立ち呑み日記・政治デモ [ワルガキ]

「メランションの政治デモに行く」
と、14歳のムスメ。

ただ今フランスは大統領選の選挙運動真っただ中です。大統領選は、1回目の選挙で上位2人が選出され、2回目で決選投票となります。

投票資格があるのは18歳以上、中学坊主のムスメは当然ながら「おみそ」です。

ムスメがテコ入れするメランション候補は左派、最低賃金引き上げ、同性婚の認知などを公約に掲げ、候補者中唯一の反原発派でもあります。

ムスメの言うところによると、
大統領選といえば天下の一大事、何がなんでもメランションの政治デモに加わり世を良い方へ導かねばならぬ、ついては日本語学校はサボりたい・・

「それはだめです」

政治に興味を持つのは大いにけっこう、しかしながらやるべき勉強がおろそかになるのでは本末転倒ですッ。

人差し指をふりあげる日本人のオカーサン(ワタシです)をぽかんと見ていたムスメは、数秒の時間差をもって実にくやしげな顔になり、言わんとするところを理解したようでした。

ホンマツテントー、という四字熟語が、ややむずかしかった。

けっきょく、日本語の授業にちゃんと出席して、その前後なら行ってもいい、ということで折り合いがつきました。

パリのメランション政治デモは、13万人(主催者側発表)という大規模だったようです。

「数学の先生と美術の先生も参加するんだって」
と、学校で漏れ聞いてきたムスメ。

友だち数人も行くそうで、彼ら彼女らとエイエイオーと盛り上がろう、というわけです。

夕刻、ムスメは立派なプラカードとフランス国旗を肩に担いで意気揚々と戻って来ました。こういう道具類はデモ主催者が「どうぞ」とその場で配布するそうで、選挙ってなるほどお金がかかるもンですねえ・・

相当に気勢をあげたとおぼしきシオカラ声をふりしぼり、家に入りながらおぼえたての「インターナショナル」(歴史ある労働歌です)をひとくさり。

プラカードには、メランションの公約のひとつ、
「16歳に投票権を!」

あらでもそれちょっと若すぎるんじゃないの?
と、口をはさむと、
「それは違います」

労働権は16歳からで、成人同の等賃金労働に従事するのだから投票権だってあってしかるべき、と、ムスメはとうとうとはじめます。

そのいっぱしな応援演説っぷりを晩ごはんのしたくしつつ聞き流しながら、わが14歳の日々を振り返っちゃいましたヨ。

14歳のワタシは、政治などもうまるっきり、関心ありませんでした。

その2年前、日本はロッキード事件に揺れ、「ピーナッツ」「証人喚問」なんて言葉を小学生(ワタシらです)でも知るところとなりました。

「記憶にございません」
なんて、授業で先生に当てられたひょうきんものが切り返してはクラスが大爆笑、テナことが飽きもせず繰り返されたもんです。

恥かしいかなそこからの進展は、なし。

学生運動は過去のもので、政治に関心を示すのはダサいという風潮さえ、ありました。

そんなだったからこそ、権力者への忖度(そんたく)に次ぐ忖度で一部の人だけがいい思いするような実によろしくない国柄になってしまった、の、かも、なあ、と、反省が先に立ちますナ。


P1000614.JPG
どの小さい子が落としたんだか、舗道から見えるところに置いてありました。こういう布製人形(『ドゥドゥー』ってフランス語で言います)、乳幼児が依存するものとして親が与えるんですが、日本でそういう発想ってないですよネ。ワタシもうちの子どもらを託児所に入れたときに初めて知り、びっくりしました。

前菜は、さいの目鶏肉・トマトソース和えペンネ少々(以上残りもの)・トマトのマヨヨーグルト和えサラダ
主菜は、メルゲーズ(焼いた羊肉生ソーセージ)、さいの目じゃがいもソテー、いんげん塩茹で


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