立ち呑み日記・煉瓦 [追究]

煉瓦はフランスとイギリスとでは積み方が違う、
ということを、週遅れでもらった『週刊新潮』の、建築家藤森照信のエッセイで知りました。

煉瓦といったら長四角、とこう漠然と思い込んで来ましたが、長方形にも長いのと短いのがあり、この二種類を組み合わせて積み上げるものだそうです。

その組み方は、長いのと短いのを交互に並べていくのがフランス式、長いのだけ一段、次いで短いのだけ一段というふうに並べていくのがイギリス式、だそう。

「かりに長いほうを『ツー』、短いほうを『トン』であらわしてみる」
と、藤森建築家は実にイメージしやすい表現をなさいす。

フランス式は、ツートンツートンツートン、次の段もまたツートンツートンツートン・・

イギリス式はツーツーツーツーツー、で、次の列がトントントントン、その次がまたツーツーツー・・

どうです、明快に見えるようではないですか。

日本では19世紀末に西洋建築が入って来た当初はフランス式を採用し、明治20年にイギリス式にとってかわられたそうで、積み方で当時の煉瓦建築の年代が見分けられるそうです。

ヘーエと思い、買い物に出たついでに近所の煉瓦の建物をしげしげ見上げてみました。すると、あらホントだ、全篇にわたりツートンツートン。

そういえば去年までワルガキが通っていた小学校も煉瓦づくりだったワとまわり道してみると、やはりこちらもツートンツートンツートン・・。

なるほどなあと思いましたね。

たまさかにイギリスへ鉄道旅行すると、見慣れたフランスの田園を行くユーロスターがふっとトンネルに吸い込まれて英仏海峡を越え、またふっと外が明るくなった途端、さっきと同じような煉瓦の建物が見えてくるのに、どこか違う。何がどう違うのかうまく言えないけど明らかに違う、違うったら、違うッ。

これ、煉瓦の積み方のせいだったんですね。

日本では明治時代にこそ煉瓦建築は華やいだものの、関東大震災で大打撃を受け、コンクリート建築へと変わって行きました。

それにしても、「コンクリート」と言われても別にどうとも思わないのに、「煉瓦・・」とこう言われると床しく素敵な印象が強く残るのは、どうしてなんだか。

おいしそうな印象さえ、残ります。揚げたラードのニオイがしてくるような気がして、カツレツやオムライスがむしょうに食べたくなってくる。

ワタシが子どもの頃は近所のそこかしこの空き地を遊び場にしたものですが、こういう空き地には瀬戸物などのかけらがたくさん落ちて(捨てられて)いたものでした。

その中に煉瓦のかけらを見つけると、瀬戸物の破片でゴシゴシやって赤い粉を作り出しては悦に入ったもンです。

その何が面白いの?
と、今となっては思いますが、赤い粉が少しずつたまっていくのに充実感が、あった。

同じような破片でも植木鉢や瓦の一片は固くて粉はほとんど出ず、うんと格下でした。

その赤い粉をどうするかというとどうもせず、空き地といえば転がっている土管あたりに指でなすりつけて、おしまい。

近年のフランスでは、煉瓦は扱いやすいので建売住宅の3軒に1軒は煉瓦造りだそうです。


P1000373.JPG
この週末はフランス全土で雨でした。パリでは日本大使館の近くにあるモンソー公園というところで子どもたちが雨宿りに大木の下に逃げ込んだところでなんと落雷があり、子どもが何人か怪我をするという事故も起こりました。怪我ですんでよかったです。

前菜は、トマトとオイルサーディンのサラダ
主菜は、七面鳥ささ身のカツ、薄切りじゃがいものクリームグラタン、いんげん塩茹で、グリーンサラダ
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