについにお腹がグーと鳴ったので、最初に目についた人気(ひとけ)のないホットドッグ屋にとびつきました。

これが、パンぱッさぱさソーセージひッやひやでガックシのお味。つべこべ考えず汁麺屋に入ればよかったと心から後悔しましたね。


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このあと通りがかりにポンピドー文化センターという、マチスやマグリットなど近代美術の美術館にも寄っちゃいました。その階上から日が暮れる前に大急ぎでパチリ。

前菜は、フムス(ヒヨコ豆のペースト)とセロリ、花がつおをかけたさいの目フェタチーズ(羊のチーズ)、トマトサラダ
主菜は、ポトフ


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