立ち呑み日記・ファックスで [追究]

ただ今日本の実家で、老母が冷蔵庫につっこむだけつっこんだなりの賞味期限切れ食べ物の整理などして、テレビのワイドショーをのんべんだらりと観る日々を送っております。

するとみなさまご存知の通り、かの人気大女優が女手ひとつで手塩にかけ育て、お茶の間の高感度ナンバーワンとなった息子である若手俳優がたいへんな不祥事をしでかしたというスキャンダルがテレビを終日にぎわせることとなりました。

高畑淳子かわいそうねえ・・
と、賞味期限過ぎの「わかめ麺」を朝ごはんにポン酢でズルズルやりながらつけっぱなしのテレビに目をやると、所属事務所社長が取材陣に追われているところでした。

「詳細は各社宛てにファックスでお送りいたします」

詰め寄っていた取材陣もまた、
(ではファックスお待ちしていますよ)
というように納得して引いたので、へええ・・と、感心しちゃいましたヨ。

ファックスって、とっくの昔に絶滅した道具かと思いこんでました。

ウィキペディアによると、ファクシミリは1990年代に家庭に浸透し、ピークの1997年の生産台数は861万台、しかしその後電子メールが席巻し、2010年には26万台まで激減。

ワタシは売れないフリーライターで、パリの自宅でも1990年代は確かに日本の編集部とファクシミリでのやりとりは必須でしたが、21世紀に入ってこのかた出番はなくなりました。

うちのファクシミリは電話と一体型だったのでその後も電話として使っていたものの、受話器に不具合が出たのを潮にふつうの電話へと買い替え、ファックスとは完全に縁を切ることとなりました。

日本の実家にも電話機との一体型があることはありますが、A4の紙を縦に立てる部分からもっぱら孫の写真の写真立て代わりになってます。電話なら卓上に子機がありますし、老父は青汁なんかをインターネットで注文しています。

それに反して、芸能ニュース界ではファックスが確固たる現役選手なんですネ。

これだけメールが、ブログが、ツイッターが市民権を得ている中で、あえてファックスという理由がしかとあるのではないでしょうか。

すなわち、スキャンダルへの声明は、メールや、ブログや、ツイッターでは軽佻浮薄のそしりをまぬがれない(ンじゃないかなあ・・)

かといって書留郵便では封筒のあて名書きから何から手間と時間がかかりすぎ、なにより切手代がかさんじゃう。

そこで、現代通信技術の雄の印象いまだ薄れないファックスで、迅速と真摯を同時にアピールしつつスキャンダル払拭にこれつとめる(ってことじゃないかなあ・・)

先のスマップの解散発表も、FAXだったそうです。

放送局や雑誌新聞の編集部のファクシミリはでも、うちの実家と同じくふだんは目立たない場所にうちやられているものではないでしょうか。

芸能プロダクションのファクシミリとて同様でありましょう。今回、いずれの若手社員もめったにないことで、慣れない操作に戸惑ったと思いますぞ。

送り手受け手いずれ側も、ピーヒョロロローとなるときに口尖らせ、機械表面にうっすらたまったホコリをフーフーしたとワタシは確信しております。


P1000516.JPG
実家のワタシの部屋に今も残る留学時代にいただいたポスターをパチリ。

前菜は、トマト・カマボコ・缶詰マヨ和えホタテ貝のサラダ
主菜は、真空パックのローストビーフ・合鴨ロースト・焼き鳥(以上お中元の賞味期限スレスレ)の赤ワイン煮、いんげん塩茹でとケッパーを添えて



nice!(5)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 5

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。