立ち呑み日記・1933年の冷茶 [おやつ]

1933年シカゴ万博で日本館の喫茶コーナーで供されたという抹茶アイスティーを、学生時代の友人で茶人にして静岡茶研究家の友人におしえてもらいました。

欧米人の舌に合わせて考案された飲み物で、当時の資料をもとに、つい先日静岡県で開催されたお茶フェスティバルでも再現したそうです。

その作り方は、こうです。

「2合のコップに」茶さじ3分ないし4分の抹茶と砂糖を氷水に入れて強く振ると、「ヒスイを溶かしたような清涼の感を生じる」。ここへ「パインアップル一片と赤い櫻の実一粒を置き、レモン一片を加へ」、ストローをさし、煎餅3枚を添える。

どうです、昭和8年に、こんなオシャレな飲み物があったなんて。日本館の喫茶コーナーは大人気で、百席あるところ入りきれないお客も多く、日に1800杯も売れたそうな。

2合、というのが、いかにもアメリカ人に合わせた量のような気がします。

2合といったら360ミリリットル、スターバックスの「トール」(大)が350ミリリットルだそうですから、たっぷりもたーっぷり。

日本人にはのみ切れないくらいではないでしょうか。

じっさい、友人が再現したのは-ほんの三口ほどの、ガラス製麦茶コップでした。パイナップとサクランボとレモンの香りが移った甘くてつめたい抹茶、暑い日にさぞヨロシかろうと思います。

煎餅3枚、というのに、ワタシなど大いにひっかかりました。これ、日本人が字づらから即座に思い浮かべる塩煎餅では、ない、ん、じゃ、ないでしょうかネ。

お茶の時間に、英国ではサンドイッチなど軽食を確かに食べますけど、お茶に塩煎餅は「ない」気が、するんですよねえ・・

フランスなら塩煎餅は食前酒のつまみ、今日ではタイ産の日本風あられがスーパーで塩味ピーナツと並んでいます。

お茶の合いの手というなら、クッキーやらの甘いお菓子。フランス語でいうところの「チュイル」のような薄焼きクッキー3枚、だったんじゃないでしょうか。

当時の子どもにおなじみだった英字ビスケットではないし、薄焼きクッキーを表す適当な日本語が見つからないところからレポートに「煎餅」と書かれることになった・・

「うーんどうかしらねえ」
と、友人はワタシの説をだまって聞くのみでした。

資料にはそれ以上のことは書かれていないので、どんな「煎餅」かは不明、とのこと。

「断然、薄焼きクッキー」
と、ワタシはなおも自説を押し付けましたね。

だって、昭和8年のシカゴで、1日1800杯カケル3枚、つごう5400枚もの米粉からなる塩煎餅が、毎日調達できたでしょうか。クッキーだったら地元の材料でなんとでもなる(ンじゃないかなあ・・)。

抹茶アイスティー、今だって和風喫茶店などの名物になりそうです。薄焼きクッキー3枚ついて800円ナリ、って感じでしょうか。

お茶を、湯でなく水から出すと、苦み成分が抑えられるといって最近流行ってるんですってネ。

水どころか茶葉に氷を置いて、溶けていくしずくでゆーっくり抽出すると、それはもう極上の冷茶ができ上がるそうです。

「お茶のエスプレッソって感じよ」
と、お茶専門家(ワタシの友人です)お墨付きです。


P1000365.JPG
 本日のおやつです。ミルクチョコを敷いてマシュマロを置き、オーブンで軽くあぶる。13歳のムスメがどこからか仕入れて来たやり方で、すごーくおいしいんだそうです。

前菜は、トマトとさいの目エマンタールチーズのサラダ
主菜は、ミートソースマカロニのグラチネ(チーズ焼き)、いんげん塩茹で

nice!(16)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 16

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。