立ち呑み日記・イチゴ盗っ人 [困った!]
「美術でひッどい点数もらっちゃった」
と、学校から泣きの涙で帰って来た14歳のムスメ。
どれどれと見てみると、
(ありゃマそりゃそうでしょうねえ・・)
と、心底納得できるまでの幼稚園児の絵です。
とんがり帽子の魔法使いが杖を振り上げ、その前に置かれている指輪から光線が十文字に長く伸びている・・
トまあそんな感じの代物が描かれています。
低評価は絵の巧拙というより、
「授業で学習した絵画の技法があいまい」
で、
「絵の中における関連性と物語性が的確に表現されていない」
から、だそう。
テーマにちゃんとのっとってもう一枚家で仕上げて来たあかつきには採点し直す、
と、先生は請け負ってくださったそうな。
「でも何描けばいいかわかんないし」
と、ムスメは絶望的に泣きぬれます。
困ったわねえ・・と、ムスメに尋ねたところによると、絵画の技法というのはドラクロワの「民衆を導く自由の女神」を見ながら学んだそうです。
ホラ、乳房も露わに片手のフランス国旗を掲げた女神が死屍累々を踏み越え民衆を率いていくあの有名な作品。
中央の女神にまず目が行くと、その両脇から後方へ続く民衆へと視線は自然に移り、再び女神から上方に掲げられている国旗へと視線がまわる・・というような「流れ」が、絵の中にできている。「流れ」は、遠近法や陰影、関連物が一線上に並んでいる、などから出来上がるもののようです。
関連性と物語性は、ラトゥール「いかさま師」で。
ホラ、卓を囲んでトランプの真っ最中で、よこしまなマダムの視線の先には背中に札を隠し持った若者・・というように、ひと目で状況の物語性がわかる名作。
以上をふまえ、見る者の視線を動かしつつ関連性と物語性に富んだ絵といったら、どんななんだか・・
・・と頭悩ます間もなく、オカーサン(ワタシです)はぱっと思いつきましたね。
「パリの舗道でキスしているカップルの女性のほうが片目開けて通りがかりの容姿のいい男へ目移りのウインクしてる、ってのはどうかしら」
「そういう不道徳なのは学校に提出できない」
と、泣いていたはずのムスメは冷静沈着な声を出しました。
「なぜそんなシーンを思いついたんだい?」
と、騒ぎを聞きつけてやって来たフランス人のオトーサン(ワタシのオットです)もいつになく深刻な顔で詰問してきます。
ンなこと、思いついちゃったものは仕方ないじゃないの。
それにパリの街並みを描くのは複雑というので、もう少し知恵を絞ることにしました。ムスメはおやつをもぐもぐしながら、日常のありふれた光景から考えているもよう。
けっきょく、自分らきょうだいの小競り合いをヒントに、二人の子どもがおやつのケーキをぱくついている食卓で、一人が「あっ」と中空を指さしたのにもう一人が気をとられた隙にケーキの上のイチゴをかすめとる、という構図に決めたようでした。
モデルをたのまれたオカーサンは、「あっ」と上方を指さしもう片手のフォークを横の皿に伸ばしたなりで静止、次いで「へ?」とオマヌケな口半開きでフォークにぎったままつられて上方に目をやったなりで静止、の、一人二役をやらされました。
秋休みに南仏の親戚の家に行ったときになにの看板??!! と、驚いたんですが、かつてのような自然を取り戻すため、東欧から熊を持って来て野生に放したんだそうです。出会いたくないナ。
前菜は、鶏出汁野菜ポタージュ
主菜は、あんこうのホッペタの唐揚げ、さいの目のにんじんと根セロリ入りソース味炊き込みご飯、いんげん塩茹で
と、学校から泣きの涙で帰って来た14歳のムスメ。
どれどれと見てみると、
(ありゃマそりゃそうでしょうねえ・・)
と、心底納得できるまでの幼稚園児の絵です。
とんがり帽子の魔法使いが杖を振り上げ、その前に置かれている指輪から光線が十文字に長く伸びている・・
トまあそんな感じの代物が描かれています。
低評価は絵の巧拙というより、
「授業で学習した絵画の技法があいまい」
で、
「絵の中における関連性と物語性が的確に表現されていない」
から、だそう。
テーマにちゃんとのっとってもう一枚家で仕上げて来たあかつきには採点し直す、
と、先生は請け負ってくださったそうな。
「でも何描けばいいかわかんないし」
と、ムスメは絶望的に泣きぬれます。
困ったわねえ・・と、ムスメに尋ねたところによると、絵画の技法というのはドラクロワの「民衆を導く自由の女神」を見ながら学んだそうです。
ホラ、乳房も露わに片手のフランス国旗を掲げた女神が死屍累々を踏み越え民衆を率いていくあの有名な作品。
中央の女神にまず目が行くと、その両脇から後方へ続く民衆へと視線は自然に移り、再び女神から上方に掲げられている国旗へと視線がまわる・・というような「流れ」が、絵の中にできている。「流れ」は、遠近法や陰影、関連物が一線上に並んでいる、などから出来上がるもののようです。
関連性と物語性は、ラトゥール「いかさま師」で。
ホラ、卓を囲んでトランプの真っ最中で、よこしまなマダムの視線の先には背中に札を隠し持った若者・・というように、ひと目で状況の物語性がわかる名作。
以上をふまえ、見る者の視線を動かしつつ関連性と物語性に富んだ絵といったら、どんななんだか・・
・・と頭悩ます間もなく、オカーサン(ワタシです)はぱっと思いつきましたね。
「パリの舗道でキスしているカップルの女性のほうが片目開けて通りがかりの容姿のいい男へ目移りのウインクしてる、ってのはどうかしら」
「そういう不道徳なのは学校に提出できない」
と、泣いていたはずのムスメは冷静沈着な声を出しました。
「なぜそんなシーンを思いついたんだい?」
と、騒ぎを聞きつけてやって来たフランス人のオトーサン(ワタシのオットです)もいつになく深刻な顔で詰問してきます。
ンなこと、思いついちゃったものは仕方ないじゃないの。
それにパリの街並みを描くのは複雑というので、もう少し知恵を絞ることにしました。ムスメはおやつをもぐもぐしながら、日常のありふれた光景から考えているもよう。
けっきょく、自分らきょうだいの小競り合いをヒントに、二人の子どもがおやつのケーキをぱくついている食卓で、一人が「あっ」と中空を指さしたのにもう一人が気をとられた隙にケーキの上のイチゴをかすめとる、という構図に決めたようでした。
モデルをたのまれたオカーサンは、「あっ」と上方を指さしもう片手のフォークを横の皿に伸ばしたなりで静止、次いで「へ?」とオマヌケな口半開きでフォークにぎったままつられて上方に目をやったなりで静止、の、一人二役をやらされました。
秋休みに南仏の親戚の家に行ったときになにの看板??!! と、驚いたんですが、かつてのような自然を取り戻すため、東欧から熊を持って来て野生に放したんだそうです。出会いたくないナ。
前菜は、鶏出汁野菜ポタージュ
主菜は、あんこうのホッペタの唐揚げ、さいの目のにんじんと根セロリ入りソース味炊き込みご飯、いんげん塩茹で
2016-11-14 07:32
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